Get us in your inbox

Honoka Yamasaki

Honoka Yamasaki

ライター、ダンサー、purple millennium運営

Follow Honoka Yamasaki

Articles (3)

「ノンバイナリー」「HIVポジティブ」、中里虎鉄が今伝えたいマイノリティーのこと

「ノンバイナリー」「HIVポジティブ」、中里虎鉄が今伝えたいマイノリティーのこと

タイムアウト東京 > LGBTQ+ > SEX:私の場合 > 「ノンバイナリー」「HIVポジティブ」、中里虎鉄が今伝えたいマイノリティーのこと HIV(ヒト免疫不全ウイルス)ポジティブをオープンにしながら、ノンバイナリー(性自認を「男・女」といった性別の枠組みに当てはめないこと)としての経験や考えを発信する中里虎鉄。ライター、雑誌の編集者、フォトグラファーの活動を通して、テレビや雑誌の出演、政治デモでのスピーチなど、さまざまなシーンで声を上げている。 筆者は、そんな情熱の持ち主である中里虎鉄と新宿二丁目で出会い、興味を抱いた。複数のマイノリティー性が重なり合う、彼女、彼でもない「中里虎鉄」という人間が、窮屈な世の中で訴え続ける理由とは何だろうか。 関連記事『日本のジェンダー観や婚姻制度のあれこれ、もう一度社会の前提を疑おう』『ドラァグクイーンとして体毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで』

日本のジェンダー観や婚姻制度のあれこれ、もう一度社会の前提を疑おう

日本のジェンダー観や婚姻制度のあれこれ、もう一度社会の前提を疑おう

タイムアウト東京 > LGBTQ+ > SEX:私の場合 > 日本のジェンダー観や婚姻制度のあれこれ、もう一度社会の前提を疑おう 現在、「婦婦(ふうふ)」として3人の息子を持つ、エリンとみどり。二人が結婚した後、エリンは自身の性に対する違和感から、出身国であるアメリカ合衆国でトランジション(性別移行)を行った。しかし、日本では同性間の婚姻が認められない。そのため、二人は婚姻関係を解消するか、本来の性ではない「男性」のままでいるかの二者択一をせざるを得ない現実に直面した。2021年、同性婚が認められない現状に対して、二人は国を相手取り裁判を起こしている。そんな二人に、日本のジェンダー観と政治について話してもらった。 関連記事『自分たちの居場所を作ること』『ドラァグクイーンとして体毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで』

ドラァグクイーンとして体毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで

ドラァグクイーンとして体毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで

タイムアウト東京 > LGBTQ+ > SEX:私の場合 > ドラァグクイーンとして体毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで 性教育パフォーマーを名乗るドラァグクイーンがいる。その名もラビアナ・ジョロー。端正な顔立ち、豊満な尻、青々と生い茂った胸毛。それを笑う者でさえも、いつしか彼女の魅力に吸い込まれていく。 軽快なトークときらびやかな踊りを披露する独特なパフォーマンスは、後に問いや話題のきっかけを生み出す。それは、彼女が培ってきた性の知識と社会の影に潜む問題をパフォーマンスと融合させ、我々に問いかけているからだ。ラビアナはなぜ胸毛を見せつけ、表現し続けるのか。話を聞いてみた。 関連記事『新シリーズ「SEX:私の場合」始動、集団ではなく個にフォーカスを』『トランスジェンダー、無性愛者を告白した中山咲月の22年間の葛藤』

News (2)

