東京都出身。幼少期から現在に至るまで、主に東京の城南地区で過ごしてきた。大学在学中よりバンドでギターを弾く傍ら、都内某中古レコード店に勤務。卒業後も就職をせずにズルズルと同店でアルバイトを続けた後、ORIGINAL Inc.タイムアウト東京事業部に入社。主に音楽やナイトライフに関する記事を執筆・編集している。

音楽の原体験であるロックはもちろん、ソウルやファンク、ジャズ、ブラジル、レゲエ、ラテン、和モノなど、幅広いジャンルのレコードやCDを買い続けては家のスペースに悩んでいる。バンドでの演奏、時にDJとしても活動。カルディや西友などのBGMにも耳をすませている。音楽が鳴っている場所でビールを飲むのが好き。

Kosuke Hori

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東京、レコードショップ店員に聞くトレンド2026

東京、レコードショップ店員に聞くトレンド2026

タイムアウト東京 > 音楽 > 東京、レコードショップ店員に聞くトレンド2026 2026年も早くも半年が過ぎた。果たして今、どんなミュージシャンや作品が人気を集めているのか。 サブスクリプションサービスの再生数はもちろん一つの指標になるが、日々新譜だけでなく旧譜にも向き合い続けるスタッフたち、早耳のリスナー、DJが集まるレコードショップだからこそリアルな「シーン」が見えてくることもあるだろう。 本稿では、「2025年によく動いたタイトル」「新旧問わずこれから人気が出そうなタイトル」「2026年注目のアーティスト・アルバム・レーベル」について紹介。「東京、ジャンル特化型レコードショップ7選」で取材したいくつかのレコードショップでスタッフに聞き、昨年を振り返りつつ今後の流れを予想してもらった。 気になる作品をチェックして、ぜひレコードショップに足を運んでみてほしい。 関連記事『東京、ジャンル特化型レコードショップ7選』『東京、飲めるレコード屋5選』 じわじわと火の着いた近年作と変わらぬ人気の名盤たち Photo: Akari MatsumuraManhattan Recordsのマネジャー・原田匡人 1980年の創業当初はジャズやファンク、現在はヒップホップ・R&Bを中心に取り扱っている老舗レコード店「Manhattan Records」。同店では、DJのMarTとしても幅広いヴェニューで活躍するマネジャーの原田匡人に話を聞いた。「リリース直後ではなく、徐々に人気が高まることも増えた」という言葉と、より「人間らしさ」が求められるようになってきたのでは、という考察が心に残った。 ―2025年によく動いたタイトルはありましたか? ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)の諸作品は、2025年2月の「スーパーボウル・ハーフタイムショー」出演以降よく動きました。兄弟デュオ「Clipse」の復活作『Let God Sort Em Out』もですね。あとは、プレイボーイ・カーティ(Playboi Carti)が新作『MUSIC』をリリースし、同世代の中で人気が頭一つ抜けたイメージがあります。 国内の作品では、やはりJJJの作品です。特に3枚目のアルバム『MAKTUB』は今売り切れてしまっています。あと、ヒップホップではないのですが、個人的には青葉市子の『Luminescent Creatures』を推していました。以前の作品でトラックメイカーのSweet Williamとコラボレーションしていたのですが、ジャンルを超えてナチュラルにクロスオーバーすることってすごく大事だと思うんです。 ―新旧問わず、これから人気が出そうなタイトルはありますか? ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)の最新作『Swag』は、彼が「コーチェラ・フェスティバル」にヘッドライナーとして出演したこともあり、動きそうな予感がします。 SZAが2022年にリリースしたアルバム『SOS』が日本限定で帯付きでリリースされ、こちらも注目です。同作の収録曲「Snooze」が映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』の主題歌になったのですが、「サブカル文脈」での再燃もあるのではないでしょうか。 あと、2026年で20周年を迎えるJ Dillaのアルバム『Donuts』の周年記念盤がリリースされました。加えて、Madvillainによる名盤『Madvillainy』も2025年に高音質盤がリリースされたのですが、この2枚はどんなタイミングでもなるべくストック
東京、ジャンル特化型レコードショップ7選

東京、ジャンル特化型レコードショップ7選

タイムアウト東京 > 音楽 > 東京、ジャンル特化型レコードショップ7選 オールジャンルを扱うレコードショップもいいが、専門店には一つのジャンルに特化することで到達したピュアさがある。その道を極めたスタッフたちによるレコメンドで知る新たな世界を発見したり、なかなか手に入らなかった一枚に巡り合えたりするはずだ。 そして自分でも深掘りしていけばいくほど、ほかのジャンルに与えた影響など、「音楽は全てつながっている」と感じる瞬間が出てくるだろう。本記事ではジャズ、レゲエ、ヒップホップ、ダンスミュージックなどを扱うヴェニューを紹介する。 関連記事『東京、飲めるレコード屋5選』『東京、2026年春にオープンしたミュージックバー4選』
幡ヶ谷でしかできない16のこと

幡ヶ谷でしかできない16のこと

タイムアウト東京 > Things to Do> 幡ヶ谷でしかできない16のこと 渋谷区の中でも下町的な空気が残り、地元の人々のつながりが色濃いローカル感あふれる街・幡ヶ谷。駅周辺は再開発を免れ、今も4つの商店街が活気を残すほか、裏路地には個豊かな飲食店やカフェ、ギャラリーが点在している。 近年は若い感性を持つオーナーによる新店舗も増え、知る人ぞ知るクリエーティブな街として注目されている。散歩しながら気になる店をホッピングできるのも魅力の一つだ。 また、明治期に玉川上水の水を引くための新水路が整備されたことにより築かれた高い土手が街に独特の起伏を生んだ。坂道沿いにユニークな店が肩を並べる景色はここにしかないだろう。  今回は、Time Out Tokyo(タイムアウト東京)の読者やフードライター、編集部の英語・日本語チーム、さらに地元の人々からも情報を集め、多角的に幡ヶ谷の魅力をまとめた。きっと訪れてみたくなるはずだ。  関連記事『世界で最もクールな20の街』
東京、2026年春にオープンしたミュージックバー4選

