Kazuho Yoshino

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トランスジェンダー当事者が主演する映画7選

トランスジェンダー当事者が主演する映画7選

タイムアウト東京 > LGBTQ+  > トランスジェンダー当事者が主演する映画7選 日本最大級のLGBTQ+のパレード「Tokyo Pride」が、2025年から6月に開催されることとなった。6月は、性的少数者の権利向上や啓発を訴えるイベントやパレードが世界各地で行われる「プライド月間」であり、それに合わせた変更だ。 そんなプライド月間の6月にこそ、LGBTQ+をテーマにした「クィア映画」を鑑賞してみてはいかがだろう。本記事では、トランスジェンダー当事者が主演を務める作品を7本ピックアップ。映画を通じて、性の多様性を楽しく学べるはずだ。 関連記事『インタビュー:東海林毅』
インタビュー:東海林毅

インタビュー:東海林毅

タイムアウト東京 > カルチャー > インタビュー:東海林毅  2020年に日本で初めてトランスジェンダー当事者の俳優を一般公募し話題となり、自身もバイセクシュアルであることを公表する映画監督の東海林毅(しょうじ・つよし)。彼は2025年5月14日、トランスジェンダー当事者が主演する次回作『となりのとらんす少女ちゃん』のクラウドファンディングを実施し、開始2週間で目標額200万円を達成した。 2026年秋の公開を目指す同作品について話を聞くとともに、性的少数者を扱う作品を多く手がけてきた東海林に、トランスジェンダー当事者の俳優を起用する意義を聞いた。 トランスジェンダー当事者が演じることへの期待と意義 Photo: Manabu Morooka東海林毅 ー支援を募る期間は2025年9月9日(火)まででしたが、予定より104日早く目標を達成されました。ここまで支援を集められたのは、どうしてだと思いますか? ここまで早い目標達成は、予想外でした。2021年に公開した『片袖の魚』で注目してくださった人が多いのかなと感じています。 同作は当事者にオーディションを行い、トランスジェンダー女性であるイシヅカユウさんが主演したものですが、それに期待してくれていた人たちが応援してくれているんだろうと思います。当時は、「何でも演じるのが俳優」「俳優と役を固定化する」などの反発も一部では起こりましたが、今はトランス当事者がトランスジェンダー役を演じた方がいいという声が主流になりつつあるんじゃないでしょうか。 ー『片袖の魚』に登場する旧友と電話で話す場面で、主人公が声を青年のように整えるシーンは、普段男性として生活している人が「演技で表現できるものではない」と感じました。 そうですね。もし男性の俳優が演じていたら、誇張されたような「男の声」を出してしまうなど、めちゃくちゃなことになっていたかもしれません。 というのも、僕自身の中にも、漠然とそんな思い込みがあったんです。トランスジェンダーは「男性的な声」「女性的な声」を使い分けていて、「ガラッと声が変わる」みたいな。実は、オーディションの時点で、皆さんに低い声と高い声、両方出してもらいました。 しかし、どなたの声も「男の声」「女の声」ではなく、その人の「低い声」「高い声」でしかなかったんです。考えてみれば当たり前ですが、実際に当事者と仕事をしていくことで、それは偏見だったのだと気づかされました。 『片袖の魚』©2021 みのむしフィルム ー東海林さんは、社会的にもトランスジェンダー当事者が演じることの重要さを訴えています。どんな意義があるのでしょうか。 まず、映画の中でトランスジェンダーや同性愛者といった人々を描くことが、なぜ大事かというと、実社会でも差別や偏見が起こっているからです。性的少数者はその数が少ないゆえに、偏見も多い存在です。特にトランスジェンダーは人口の1%前後といわれ、実情はほとんど知られていない状態です。 そんな中、当事者性が低い人が演じることは偏見の再生産になりかねません。また、トランスジェンダー当事者を起用しなければ、俳優を目指すトランスジェンダーの現場経験や収入を得る場がなくなってしまいます。 「トランスジェンダー当事者の職業俳優が少ない」から起用を見送るわけですが、経験を積むための場がなければ、いつまでたってもトランスジェンダーの俳優が増えません。そうなると、トランスジェンダーの俳優自体も可視化されず、目指すべきロールモデルも乏しく、俳優を目指す人が増えない……という悪循環となってい
「Tokyo Pride 2025」でしかできない5つのこと