日本最大のゲイバーで12人のセクシーなオトコたちの写真展が開催

日本最大のゲイバーで12人のセクシーなオトコたちの写真展が開催

新宿二丁目にある日本最大のゲイバー、イーグル トウキョウ ブルー(EAGLE TOKYO BLUE)で、tokio.jpnの写真展『bedfellows』が、2022年4月29日から6月26日(日)まで開催。写真展を記念し、日本男児ショップ店頭とオンラインショップで、オリジナルTシャツを販売する予定だ。鑑賞者までを誘惑する彼らの写真を眺めながら酒を楽しめるのは、ここでしか経験できないであろう。 画像提供:EAGLE TOKYO BLUE 写真展では、12人の「オトコ」たちのセクシーな姿を捉えた写真が壁一面を埋め尽くす。モデルは、Yoshi Kawasaki、KENJI、Gene Maruyamaなど、ゲイコミュニティーで注目されている人たちだ。ベッドを共にする仲間という意味を持つ「bedfellows」のように、セクシーな姿を写し出すことは、被写体と撮影者が共犯関係にあることを意味し、彼らのエロスが主体的にあふれていることが伺える。 2018年、EAGLE TOKYOグループによって発足されたイーグル トウキョウ ブルーは、クラブエリア、バーエリア、ラウンジエリア、日本男児ショップの4つのゾーンを展開した複合店としてオープン。入り口から地下につながる階段を降りると、そこにはゲイアーティストの児雷也(じらいや)が手がけた巨大壁画が待ち構えている。 画像提供:EAGLE TOKYO BLUE 海と青がテーマの空間が演出され、週末には『ル・ポールのドラァグレース』の最新エピソードを鑑賞する『ドラァグマニア』、クラブミュージックとゴーゴーボーイのパフォーマンスを楽しむ『STARRFUKKER』など、ドラァグクイーンのショーからDJイベントまでさまざまなコンテンツを提供する。 画像提供:EAGLE TOKYO BLUE 画像提供:EAGLE TOKYO BLUEEAGLE TOKYO BLUE 「日本のゲイカルチャーを日本に」というコンセプトのもと展開したアパレルブランド『日本男児』も必見。ゲイアーティストとのコラボレーションを通し、Tシャツやキーホルダ、キャップを販売する。バーに行けば、市川和秀による筋肉隆々な武闘派マンガ『NIPPONDANJI MAGAZINE』を手に取ることができる。写真展『bedfellows』を堪能した後は、EAGLE TOKYO BLUEですてきなゲイナイトを過ごしてみては。 『bedfellows』の詳細はこちら 関連記事 『ドラァグクイーンとして体毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで』 『東京レインボープライド特集』 『クィアフェスティバル「Q(WE)R」が東京で初開催』 『ロンドンにイギリス初のLGBTQ+歴史博物館がオープン』 『日本のジェンダー観や婚姻制度のあれこれ、もう一度社会の前提を疑おう』 東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら

排除アートをマゾヒズムで表現、小寺創太の個展「調教都市」開催

排除アートをマゾヒズムで表現、小寺創太の個展「調教都市」開催

小寺創太個展「調教都市」が2022年3月5日(土)、トークンアートセンター(Token Art Center)で始まる。期間は4月3日(日)まで。 小寺は主体であるはずの作家(パフォーマー)の身体を展示し、空間の一部になりきる。そこに「いる」ことで、展覧会や演劇における秩序を攪拌(かくはん)させていく――。「排除アート」から着想を得た『調教都市』では、自身の身体を展示物としてオブジェクト化し、台座に関する作品制作と発表を行う吉野俊太郎と共同制作を行う。 小寺創太(撮影:藤江龍之介) 身体のオブジェクト化 小寺は自らを「ill派(いる派)」と名乗る。身体を環境に囚われた存在と捉え、表現的なパフォーマンスである「見せる」ことを不可能とし、鑑賞空間に長時間「いる」ことで身体をオブジェクト化する形式をとる。 近作『蓄光人間』では、蓄光塗料を全身に塗った小寺自身が計6時間もの間、暗い部屋と明るい部屋を3分ごとに行き来する。展示物となった身体を、鑑賞者は穴からのぞき見ることができる。この空間に入る人々は特定の展示作品を「見る」のだが、ほかの展示物が見られている時には「見られない」。このように「見られない」「無視される」パフォーマンスの可能性を探る小寺の作品は、従来の芸術の在り方を人々に問うのではないだろうか。 『蓄光人間』2019年 パフォーマンス、インスタレーション 『寄生人』2020年 身体、全身タイツ、L字金具、他作家の平面作品 借用絵画:田岡智美『Coode_8 #kattoandopeesuto #risaizu #paretto #2017rimeiku』 排除アートをSM器具に「誤用」して 「調教都市」は、小寺自身が「排除アート」に注目したことから始まる。「排除アート」とは、突起の散りばめられた公共空地や不自然に仕切られたベンチを配置し、ホームレスなど特定の人々を排除した造形物だ。何も知らずに見ると展示物としても楽しめるかもしれない、その意図は敵意剥き出しであるともいえるだろう。 現に「排除アート」を批判する芸術作品は多く存在する。だが、小寺は悪と作者が共犯関係にあるように、「排除アート」という悪が存在しないとそれらの作品は存在しないのではと疑問を抱く。そこで身体を拒絶する「排除アート」を「台座」として捉え、SM器具として誤用。攻撃性を用いた作品が、悪に対して喜ぶマゾヒズムと結びつくのだ。 吉野俊太郎『Plinthess』2021年 今回も身体をオブジェクト化させることには変わりないが、攻撃性を用いて鑑賞者の主体性を誘発することは、マゾヒズムならではである。展示物という名の「放置プレイ」を実践し、鑑賞者という女王様を待つ。来場客をも取り込んだ内容を、ぜひご覧あれ。 『調教都市』の詳細はこちら 関連記事 『ドラァグクイーンとして体毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで』 『ポケモンとダニエル・アーシャムのコラボ展示、都内5カ所で開催』 『業界初、製作過程を公開する国際映画スタジオがギンザシックスにオープン』 『Chim↑Pomが森美術館内に託児所を開設、クラファン実施中』 『楳図かずおの芸術性に迫る、展覧会が六本木で開幕』  東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら

新シリーズ「SEX:私の場合」始動、集団ではなく個にフォーカスを

新シリーズ「SEX:私の場合」始動、集団ではなく個にフォーカスを

多くの人が関心を寄せる性の話題。セックス、セクシュアリティー、ジェンダー、ポルノ、フェティシズムなど、欲望まみれのエロ話から真面目な社会学まで、「性」が持つ意味は幅広く奥深い。そして性は「せい」だけでなく、人が生まれ持った性質を指す「さが」の側面があることも忘れてはならない。 人間のナチュラルな部分、傾向や本能を表現する「さが」。私たちは「童貞は一人前の男ではない」とされながら「経験の多い女はビッチ」と言われたり、「同性愛は自然ではない」と特定の人たちが除外される理不尽な社会にいる。このような社会の前提に当てはまらなければ、人間として自然ではないとされてしまうのは、実におかしな社会……。 しかし、世の中には恋愛感情がない人、性自認が男女に当てはまらない人、オープンにセックスを楽しむ人、複数人と恋愛関係を築く人などさまざまな人がいる。つまり、私の「さが」とあなたの「さが」はまったく違うということ。枠としてではなく個人としてフォーカスすることで、その人のリアルが見えてくるのではないだろうか。 ダンスパフォーマンスの様子、左がHonoka Yamasaki(Photo: Yusuke Sato @secret_citywalk) インタビュアーである筆者個人の話をすると、昼間はライターとしてタブーなトピックを発信するかたわら、夜はディープな街、新宿二丁目でドラァグクイーンと踊るダンサーとして活動している。そんな日々の中、さまざまな側面から「性」について考える機会が増えた。 同性を好きになることは私にとって当たり前のことなのに、女性と付き合っていることを恥ずかしくて言えなかった。今でもセクシュアリティーや性的欲求について話しづらい空気感はあると思う。 ライターとして人々の人生の一部を聞き、ダンサーとして新宿二丁目やクィアカルチャーと触れ合うことで、さまざまな個人の「さが」がみえてきた。その人にとっての当たり前やナチュラルな部分は異なり、それを相手に押し付けるのも違う。現代では、こうあるべきということで一人一人の性を制限しているように感じるが、そうではなく個人として認識していくことが大事なのではないだろうか。 Labianna Joroe(Photo: Maxim @maxim_dq) 今月から始まるTime Out Tokyoのインタビューシリーズ『SEX:私の場合』では、より個人に焦点を当て、「さが」としての性を取り上げていきたい。 記念すべき第1回のゲストは、性教育パフォーマーとして、またドラァグクイーンやMCとしても活躍するラビアナ・ジョロー。ぜひ読んでほしい。 テキスト:Honoka Yamasakiライター、ダンサー、purple millennium運営Instagram@honoka_yamasaki  関連記事 『スウェーデンの男子向け性教育本が伝えるセックスで一番大切なこと』 『トランスジェンダー、無性愛者を告白した中山咲月の22年間の葛藤』 『東京、LGBTQ+フレンドリースポット11選』 『トップバーテンダーに聞く、2022年のトレンド』 『Netflixでアジアのナイトライフを追う新ドキュメンタリーが配信』 東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら

トランスジェンダー、無性愛者を告白した中山咲月の22年間の葛藤

トランスジェンダー、無性愛者を告白した中山咲月の22年間の葛藤

モデル、俳優の中山咲月のフォトエッセイ『無性愛』が2021年9月17日(金)に発売される。自身の性についての違和感や葛藤を抱え続け、22年を経て自身がトランスジェンダーで無性愛者であることを告白し、ジェンダーレスでもなく女性でもない一人の男性として生きることをつづった作品だ。  Photo: Kisa Toyoshima 自分の性別に違和感を抱えていた22年間 ーフォトエッセイ『無性愛』では、中山さんがトランスジェンダーで無性愛者であることを告白していますが、公にすることを決意したきっかけはありますか?  きっかけは生田斗真さんが演じる『彼らが本気で編むときは』という映画を観た時でした。一人のトランスジェンダーの人生が描かれていて、その映画を観た時につらくなってしまって。それまでは自分が何者なのかわかっていなかったのですが、映画を観て、もしかしたら自分はトランスジェンダーなのかもしれないと感じたんです。  フォトエッセイのなかに「死にたいと思ったことはありますか?」と書いているのですが、実際に自分の性別について悩む時期を経て、あまりにつらくて生きていたくないと思うようになりました。そのとき、一緒に暮らしている親友が「死ぬくらいならもっとわがままに生きてもいいんだよ」と言ってくれて、カミングアウトすることを決意しました。 Photo: Kisa Toyoshima ー性別の違和感はいつ頃から抱えていましたか? 自分がメンズファッションに目覚めたのは、ティーンズ雑誌のモデルとして活動し始めた中学生の頃でした。その頃からモヤモヤはあったのですが、自分が男性だということには気がつかなくて。周囲には洋服が好きで芸能の仕事をしている女の子が多く、現場でファッションの話などで盛り上がることは多かったけれど、その会話に入れなかったことを覚えています。「モデルの仕事をしたくてこの業界に入ったのに、レディースファッションに興味が持てない」、そういった違和感はありましたね。 当時は女性というフィルターを通して接されることが多く、仕事で男性と一緒になると余計に差を感じてしまいました。ですが、当時はカミングアウトしていなかったので、女性として扱わないでほしいと言えば驚く人もいるだろうし、けれど言わなければ女性扱いされてしまう環境が当たり前で。「ファッションだけはメンズ服が好き」だと言っていたのも、周りの目を気にしていたからだと思います。  自分自身の性の違和感に気づくタイミングはいっぱいあったのですが、その度に気のせいだと思うようにしていました。気づくきっかけを潰してきてしまったことで、徐々に負の感情が溜まっていき、最終的に生きていたくないとまで思うようになっていきました。 ーモデルとして活動する中で、レディース服を着る機会もあったかとは思いますが、そういった時にも違和感を抱えていましたか? レディース服が用意されることは当たり前のようにありました。やはり仕事なのでカメラの前ではしっかりとするんですけど、家に帰るとすごくつらくなって。誰も悪いことはしていないのに、なぜか涙が出るという状況が続いていました。モデルという職業だからこそ、世間の理想とする像に当てはまらなければならないプレッシャーを感じていたのかもしれません。  ーメディアでは中山さんを「ジェンダーレス」という言葉を使って表現されていましたが、そのことに関して当時はどのように感じていましたか? 自分でジェンダーレスと言うことはなかったのですが、世間的に見て自分を表現する一番わかりやすい言葉として使われて