東京、2026年春にオープンしたミュージックバー4選

タイムアウト東京 > 音楽 > 東京、2026年春にオープンしたミュージックバー4選 2026年春、東京に新たなミュージックバーが続々と誕生している。近年の傾向として感じるのは、ジャズ喫茶の系譜というよりは、DJ・クラブカルチャーを通過したオーナーたちによる、リスニングを目的とした店の増加だ。 ここでは、1970年代のニューヨークをイメージしたディスコ・ハウスが流れる店、美輪明宏主演映画を内装のコンセプトとした妖艶なバー、「音の特等席」があるヴェニュー、そして「タワーレコード渋谷店」のアナログレコードフロアに誕生したビアバーを紹介。その店を目当てに行くのはもちろん、パーティーやライブの前後にぜひ立ち寄ってみてほしい。 関連記事『ジャズバー入門ガイド、グラス片手に楽しむ選曲と生演奏の醍醐味とは』『東京、ソウルバー5選』
東京・大阪・京都で今、行くべきナイトライフスポット6選

東京・大阪・京都で今、行くべきナイトライフスポット6選

タイムアウト東京 > ナイトライフ > 東京・大阪・京都で今、行くべきナイトライフスポット6選 夜をどう過ごすかで、旅の深さが変わる。音楽に身を委ねるのも、温泉で疲れを癒やすのも、カウンターでグラスを傾けるのも、その街を知るための手がかりになる。 ここでは、こだわりのサウンドに浸れるミュージックバー、「原宿カルチャー」を感じられるレストラン、アートギャラリーとギャルバーを兼ねた歌舞伎町らしいヴェニュー、梅田の夜空を望む健康増進施設、「ダンスミュージック好きの聖地」と評されるクラブ、京都らしい食材を用いた実験的なカクテルを提供するバーなど、東西6ヴェニューを厳選して紹介する。 関連記事『東京のベストバー28選』『大阪、ベストカクテルバー4選』
6 trending nightlife spots to hit up across Tokyo, Osaka and Kyoto

6 trending nightlife spots to hit up across Tokyo, Osaka and Kyoto

Messy, stylish and impossible to keep up with, the after-dark scene in Japan’s big cities is always evolving. This list is your shortcut to a handful of the places that matter right now – from a bar-meets-art-gallery in the heart of Tokyo’s neon-lit Kabukicho to Kyoto’s most ambitious new cocktail den and a 24-hour hot-spring haven in Osaka.
Interview: Minami Kizuki

Interview: Minami Kizuki

An evocative record of daily life and ancient traditions in the villages of southern Japan’s Amami Islands, shimauta folk songs can also be groovy as hell. The music world has realised as much thanks to an ongoing collaboration between jazz drummer Yussef Dayes and Amami-born singer Minami Kizuki, who first appeared side by side in early 2025 on Yussef Dayes In Japan, a gorgeously produced video record of Dayes’s musical journeys in the country. After sharing the stage with Dayes at last year’s Glastonbury Festival and releasing the acclaimed ‘Amami’ single together with the UK star in November, Kizuki is now coming off the January release of Utaashibi, her first own – and highly personal – shimauta album. What was performing shimauta with Yussef Dayes like? I don’t speak a lot of English, but have found that with Yussef we can converse through music, which is pretty cool. I was really happy to see the Glastonbury crowd enjoy my songs and the sound of the shamisen. Shimauta has this ‘Ha-ha’ chant, and Yussef suggested we get the audience to do it. Apparently it sounded like ‘Up-up’ to them, and things got pretty lively [laughs]. Photo: Suzu (Fresco)‘Yussef Dayes In Japan’ Tell us about your new album. It includes ‘Honen Bushi’, one of my all-time favourite shimauta. It’s a song I often perform live, and one I’d always wanted to record together with the singers on Amami Oshima. ‘Amami’ is actually based on ‘Honen Bushi’. My experience of playing with Yussef and his band had
ローカル酒場でしかできない3のこと

ローカル酒場でしかできない3のこと

タイムアウト東京 > ナイトライフ > ローカル酒場でしかできない3のこと ローカル酒場の魅力は、その土地ならではの文化が酒や食事に落とし込まれていることだ。アクセスがいいことも多く、旅先でどこへ行くか悩んだ時に間違いない選択になる。 ここでは、東京のバーシーンを牽引(けんいん)する店、大阪を本拠地にワインを醸造・販売するショップ、若者から支持を集める熊本発祥の餃子屋など、3店舗を紹介する。 関連記事『東京、隠れ家バー9選』『大阪で行くべきバー・居酒屋9選』
気が付くと今日も飲んでるローカルチェーン酒場 〜DJ MOODMANの場合〜

気が付くと今日も飲んでるローカルチェーン酒場 〜DJ MOODMANの場合〜

タイムアウト東京 > ナイトライフ > 気がつくと今日も飲んでるローカルチェーン酒場 〜DJ MOODMANの場合〜 ローカルチェーン酒場に派手さはないが「日常の癒やし」がある。だからこそ、ついつい通ってしまう一軒がある。ここでは、全国各地の酒場を飲み歩くことでも知られるDJのMOODMANに、そんな店を尋ねてみた。 彼が通い続けるのは、老舗居酒屋「信濃路 鶯谷店」だ。大森で創業し、現在は蒲田と鶯谷の2店舗が営業中。芥川賞作家・西村賢太が愛した店としても知られている。 —信濃路 鶯谷店は、どういう点で特別ですか? 一撃で欲求が満たされるところでしょうか。そばやうどんをルーツとしているお店だから主食のメニューが豊富なところが特別で、その日に合わせていろいろな楽しみ方ができます。 ここでは「カツ煮」に瓶ビールというのが、自分の中での定番です。おなかもお酒を飲みたい欲求もサクッと満たされて、駅が近いのでパッと帰れる。なので、散歩の中継地点にもよく使わせていただいています。もしこの辺りで働いていたら、毎日来てしまいますね。 Photo: Keisuke Tanigawaカツ煮 —思い出深い記憶はありますか? 信濃路は、鶯谷のライブハウス「東京キネマ倶楽部」に出演させていただいた際にもよく伺いますが、思い出深いのはバンド「片想い」の公演の時ですね。 DJだけでなく、「おじさんダンサーズ」の一人として出演を頼まれたことがありました。でも、かなり練習したのにぐずぐずになってしまい……。お客さんには誰が踊っていたのか分からなかったようで助かりましたが(笑)。その夜もここで「反省飲み」をして帰りました(笑)。 —このお店で聴きたい曲、もしくは音楽で表すと? お店の外観はブルースっぽいイメージですが、意外とアンビエントかな(笑)。頭上に、「元三島神社」も鎮座していますし、アンビエントが小さな音で流れていても、みんな特に違和感なく過ごしそうだなと。 Photo: Keisuke Tanigawa
奄美大島のシマ唄を歌い継ぎ、世界へ