「Tokyo Pride 2025」でしかできない5つのこと

タイムアウト東京 > LGBTQ+ >「東京プライド2025」でしかできない5のこと 「東京レインボープライド」から名前が変わり、開催月も4月から6月に移った「Tokyo Pride」。しかし、変更されたのは名称や開催月だけではない。 2025年6月7日(土)、8日(日)に「代々木公園」で、ブース出展やステージイベント、渋谷でのパレードが開催。さらに、6月中は渋谷区を中心にさまざまな関連イベントが行われるなど、より広がりのあるフェスティバルへと進化している。 本記事では、目的別にTokyo Prideを満喫できる5つの楽しみ方を紹介する。 関連記事『LGBTQ+の祭典「Tokyo Pride 2025」が6月に時期を変更して開催』
インタビュー:山崎エマ、金川雄策

インタビュー:山崎エマ、金川雄策

2025年の「アカデミー賞」に日本人監督の3作品がノミネートされた。そのうち2作はドキュメンタリー作品と、今年はドキュメンタリー監督たちの活躍に注目が集まった。 そんな中、短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた『Instruments of a Beating Heart』を監督した山崎エマが、4月からドキュメンタリーのクリエーターを育成する「DDDDフィルムスクール(film school)」を「ベイビー ザ コーヒーブリュー クラブ(BABY THE COFFEE BREW CLUB)」でスタートさせた。 ともにスクールを運営するのは、国内の独立系ドキュメンタリー監督たちの数少ない作品発表の場となっているプラットフォーム「Yahoo!ニュース ドキュメンタリー」のチーフプロデューサー・金川雄策だ。同プラットフォームには山崎はもちろん、今回、長編ドキュメンタリー賞にノミネートされたジャーナリストで映像作家の伊藤詩織もアカウントを持ち、作品を発表している。 スクール設立の背景や日本のドキュメンタリー監督の現状と可能性について、2人に聞いた。 劇映画と同じようにノンフィクションも楽しんでいい ーオスカーへのノミネートおめでとうございます。お二人はオスカーの授賞式にも出席されていますが、何か日本と海外での作品の違いなど感じられましたか? 山崎:ありがとうございます。私はニューヨークの大学で映像について学び、キャリアをスタートしたのもアメリカでした。なので、オスカーだけの話ではないんですが、日本と欧米だと、ドキュメンタリーの定義自体が違うと感じています。 日本ではドキュメンタリーの定義が「深いんだけど、狭い」という印象です。私がニューヨークにいた2008年頃から欧米のドキュメンタリーはすごく幅広いものに進化していました。フィクションとノンフィクションの境界線が曖昧というか、映像が撮れないなら再現ドラマを使おうとか、ドキュメンタリーでもシネマティックカメラで収録しようとか。 あれもドキュメンタリー、これもドキュメンタリーと、日本に比べると「ドキュメンタリー」がとても広いんです。今年のアカデミー賞のノミネート作品にはすべて監視カメラ映像と警官のボディカメラだけでまとめられたものもありました。 一方、日本ではディレクターが一人で撮影するなど、シネマティックな映像表現は優先されません。どこか「ニュースの先にある」というか、社会性が強くて、一部の人だけが見るものというイメージがあるのではないでしょうか。 Photo: Kisa Toyoshima山崎エマ ー確かに、ドキュメンタリー映画を見ようと思ったら、単館映画館でないとなかなか難しい印象です。 山崎:ノミネートされた『Instruments of a Beating Heart』の長編映画『小学校~それは小さな社会~』は、より多くの人に見てもらいたいと思いもあって、今まで日本のドキュメンタリー映画を扱っていない映画館「シネスイッチ銀座」をメイン劇場として上映しています。 そのかいあってか、初めてドキュメンタリー映画を見てくれた人も多く、年齢性別問わず幅広い人が劇場に足を運んでくれています。また「イオンシネマ」など、ハリウッド映画やファミリー向けアニメ映画が多い映画館でも上映してもらえました。 ご挨拶などで全国の劇場を巡りましたが、「ドキュメンタリーなのに笑いました、泣きました」など言われたんですね。私からすれば、劇映画とドキュメンタリーは、同じように泣いたり笑ったりしていいものです。「ドキュメンタリーだ