セクマイ女性のためのソーシャルアプリ「HER」が日本初上陸

セクマイ女性のためのソーシャルアプリ「HER」が日本初上陸

『HER』は、世界で800万人以上ものセクシュアルマイノリティー女性(以下、セクマイ女性)のユーザー数を誇る、世界最大級のソーシャルアプリだ。2015年、サンフランシスコを本社に徐々に拡大していき、現在では113カ国で展開されている。 そして、ついに日本語版に対応した『HER』が日本に上陸し、2021年8月25日より正式にローンチされた。国内のトランスジェンダー、Xジェンダー、レズビアン、バイセクシュアルなどのセクマイ女性から今後も期待されるであろうアプリ『HER』について、日本のカントリーマネジャーの仁上祥子に語ってもらった。 Photo: 仁上祥子 マッチングアプリではなくソーシャルアプリとしての役目 ーアプリ『HER』について教えてください。 セクマイ女性専用のソーシャルアプリとして、『HER』をローンチしました。「マッチングアプリ」と呼ばない理由は、日本ではカミングアウトしていない人が多く、そもそもセクマイ当事者と出会うのが困難であることからです。デート目的だけでなく、友達やコミュニティーの人たちともつながる場所を提供する重要性を実感しています。 なので、プロフィール欄では「新しい友だち」「1人との恋愛関係」「複数との恋愛関係」「カジュアルな関係」など、恋愛の在り方にも考慮した上で、どのような目的でアプリを使いたいかを選択できます。「まだ分からない」「言わないでおく」という選択肢もあるので、とりあえずアプリを入れてみただけの人でも安心してご利用いただけます。 『HER』 誰も除外されない居場所作りを ープロフィールではジェンダーやセクシュアリティーなど、さまざまな項目があるように感じました。 『HER』はアイデンティティーの選択肢を増やすことで、誰もが除外されないセーフスペースを目指しています。その中でも、ジェンダー、セクシュアリティー、ジェンダープロナウン(代名詞)の項目が多いことは、『HER』ならではの特徴です。私は日本語版アプリの和訳をしたのですが、女/男だけでなく、なるべく性別を感じさせないニュートラルかつ日本人になじみやすい言葉選びにも気をつけました。 また、セーフスペースとしての役割を担うため、セキュリティー面にも特化しています。やはり、セクマイ女性がセクマイ女性とのコネクションを求めてアプリを利用してくれていることがほとんどなので、本人確認のマーク表示、顔の見えるプロフィール画像の設定、通報機能を導入するなど、偽のプロフィールを減らすことに徹底しています。 数年前だとセクマイはインターネットの掲示板などで出会うことが多い印象でしたが、最近はより明るみに出る機会が増えたのかなと。匿名で顔の見えない相手と会話していた時代から、相手を見てどういう人なのかを知った上で会話ができるようになった今、業界的にも変化しているのだと実感しています。 『HER』 ありのままの自分を好きになるきっかけを与えたい ーアプリを通して、日本のセクマイコミュニティーにどうアプローチしていきたいですか? 日本はほかの国と比べてマーケットが少し特殊であり、『HER』公式Twitterはメインアカウントのほかに、日本版を展開しています。アメリカでは「out and proud」といって、「このままの私が誇らしい」というセクマイ当事者が多いのに対し、日本ではクローゼットの状態、いわゆる「セクシュアリティーについてオープンにならなくてもいいんだ」と、隠す傾向にあります。 例えば彼女を彼氏と置き換えて話したり、同性の恋人がいることを言えない人は多く、