奄美大島のシマ唄を歌い継ぎ、世界へ

タイムアウト東京 > 音楽 > 奄美大島のシマ唄を歌い継ぎ、世界へ 鹿児島県の奄美大島生まれで、奄美民謡「シマ唄」をルーツに持つシンガーの城南海(きずき・みなみ)。2009年のデビュー以降、アルバムのリリースはもちろん、ディズニー実写映画『ムーラン』の日本版主題歌の歌唱なども担当してきた。 2024年には、イギリスのジャズドラマー、ユセフ・デイズ(Yussef Dayes)が富士山の前で行ったセッションに参加。その後もイギリスの世界最大規模の野外フェスティバル「グラストンベリー・フェスティバル 2025」で共演を果たすなど、活動の幅を広げている。 そんな城が2026年1月21日に、2年ぶりとなるアルバム『ウタアシビ』をリリースした。同作は、城にとって初めてシマ唄を収録したアルバムでもある。新作についてはもちろん、故郷の奄美大島、そしてシマ唄への思い、ユセフ・デイズとの共演を経て生まれた変化など、じっくりと話を聞いた。そして、今春と秋に控えている全国ツアーにぜひ足を運んでみてほしい。 関連記事『「夜空ノムコウは仙川で生まれた」川村結花が東京の街で紡いできたメロディーたち』 —ユセフ・デイズと富士山の前でセッションをした動画から「グラストンベリー・フェスティバル 2025」でのライブまでつながっていきましたが、シマ唄で海外のミュージシャンと共演したり、海外で演奏したりした時に自分自身の心が動く・感じることは何かありましたか? 私はあまり英語が話せないのですが、音楽を通して会話をするようなセッションができて、「やはり音楽ってすごいな」と改めて実感しましたね。 グラストンベリーでは、ユセフはもちろん、皆さんからの「日本文化へのリスペクト」を感じました。シマ唄の発声や三味線の音色を楽しんでくれて「国境を超えて届くのだ」と思い、うれしかったです。 Photo: SUZU(fresco)ユセフ・デイズが富士山の前で行ったセッションに参加した時の様子 —シマ唄からもう少し開いて、歌やパフォーマンスなど「海外に知ってほしい日本的なる要素」を意識したりはしましたか? もしあれば、それはどんなことでしょうか? それこそ、ユセフと初めて会ったのは富士山でのセッションの時だったのですが、彼から「着物を着てきてほしい」とリクエストがあって。友人が「銀座もとじ」という呉服店を営んでいるのですが、着付けてもらって出演したんです。 そこからスタートしたので、ユセフと演奏する時は着物を着て「日本の美しさ」も表現できたらと思っていました。 —シマ唄を歌い始めたのは鹿児島へ引っ越した後だそうですが、奄美大島でシマ唄を師匠から習い、歌い始めた「唄者(うたしゃ)」の方と城さんの違いは、ご自身ではどこにあると思いますか? 歌を聴くと「この唄者さんはこのお師匠さんに習っていたのだろうな」と、スタイルみたいなものを感じるんです。皆さんは基礎から習っていらっしゃる。 私はいろいろな人のシマ唄をCDで聴いたり、鹿児島で歌っている方を生で聴いたりして「あ、この歌い方いいな」と感じたものを、自分の好きなようにミックスさせて、遊ぶように歌って覚えていきました。だから、シマ唄をよく知っている人が聴くと、すごく邪道に感じるかもしれません(笑)。 —奄美大島と鹿児島、そして音楽活動を本格的にスタートした東京という、3つの土地の良さや違いはどんな部分に感じますか? また、土地が制作に与える影響はありますか? 中学生の頃に奄美大島を離れて鹿児島市内へ引っ越したのですが、奄美大島は人との接し方が近かったんだと気づ
My local: DJ Moodman

My local: DJ Moodman

Chain izakaya may lack flair, but they more than make up for it with homeliness. The best of the bunch can snare even bar-hoppers as avid as veteran DJ Moodman, who always makes a point of seeking out local watering holes when travelling around the country. Moodman’s go-to Tokyo boozer is the Uguisudani outpost of Shinanoji, a long-established Tokyo chain founded in Omori that currently operates two bars in the capital. What’s special about this izakaya? I guess it’s the instant gratification it provides. There’s an extensive menu of staple dishes dating back to when the place was a noodle restaurant, so you can have a great time here no matter the time of day. My go-to is the katsu-ni stew with a bottle of beer. Shinanoji satisfies both my hunger and my craving for a drink, and since it’s close to the station, I can head straight home once I’m done. That’s why I often use it as a pit stop during walks. If I worked around Uguisudani, I’d probably drop by every day. Photo: Keisuke TanigawaKatsu-ni at Shinanoji Any memorable nights at Shinanoji? I tend to visit when I’m performing at (the music venue) Tokyo Kinema Club nearby, and one fun memory is from when the band Kataomoi played there. They asked me not just to DJ, but to join them on stage as one of their ‘old guy dancers’. I practised quite a bit, but still messed up pretty badly. Luckily nobody seemed to notice it was me [laughs]. That night, I drank away my sorrows here before going home [laughs]. What type of music b

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「TAKANAWA GATEWAY CITY」で開催中、都市型フェス「NU Festival」初日レポート