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Photo of the Day - 東京プライド 2025

Photo of the Day - 東京プライド 2025

国内最大規模のセクシュアルマイノリティー・LGBTQ+の人々への理解を促す「Tokyo Pride 2025」の「Pride Festival」が、代々木公園イベント広場&野外ステージで2025年6月7日、8日(日)に開催された。 「Tokyo Pride 2025」は、名称を「東京レインボープライド」から改めるとともに、開催時期を4月末から、世界的にプライド月間として知られる2025年6月に移して開催。代々木公園で行われるイベントだけではなく、渋谷を中心とした都内各地で1カ月間、さまざまな催し物が開かれている。 本記事では、Pride Festivalのにぎわいをいち早くレポート。行けなかった人も場内の雰囲気を味わってほしい。 Photo: Keisuke Tanigawa 最高気温は29.5度、湿度は75パーセントと、平年と比べて気温が高く、蒸し暑さに見舞われたPride Festival初日。しかし、例年通り多くの人が来場し、盛り上がりを見せた。 筆者は日本語しか話せないため詳しい話を聞けなかったが、写真に写る彼らが掲げているのは、他者に対して性的欲求を抱かない「Asexual(アセクシャル)」の黒と紫色のフラッグや、ピンクと水色の「トランスジェンダー」のフラッグ、ピンク・黄色・水色3色の「全性愛」という性別を問わない性的指向の「Pansexual(パンセクシュアル)」のフラッグと、LGBTQ+の中でもマイノリティー性の高いものだった。 Photo: Keisuke Tanigawa Photo: Keisuke Tanigawa 並木通りに設置された暑さ対策用のミストシャワーに立ち止まる人々の姿も見られた。飲食ブースには30の店が軒を連ね、新宿二丁目の老舗店「アラマスカフェ」も出展していた。 Photo: Keisuke Tanigawa Photo: Keisuke Tanigawa Photo: Keisuke Tanigawa 飲食ブースの木陰で休む親子は、2歳の娘にかき氷を食べさせながら涼を取っていた。夫と娘とともに来たユッキーは、トランスジェンダー男性の幼なじみがいるという。「娘には、さまざまなセクシュアリティを持つ人を見てもらい、偏見を持たずに育っていってほしい」と教えてくれた。 Photo: Keisuke Tanigawa Photo: Keisuke Tanigawa ブースには、200に近い大小様々な企業や団体が出展。RED-11のプライベートケアクリニック東京のブースには、男性同性間性的接触者(MSM : Men who have Sex with Men)の間で、認知度が高いSASUKEの姿もあった。 SASUKEは、ゲイクラブのステージで踊るダンサー・ゴーゴーボーイとしても知られた存在。彼のことを知らなくても、新宿三丁目駅構内で、白いテディベアを抱えた男性の広告を見たことがある人もいるはずだ。 Photo: Keisuke Tanigawa GREEN、BLUEのブースは、さまざまな当事者の自助団体が軒を連ねる。GREEN-32のFTMマガジンLapHのブースでは、FTM(トランスジェンダー男性)のミニコミ誌を販売していた。 Photo: Keisuke Tanigawa Photo: Keisuke Tanigawa GREEN-37のNPO法人にじいろ学校では、LGBT以外の性的マイノリティーの認知向上活動や、他者に恋愛感情持たない、あるいは恋愛的関係を望まない「A