金沢21世紀美術で「フェミニズムズ / FEMINISMS」が開催

金沢21世紀美術で「フェミニズムズ / FEMINISMS」が開催

金沢21世紀美術館で特別展『フェミニズム / FEMINISMS』が、2021年10月16日(土)から2022年3月13日(日) まで開催する。ジェンダーや身体、性に対する認識が多様化、固体化して広がり、現代社会で生きる人たちの違和感がさまざまな視点から議論されるようになった現在。多様性を受け入れる社会を実現する上で、これまでのフェミニズムの考え方や運動の積み重ねが重要であることから、複数形のフェミニズムをテーマとして立ち上がった企画展だ。企画は同館キュレーターの高橋律子。 木村了子《Beauty of My Dish - 人魚達の宴図》2005(個人蔵) さまざまな視点から見るそれぞれの作品 女性解放のための社会運動であったフェミニズム。近年では世代や時代、所属する国家や民族、それぞれの環境や価値観によりフェミニズムは複数形で語られるようになっている。 本展を構成するのは、日本を主な活動拠点とし、1990年代以降のアートシーンをけん引する9人の現代アーティストたちだ。 ユゥキユキ《「あなたのために、」》2020 社会で見過ごされてきた歴史や出来事をひもとき、女性の手仕事とされてきた手芸や布などを用いて作品を創造する碓井ゆい、視覚中心に構築されてきた社会への問いを扱う百瀬文、東洋の美しい男性像を美人画を通して描く木村了子、日本文化に潜むジェンダーと消費の関係性をあらわにする西山美なコ、そして遠藤麻衣、青木千絵、風間サチコ、森栄喜、ユゥキユキらの作品が展示される。 既存社会からの脱却への試み 9人のアーティストたちにより創られる空間を通し、既存の社会規範や制度あるいは価値観に囚われない、新しい解釈の可能性を次世代につなぐことを試みている。表現メディアは、絵画、彫刻、版画、写真、映像、インスタレーションなど多岐にわたり、それぞれのアーティストのまなざしを、鑑賞者それぞれの視点で受け取れるだろう。 碓井ゆい《shadow of a coin》2013-2018 (個人蔵)(撮影:木暮伸也) 美術館とフェミニズムの関係性 フェミニズムのスローガンである「個人的なことは政治的なこと」のように、個人的な違和感を発することは社会を動かす力になり得る。多様な価値観、考え方を前提に、アートを通して社会的な課題を伝えることこそが美術館の強みなのだ。 アートにおけるフェミニズムは、自分らしい生き方に対する問いとして表象する役割を担うことであろう。本展を通して、男性もフェミニズムについて考える機会が増え、協調により個が共存できる未来を願っている。 『フェミニズム / FEMINISMS』の詳細はこちら テキスト:Honoka Yamasaki ライター、ダンサー、purple millennium運営 Instagram@honoka_yamasaki 関連記事 『セクマイ女性のためのソーシャルアプリ「HER」が日本初上陸』 『「TOKYO ART BOOK FAIR 2021」が開催決定』 『約2800点の資料を展示、和田誠の全貌に迫る大規模回顧展』 『虚構と現実が相対する穏やかなカオス、蜷川実花大規模展が開催』 『グッチ創設100周年、没入型の展覧会を開催』   東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら  

野本梢監督が願う、多様な視点が認識される社会

野本梢監督が願う、多様な視点が認識される社会

2021年8月27日(金)からテアトル新宿で、野本梢監督作品『愛のくだらない』が公開される。意地を張り、相手の気持ちを考えずに自分の考えを押し付けることで、仕事やプライベートで失敗してしまう一人の30代女性が、つまずきながらも他者との関係を通じて成長していく姿をコミカルに描いている。 本作では、トランスジェンダーであることを理由にテレビ出演を断られ、さらに性差別やSNS炎上を経験する一人の男性が登場。野本監督は、自分の気付かないところで生きづらさを感じる人たちの存在を知り、気付かなかったことへの反省をもとに本作を製作したと語る。本記事では、映画界のトランスジェンダー描写やSNS上での人との関わり方、映画の裏話についてインタビューを行った。 自身の反省をもとに作られた『愛のくだらない』 野本梢監督 ー野本監督の作品は、生きづらさを感じている人たちの描写が印象的ですが、そこに焦点を当てたきっかけはありますか? 誰かの悩みをもとに映画を製作しています。前作のレズビアンであることに悩む主人公の葛藤や決断を描いた『私は渦の底から』でも、実際の話がもとになってできた作品です。社会問題を取り上げたいという意識よりも、身近で自分が想像もしなかったような悩みが存在することを知った時のショックや、知識がなくて気付くこともできなかった反省を形にして、社会に潜む生きづらさを広めていきたい。そして、同じ悩みを抱える人がこの映画を観て少しでも救われたらうれしい。そんな思いで作品を作りました。 ー映画『愛のくだらない』の構想のきっかけを教えてください。 今回の『愛のくだらない』は、一言で表すと「反省の集大成」です。ある映画イベントで起こった出来事がきっかけとなり、本作を撮りました。 以前、ある地域振興の一環で立ち上がったプロジェクトの映画製作を担当し、完成した映画のお披露目上映会が行われました。私のプロフィールを会場に掲示することになったのですが、経歴欄から『私は渦の底から』(過去の監督作品)でいただいた「第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でグランプリ」の文言が削除されていたのです。その理由を尋ねると「子どもに説明が難しいからこの文言は載せられない」と言われ、怒りの感情に任せて当時の状況をSNS上に投稿しました。 LGBTQ+に関して敏感に反応する人もいて、投稿はすぐに広がり、新聞の記者から取材を申し込まれることもありました。このことがきっかけで、イベントが開催された地域の役所に抗議の電話が殺到してしまったり、議員の方が便乗して政治利用を目的とした発言をしていたり......。偏見は許されないことですが、話し合いもせずにその時の感情に任せて投稿したことで、結果、悪い方向へと進んでしまいました。 その後、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭の方々に謝罪すると「私たちは全然気にしてないので大丈夫ですよ」と言ってくれました。そこで、私が攻撃的な態度をとってしまったことと、先方の優しい対応にギャップを感じました。LGBTQ+に関してだけでなく、何か問題があった時に自分の意見を聞いてもらうには、感情に任せて一方的に行動するのではなく、一度立ち止まって相手の意見を聞くことも大事なのだと実感しました。今回の作品には、自分もそうでありたいと自省の意味も込めています。 映画界のトランスジェンダー描写 ©︎2020『愛のくだらない』製作チーム ー作中にトランスジェンダー役を登場させようと思った理由はありますか? ドラマ『3年B組金八先生』で当時上戸彩の演じるトランスジェンダー役を見て、初め