「TAKANAWA GATEWAY CITY」で開催中、都市型フェス「NU Festival」初日レポート

2026年6月26日、「TAKANAWA GATEWAY CITY」で幕を開けた都市型フェスティバル「NU Festival」の初日を訪れたので、レポートする。 まず向かったのは、「Mon Takanawa: The Museum of Narratives」にある「Box 300」の4階にある、約100畳の畳スペース「Tatami」。いぐさの香りのするステージのキュレーションを担当しているのは、六本木「SuperDeluxe」としてオープンし、現在は千葉県の鴨川で「SupernaturalDeluxe」として営業しているヴェニューだ。 Photo: Kisa Toyoshima演奏やVJの映像をそれぞれの過ごし方で楽しめる 取材時は、畳の上でミュージシャンたちが入れ替わり立ち替わり演奏を繰り広げていた。アコースティックギターを弾くプレーヤーのフォーキーなサウンドに、ラップトップで電子音やスピーチの音声を重ねるなど、有機的に、一つの生命体を作り上げていくようなパフォーマンスに見入ってしまう。 Photo: Kisa Toyoshima「Tatami」で繰り広げられた即興演奏の光景 ノンビートなアンビエントというよりも、動的かつ前衛的過ぎず、聴き心地が良い。一緒に来た人と会話をしても、寝転んでも、おのおの好きなように過ごすことを肯定してくれるようなスペースに仕上がっていた。ミュージシャンが演奏している背後には、VJが顕微鏡で覗いた細胞のような映像や、きらめく水面などを投影しており、視覚と聴覚両方が満たされる。端では「木の根ペンション」のメンバーが作った布で旗を作るアーティストがいて、完成した旗をミュージシャンが演奏後に振っているシーンが見られた。 Photo: Kisa Toyohsima旗を縫う様子。出来上がった旗をミュージシャンが振る瞬間も見られた さらに「Box 300」では、アーティストの徳井直生のキュレーションで、展示・トーク・特別パフォーマンスを展開する。生成AIと人間の制作の問い直しについてをテーマとしており、スプツニ子!による『Tech Bro Debates Humanity』、永井歩によるサイケデリクスをバーチャルで体験できる展示などのほか、音楽制作用のソフトなど、新しいテクノロジーを共有し、触れる場ともなっていた。 Photo: Kisa Toyoshimaスプツニ子!による『Tech Bro Debates Humanity』 19時からは、高輪ゲートウェイ駅前に広がる「Gateway Park」で、幅広いジャンルで活躍するアーティスト・RHYMEによるDJがスタート。雨の中だが、人がじわじわと集まってくる。駅前に響くダイナミックなダンスミュージック。カッパを着て最前に行く人もいれば、傘を差しながら後方でゆらゆらと揺れている人がいたりと、思い思いに過ごしていた。 SHINICHI OSAWAへバトンタッチすると、さらに人が集まりはじめる。駅前、しかも雨の野外というシチュエーションだからか、トランスやレイヴが多めのセットに感じた。そしてそのセレクトがぴったりだった。 Photo: Kisa Toyoshimaカッパを着て最前に行く人もいれば、傘を差しながら後方で観る人もいた 「高輪ゲートウェイ駅 南改札外3Fテラス」で行われる「NU Station」は、以前行われていたエキナカDJイベント「EKINAKA DJ」の続編といえるだろう。20時30分にオンタイムでスタート。最初に回すのはKO KIMURAで、B
チカーノソウルの神髄に迫るドキュメンタリー映画『ソウル・サーチン』の日本上映ツアーが開催

チカーノソウルの神髄に迫るドキュメンタリー映画『ソウル・サーチン』の日本上映ツアーが開催

アフリカ系アメリカ人やメキシコ系アメリカ人「チカーノ」のソウルアーティストによる、忘れ去られた音楽を探し出し、保存し、共有することに人生をささげるレコードコレクターたち――。その情熱的かつ深淵な世界を描いたドキュメンタリー映画『ソウル・サーチン』の上映ツアーが、全国3カ所で3日間にわたり開催される。2026年7月3日(金)に大阪「SOCORE FACTORY」でスタートし、4日(土)が名古屋「Gallery & Bar COMMON」、そして最終日となる5日(日)は東京「晴れたら空に豆まいて」で千秋楽を迎える。 画像提供:MUSIC CAMP, Inc.『ソウル・サーチン』上映ツアーのフライヤー 同作は、1960年代、ソウルミュージックとメキシコの伝統音楽のはざまで生まれた音楽「チカーノソウル」をはじめ、ロサンゼルスのチカーノたちによるコミュニティー「バリオ」を中心に愛されてきた音楽のコレクターに焦点を当てる。主要人物は、『チカーノ・ソウル:アメリカ文化に秘められたもうひとつの音楽史』を執筆したルーベン・モリーナ(Ruben Molina)、ジョシュア・ホイットモア(Joshua Whittemore)、アーリーン・セプルベーダ(Arlene Sepulveda)の3人。彼らはDJクルー「The Southern Soul Spinners」としての活動でも知られている。 画像提供:MUSIC CAMP, Inc.アーリーン・セプルベーダ 音楽とレコードへの愛にあふれる3人の音楽観やライフスタイルを追った内容で、インタビューのほか、チカーノ発祥のカスタム車文化であり運転者である「ローライダー」も集まるバリオのパーティーなどの現地の貴重なシーン、そしてモリーナが日本でレコードをスピンした時の模様も収録。加えて、スウィートソウルデュオ「Los Yesterdays」のゲイブリエル・ローランド(Gabriel Rowland)、バンド「Thee Sinseers」のジョーイ・キニョーネス(Joey Quinones)らも登場する。 画像提供:MUSIC CAMP, Inc.ジョシュア・ホイットモア 日本語字幕は、東京を拠点にチカーノの音楽だけでなく、その文化的背景まで伝えることに注力しているレコード会社・MUSIC CAMP, Inc.、レーベル「BARRIO GOLD RECORDS」の岡本美穂、そして主宰者の宮田信が担当。宮田は日本におけるチカーノカルチャーの第一人者であり、同作への出演に加えて、『アワ・マン・イン・トーキョー ~ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタ』というドキュメンタリーで、その奮迅ぶりが描かれている人物だ。 また、各会場には音楽愛あふれるローカルDJたちが登場。ディープな選曲で、より一層映画の世界に浸れるだろう。 さらに、1970年代にフィラデルフィアで結成された女性ソウルグループ「The Ultimates」の短編記録映画『Why I Love You: Meet The Ultimates』も同時上映。彼女たちの楽曲「Why I Love You」はリリースから数十年後、チカーノローライダーシーンで評価され、世代を超えて受け継がれることとなる。同作は、その奇跡的なストーリーを捉えた作品だ。 画像提供:MUSIC CAMP, Inc.同時上映される短編記録映画『Why I Love You: Meet The Ultimates』のフライヤー ボビー・オローザ(Bobby Oroza)やバンド「Thee Sins
池尻大橋の地下に洞窟のようなニューアメリカンビストロ「PISTON MAGAZINE」が誕生

池尻大橋の地下に洞窟のようなニューアメリカンビストロ「PISTON MAGAZINE」が誕生

池尻大橋駅のほど近く、国道246号沿いのビルの地下1階。ニューアメリカンビストロの「PISTON MAGAZINE」が、2026年6月1日にオープンしたので取材した。 階段を降りると、入り口にピストン運動しているオブジェが飾られている。店名には、機械を動かすための重要な部品という意味だけでなく、「ピストン輸送」のように、自宅や職場から何度も行き来してほしい、という思いが込められている。 さらに、「マガジン」と添えたのは、単なる飲食店ではなく、雑誌のように多彩なコミュニティーやカルチャーが交差する場所にしたいと考えたからである。 Photo: Kisa Toyoshima入り口に飾られている、同店を象徴するオブジェ 店内は、カウンター席と、壁に沿ってソファが設置されたテーブル席で構成。入店するとまず目に飛び込んでくるのは、まるで洞窟、もしくは月面のような壁だろう。「Futuristic Cave(フューチャリスティックケーブ)」をコンセプトに、左官の技術で仕上げた造形に、貝殻の粉やラメを散りばめ、ライティングや見る角度によって見え方が変わる構造にしたという。 Photo: Kisa Toyoshima奥のテーブル席。照明は、ランチは白、ディナーはオレンジに変わる また、店内にはトイレに至るまで、宇宙飛行士が船外活動をしているものをはじめ、ジオラマを設置。特徴的な内装は、クリエーティブレーベル「PERIMETRON」のプロデューサー・吉田健人がディレクションし、アート建築集団のSAMPO Inc.が手がけている。 Photo: Kisa Toyoshima壁のくぼみに設置されたジオラマ 同店は、昼と夜で食事のメニューが変わる。まずは、土・日曜日のみ営業しているランチのメニューから見て行こう。 ランチの定番は、ホットドッグとオープンサンド。取材時は「ソルトドッグ」(1,300円、以下全て税込み)と「フレッシュコリアン納豆ドッグ」(1,400円)を注文した。 「ソルトドッグ」は、以前渋谷にあった「BABY HOTDOG CAFE」のシグネチャーだったメニューで、パンにマッシュポテトを塗り、ソーセージとフライドオニオンを挟み、岩塩で味付けしている。シンプルながら、しっかりとそれぞれの素材のうまみが感じられる逸品だ。 Photo: Kisa Toyoshima「ソルトドッグ」 「フレッシュコリアン納豆ドッグ」は一見こってりとした味付けを想像するかもしれないが、一口食べると柑橘の香りがふわっと広がり、さっぱりとしていて驚く。分かりやすく韓国風にするのではなく、キムチをレモンと和えることで、この味わいを演出しているという。 Photo: Kisa Toyoshima「フレッシュコリアン納豆ドッグ」 17時以降のディナーの時間帯は、アラカルトがメイン。どのメニューも定番にひとひねり加わっていた。 前菜には「ハーブとグリーンオリーブのフムス」(1,300円)を注文。ハーブとグリーンオリーブ、ハラペーニョやライムジュース、ベースはヒヨコマメとゴマだが、ハーブとハラペーニョ、ライムジュースを加えることで、どこかイタリアンのような味付けだ。 Photo: Kisa Toyoshima「ハーブとグリーンオリーブのフムス」 メインの「豚のコンフィ 白インゲンの煮込み」(1,980円)は、アメリカの家庭料理であるポーク&ビーンズを再解釈し、トスカーナ風に仕上げている。 Photo: Kisa Toyoshima「豚のコンフィ 白インゲンの煮込み」 締
五反田TOCビルに「ポリスミュージアム」が移転オープン