「片袖の魚」主演イシヅカユウに聞く映画界のトランスジェンダー描写

「片袖の魚」主演イシヅカユウに聞く映画界のトランスジェンダー描写

現在公開中の映画『片袖の魚』は、文月悠光の詩を原作に、自分に自信が持てないまま社会生活を過ごすトランスジェンダー女性が新たな一歩を踏み出そうとする物語だ。日本初となる、トランスジェンダー女性の俳優オーディションが開催されたことでも注目を集めている。今回、主人公の新谷ひかり役に抜擢(ばってき)されたイシヅカユウに、映画の裏話をはじめ、映画界におけるトランスジェンダーの描かれ方についてインタビューした。 Photo: Keisuke Tanigawa トランスジェンダー役を当事者が演じること ―オーディションを受けたきっかけを教えてください。 東海林毅監督の前作で振り付けを担当していた方が知り合いにいて、オーディションについて教えてもらいました。当時は主演に選ばれることは全く想像していなく、共感した企画に少しでも関わりたいという気持ちでオーディションを受けました。  ―トランスジェンダー役を当事者が演じることについて、どう考えますか? トランスジェンダー役を当事者が演じることは必ずしも必要だとは思いません。ですが今の映画業界においてトランスジェンダーの俳優の活躍の場が少ないことは一つの問題としてあります。また当事者の声がない状態で映画製作が進められることから、トランスジェンダーを悲劇的に描いたり、身体性をコメディーとして消費するような映画が多く存在することも事実です。 『片袖の魚』©2021 みのむしフィルム そういった現状で当事者が演じることは、それらの描写が非現実的であることを世に伝えることになりますし、今までの映画業界で見つめ直す機会がなかった制作のやり方や流れをアップデートすることにもつながると思います。アップデートされることで非当事者が理解し、リアルに基づいたトランスジェンダーを描く作品が増えていくのかな、と。 『片袖の魚』は、今までの映画業界のいい側面を残しつつ、新しい形で制作することができた作品だと思います。 ―作品の情報がリリースされた当初、SNS上ではどのような反応がありましたか? 日本初のトランスジェンダー俳優のオーディションが開催されたこともあり、リリース当初は話題になっていました。もちろん日本ではセンセーショナルな内容なので話題性もあり議論も呼びましたが、作品自体ではなく、それだけがクローズアップされることは正直複雑に感じました。今は映画が公開されているので、映像そのものの美しさや演出などを見てくれるとうれしいです! Photo: Keisuke Tanigawa トランスジェンダー当事者としてではなく、一人の人間として ―初主演とのことですが、特に難しかったことなどあれば教えてください。 全部です(笑)。過去に演技の経験がなければ未知の状態で飛び込めたのですが、モデルとして映像に関わることがあったので、普段とはまた別の心構えが必要でした。個人的に映画が好きなので、監督や俳優さんをリスペクトしているからこそ、この世界に踏み込んで自分が何をすべきなのかを考えてしまったり。好きだからこそ求めるレベルが高く、満足のいくお芝居をすることは難しかったです。 ―モデル業と俳優業の表現方法にはどのような違いがあると思いますか? モデル業は外面的に表現するのに対し、俳優業は全く違う別の人間を表現する仕事だと思っています。モデルの仕事をしているので、普段の生活から歩き方に気をつけたり、洋服をかっこよく見せたいという気持ちがある。 ですが、演じたひかりは社会人としてアクアリアムの販売会社で働き、日々自信を持てずに過ごし