五反田TOCビルに「ポリスミュージアム」が移転オープン

2026年4月、警視庁の活動について紹介する「ポリスミュージアム」が、五反田「TOCビル」に移転オープンしたので、取材した。 以前は京橋にあった同施設だが、周辺の再開発の影響で五反田へ仮移転。以前は展示が6階に分かれていたが、今回はワンフロアに集約されている。 まず、正面のゲートを抜けてすぐのセクションが「コミュニケーションホール」。実際に使用されていたパトカーや白バイ、ヘリコプターが展示されている。ヘリコプターの「はるかぜ1号」は操縦席に搭乗でき、当時の警察官が見ていた視点を追体験できる。 Photo: Keisuke Tanigawa館内に展示された白バイ Photo: Keisuke Tanigawaヘリコプターの「はるかぜ1号」 Photo: Keisuke Tanigawa「はるかぜ1号」の操縦席 「コミュニケーションホール」の右手に位置するのが、「人と街をともにまもる」と名付けられたコーナー。まず目に飛び込むのは、架空の街のジオラマで、周りにはいくつかタッチパネルが設置されている。タッチパネルに触れると、街のどこにどんな危険が潜んでいるのか、そして困ったことがあった際の相談先などが表示される。 Photo: Keisuke Tanigawa「人と街をともにまもる」と名付けられたコーナーに設置されているジオラマ また、「110番」に電話する際のシミュレーションを行うコンテンツも設置。事故の映像が流れ、それを元に端的に状況を答えていく。いざというときに的確に状況を伝えられるよう、事前に練習してみるのがいいだろう。そのほか、実寸大の信号機と、自転車を安全に運転するためのポイントを説明したシミュレーターなどが設置されている。 Photo: Keisuke Tanigawa自転車を安全に運転するためのシミュレーター 「人と街をともにまもる」の隣のセクションが「事件・事故を解決する力」。ここでは、科学捜査研究所(通称、科捜研)のラボが再現されているコーナーや鑑識の資機材が展示されている。さらに、マグカップ、電話、スマートフォン、電卓などから1分以内に指紋を5つ採取し、住人の指紋と見比べて犯人のものを探すというコンテンツも設置。採取するまではよかったが、指紋を制限時間内に見比べて割り出すのが難しく、つい夢中になってしまった。 Photo: Keisuke Tanigawa科学捜査研究所のラボが再現されている Photo: Keisuke Tanigawa指紋を採取するコンテンツ。なかなか難しい そのほか、捜査の聞き込みや、似顔絵捜査をアニメーションで体験できるコンテンツ、足あと、タイヤ痕を一致させるコンテンツなど、捜査の一部が分かるコンテンツが揃う。どれも楽しんで遊べるものばかりな上に、事件解決の裏にはこのような小さな積み重ねがあることが実感できるだろう。 Photo: Keisuke Tanigawa靴底を見て、足あとを一致させるコンテンツも また、交番の中で、警察官の一日の勤務を体験できるコーナーも設置されている。 Photo: Keisuke Tanigawa交番に入ると、交番勤務の一日が分かる映像が上映されていた さらに奥に歩を進めると「企画展示室」があり、取材時はポリスミュージアムの沿革について紹介されていた。展示以外に、イベントなども実施予定だという。 Photo: Keisuke Tanigawa館内には、さまざまな種類のピーポくんのイラストも描かれていた また、警察の歴史から最新の活動までが学
池尻大橋にソウル発のミュージックバー「Kompakt Record Bar」の海外1号店がオープン

池尻大橋にソウル発のミュージックバー「Kompakt Record Bar」の海外1号店がオープン

韓国・ソウル発のミュージックバーの海外1号店となる「Kompakt Record Bar TOKYO」が、2026年5月15日、池尻大橋の三宿交差点のほど近くにオープンした。 同店は、韓国を代表するDJクルー・360soundsのメンバーで、グラフィックデザイナーのJINMOOが手がけている。日本国内での展開は、JINMOOと交流の深いSKO EXTEDITの平野正樹が仲介し、BEAMSがサポートする。 Photo: Kisa Toyoshima左から、SKO EXTEDITの平野正樹、「Kompakt Record Bar」の創業者・JINMOO、BEAMS CREATIVEの井上博喜 日本国内での出店に当たり池尻大橋を選んだのは、繁華街である渋谷から近いながらも落ち着いた雰囲気があるからだという。ソウルの店舗も中心部を少し離れた場所に出店しており、中目黒や奥渋谷エリアを含めて探していたところ、今回の場所に落ち着いた。 店名の由来は、その名の通りコンパクトな空間であるから。小さな空間で音楽と酒を楽しみ、そして訪れる人たちの交流が生まれることを目指している。 Photo: Kisa Toyoshimaカウンターにはオールジャンルのレコードが置かれている 音楽は全てアナログレコードによるもので、オールジャンルが流れる。「DJファースト」な環境にすべく、ターンテーブルはTechnicsの「SL-1200MK3D」、ミキサーはPioneer DJの「DJM-A9」を採用。DJもしくはセレクターが毎日入り、週末はDJイベントが行われる予定だ。 スピーカーは、ストリートブランド「Supreme」の店舗などの音響を手がけるオーディオデザイナーのデヴォン・ターンブル(Devon Turnbull)によるオーディオブランド「Ojas」と、ノルウェーの音響メーカー「NNNN」のコラボレーションモデル「ON8 Small Club System」がインストールされている。ホーンの形状は名機である「ALTEC A7」を彷彿(ほうふつ)させ、しっかりと流れる音楽に向き合いたくなるようなサウンドだ。 Photo: Kisa ToyoshimaターンテーブルはTechnicsの「SL-1200MK3D」、ミキサーはPioneer DJの「DJM-A9」を採用 内装・空間デザインは、デザインチームのLandscape Productsが担当。店内のアートや配色で「東京らしさ」を表現しているという。バーカウンター上の縄のような照明は、韓国のデザイナー、イ・カンホ(Kwangho Lee)が手がけた。 Photo: Kisa Toyoshimaイ・カンホによるバーカウンター上の照明 ドリンクは、ウイスキーや焼酎、テキーラ、メスカル、ワインなど、幅広くラインアップ。もし何にするか悩んだら、まずは韓国の店舗でも提供しているシグネチャーカクテル「コンパクトフィズ」を注文してほしい。ジンとエルダーフラワーリキュール、韓国産のナシのフレーバーティー「ムーンウォークティー」を漬け込み、レモンジュースとシロップ、ソーダで割ったカクテルだ。初夏の晴れた日のようなさわやかな味わいで、酒があまり得意でない人にも飲みやすいだろう。 Photo: Kisa Toyoshimaシグネチャーカクテルの「コンパクトフィズ」 さらに同店では、限定のTシャツや手拭い、コースターなどを販売。来店した際はぜひチェックしてみてほしい。 Photo: Kisa Toyoshima限定のTシャツ
「原宿クエスト」にドライフラワーとロサンゼルス発の抹茶が交差するショップがオープン

「原宿クエスト」にドライフラワーとロサンゼルス発の抹茶が交差するショップがオープン

原宿駅からすぐそばの複合施設「原宿クエスト」の1階。区画番号を冠したドライフラワーショップ「EW.Pharmacy #106」と、抹茶専門店の「rocky’s matcha」がコラボレーションした新店が2026年3月13日に誕生した。 「花を捨てない」という哲学に触れる まずは「EW.Pharmacy #106」から見ていこう。同店はフラワーアーティストの篠崎恵美によるクリエーティブスタジオ「edenworks」が手がけるドライフラワーショップ。同店のドライフラワーは、展示で使用した生花や、系列のフラワーショップの「ew.note」で販売している花を破棄するのではなく、傷む前にアップサイクルしたものだ。 Photo: Kisa Toyoshimaフラワーアーティスト・篠崎恵美 以前は富ヶ谷に店を構えていたが、ドライフラワーという性質上、頻繁に購入されるものではないため、かねてより移転することを前提に店作りをしていた。そのため、カウンターなどの什器(じゅうき)は以前の店のものをリサイズして再活用している。また、富ヶ谷から原宿へと移転することを決めたのは、もっと幅広く、若い世代にも「花を捨てない」という思いを伝えたいからだという。 Photo: Kisa Toyoshima 薬局のようなカウンセリングで自分だけのブーケを作る 同店の特徴は、店名の通り薬局(ファーマシー)のように、ドライフラワーのスワッグなどをカウンセリングしながら作れることだ。季節ごとに取り揃えた12種類の中から、スタッフが来店者に好きな色、今興味のあるものなどをヒアリングし、最適なものをセレクトする。真空パッケージの中に絵を描くように並べたタイプと、スワッグタイプがそれぞれ2サイズ展開し、最短で15分ほどで完成する。 そのほか、ボトルやガラスドームにアレンジすることもでき、花の種類や色味でオーダーメイドする場合は、1週間ほど時間がかかることも。ドライフラワーはシーズンで余ってしまっても、きちんと保管され、花を捨てることをなるべく無くすように取り組んでいる。 Photo: Kisa Toyoshima季節ごとに12種類のドライフラワーが並ぶ Photo: Kisa Toyoshima 加えて、一枚一枚丁寧に押し花にした花びらや葉で制作したオリジナルのミラー「ready-made mirror」(2,420円、以下全て税込み)やバッジ「ready-made badge」(1,650円)などもラインアップ。他社のものは茶色いイメージが強いポプリも、同店の「schale pot-pourri arrangement」(4,400円)は鮮やかで、目にも美しい。さらに、本店舗から販売開始された6種類のオリジナルのオードトワレ「EW EAU DE TOILETTE」も全て植物由来の材料でできている。 Photo: Kisa Toyoshimaポプリ「schale pot-pourri arrangement」は見た目も美しい ロサンゼルス発の逆輸入な「抹茶カルチャー」を体感する また、同所には、アメリカ・ロサンゼルス発のティーブランド「rocky’s matcha」の世界初の実店舗が同居。同ブランドを手がけるのは、茶業界ではなく、元々は音楽、ファッション、デザインで長年キャリアを積んできた2人の共同経営者だ。異業種からの参入ゆえに、既存の常識に縛られることなく、生産者や職人にスポットを当てた上で、品質へのこだわりと歴史への敬意を保ちながら、抹茶を新しい層へ届けていきたいと彼ら
渋谷・円山町にスペイシーなミュージックバー「Hi-Fi Disco Bar Chaos」が誕生

渋谷・円山町にスペイシーなミュージックバー「Hi-Fi Disco Bar Chaos」が誕生

渋谷・円山町に新たなミュージックバー「Hi-Fi Disco Bar Chaos」が、2026年4月16日にオープンした。 同店は、百軒店エリアに位置する「RECORD BAR analog」「MUSIC BAR BOUNCE」の姉妹店。店名の頭文字はそれぞれ、レコードのA面・B面・C面に由来する。また、「かつて住んでいたアパートは狭いのに物量が多くて。しかも友人がひっきりなしに訪れることから誰かが『カオス』と呼び始めたんです。その時からふと、もし自分がお店を持つなら『カオス』という名前もいいかもと思っていました」と、3店舗のオーナーを務める松鶴隆弘は語る。 Photo: Kisa Toyoshima壁にはディスコ・ハウスの名盤が飾られている 店内は、ビタミンカラーを基調としたビビッドな色使いが印象的。内装のコンセプトは「1970年代のニューヨーク」で、当時の空気感を想像し仕上げた。 Photo: Kisa Toyoshima スペースエイジの時代を彷彿(ほうふつ)とさせるレトロなバーカウンター、そしてミッドセンチュリーなコーデュロイのソファや手を模した椅子をはじめ、アイテムは単体で見るとインパクトがあるが、統一感がある。床の柄も、スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)による映画『シャイニング』に出てくるホテルのタイルから着想を得たもの。細部のギミックまで注目してほしい。 Photo: Kisa Toyoshima また、壁に描かれているのは、「ニューヨークのクラブカルチャーの立役者」というべきデヴィッド・マンキューソ (David Mancuso)、ラリー・レヴァン (Larry Levan)、フランキー・ナックルズ (Frankie Knuckles)の3人。同店はマンキューソが行っていた伝説的なプライベートパーティーの「The Loft」のようにアットホームな雰囲気の中で音楽を聴き、「明日も頑張ろう」と元気をもらえるような店を目指すという。 Photo: Kisa Toyoshimaラリー・レヴァン(左)、フランキー・ナックルズ(中央)、デヴィッド・マンキューソが描かれている 流れるのはディスコとハウスがメインで、レコードのみに対応する。壁には1970年代に製造されたビンテージスピーカー「JBL 4350」が埋め込まれており、DJブースのターンテーブルにはTechnicsの「SL-1200G」と、Garrardの「Model 301」を採用。そして、世界初の商業用ロータリーミキサーのBozak「CMA-10-2DL」がインストールされるなど、音響面でもこだわりが詰まっている。 基本的には同店で所有するレコードをスタッフがセレクトして流すが、時としてDJパーティーを行う。系列のRECORD BAR analogと同じく、着席でゆったりと音楽と酒を楽しむ空間を想定している。 Photo: Kisa Toyoshimaビンテージスピーカー「JBL 4350」 Photo: Kisa ToyoshimaDJブースには往年の名機がインストールされている ドリンクは、ビールやスタンダードなカクテルなど幅広くラインアップ。その中でもぜひ注文してほしいのが、「Larry’s Horn」と「Melon Ball」だ。Larry’s Hornは壁に描かれているレヴァンをイメージしたカクテルで、ウイスキーにスイートベルモットを合わせたもの。甘く飲みやすいが、度数が高くしっかりと酒を飲んだ気分になる。Melon Bal
「Face Records SHIBUYA」が開店30周年をきっかけに営業再開

「Face Records SHIBUYA」が開店30周年をきっかけに営業再開

日本のレコードカルチャーの中心地である、渋谷・宇田川町。同地の「シスコ坂」の上にあるレコード店「Face Records SHIBUYA」が、30周年を機に2026年4月11日に営業再開した。 Photo: Keisuke Tanigawa レコードの在庫数はLPと7インチを合わせて約3000枚。休業前と変わらず、ジャズやソウル、ファンクなどのジャンルを中心に取り扱う。今後クラブミュージックも追加予定だという。 Photo: Keisuke Tanigawa また、どのジャンルにおいても、オリジナル盤の値段が高騰しているものは少なくない。なかでも1970年代のいわゆる「レアグルーヴ」と呼ばれるレコードは顕著だ。「これからレコードを買い始める世代のために、新譜はもちろん、現行の音楽とも親和性が高く比較的価格帯の落ち着いている1980年代のソウルなども拡充させていきたいと考えています」と、店長でDJとしても活動する泉田は語る。 Photo: Keisuke Tanigawa壁にはいわゆる名盤が並ぶ 再開を記念して、毎週末「廃盤セール」を実施。まずはゴールデンウィークまで、レアグルーヴやソウル、ファンク、ブラジル、邦楽ロックなどのセールが予定されている。アメリカ・ニューオリンズのファンクバンド、The Metersのファーストアルバムや、レアグルーヴのクラシック「Funky Nassau」で知られるThe Beginning Of The Endのセカンドアルバムのオリジナルなどが放出予定だ。詳細は公式Instagramをチェックしてみてほしい。 Photo: Keisuke TanigawaThe Metersのファーストアルバム 加えて、営業再開と開店30周年に際して、関連イベントも開催。4月24日(金)の21〜23時に「SHIBUYA STREAM HOTEL」の「Bar & Dining TORRENT」で泉田がDJとして出演する。 「TORRENT × Face Records」「Face Records SHIBUYA」店長の泉田が出演する さらに、5月2日(土)の15〜17時の2時間、Face Records SHIBUYAで行われるインストアイベントに、日本が世界に誇る「King Of Diggin'」ことDJ MUROが登場する。 画像提供:FTF株式会社MURO レコードカルチャーを支え続けてきた同店にレコードを買いに行くにはもちろん、イベントにもぜひ足を運んでみてほしい。 関連記事 『東京で行くべきレコードショップ』 『タワレコ渋谷店・アナログレコードフロアに「TOWER RECORDS BEER」がオープン』 『渋谷・並木橋に「VENT」チームが手がけるミュージックバー「PASS」がオープン』 『青山に「RED BAR」系列のミュージックバー「黒蜥蜴」がオープン』 『DJ・須永辰緒によるレコードバー「moderno」が駒沢大学にオープン』 東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら
青山に「RED BAR」系列のミュージックバー「黒蜥蜴」がオープン

青山に「RED BAR」系列のミュージックバー「黒蜥蜴」がオープン

青山学院大学のすぐそば、国道246号沿いにミュージックバーの「黒蜥蜴(くろとかげ)」が、2026年3月27日にオープンした。同ヴェニューは、青山「RED BAR」「AOYAMA TUNNEL」、そして渋谷「OATH」の系列店。青山の姉妹店2つからは信号をわたってすぐそばの、セブン-イレブンの地下に位置する。 店名の由来は、江戸川乱歩が原作で三島由紀夫が戯曲化し、美輪明宏が主演を務めた映画『黒蜥蜴』。オーナーの好きな映画で、同作のように妖艶でアーティスティックなイメージを目指した。 Photo: Kisa Toyoshimaテーブル席。壁面には写真家のJoji Shimamotoによる作品が飾られている キャパシティーは50人ほどで、カウンター席とテーブル席、個室のように使える「小部屋」で構成されている。内装は、ゆかりの深い2人のデザイナーが担当。テーブル席をぐるっと取り囲む「トカゲ」をイメージしたソファや黒い一枚板のカウンター、れんがのはめこまれた壁面が印象的だ。ゴージャスな照明や装飾は、RED BARが宮益坂にあった頃のものを使用している。 Photo: Kisa Toyoshimaカウンター席 Photo: Kisa Toyoshima個室のように使える「小部屋」も「RED BAR」が宮益坂にあった頃の鏡や装飾品で彩られている 系列が踊れるDJバーなのに対して、同店は「ミュージックバー」と銘打つ。その理由は、着席して質の高いオーディオで音楽を聴きながら、いい酒をじっくりと飲む空間をコンセプトとしたからだ。 その音の核となるのが、1970年代に製造されたKlipsch製のスピーカー「ラ・スカラ」。かつてレコード店の「Lighthouse Records」が所有していたもので、オープンに際して譲り受けたという。バランスのいい音色と、独特な音の鳴りが印象的だった。 Photo: Kisa Toyoshimaかつてレコード店の「Lighthouse Records」が所有していたKlipsch製のスピーカー「ラ・スカラ」 毎日DJが入り、レコードをメインに楽曲をセレクト。ダンスミュージックというよりはジャズや歌モノなどがかかる。DJブースのミキサーには、希少なUnion Audioのロータリーミキサーを採用。ターンテーブルはもちろん、CDJも設置されている。 Photo: Kisa ToyoshimaDJブースには最新鋭の機材を導入 ドリンクのメニューも充実。ビールやワインなどからシェイクするカクテルまで、幅広く揃う。その中でも自家製のジンジャーシロップを使用したモスコミュール(1,650円、以下全て税込み)や、テキーラとアールグレイを漬け込んだラム、エルダーフラワーのシロップを合わせた「アールグレイハイフィディリティー」(1,650円)をはじめとする、オリジナルカクテルをぜひ試してみてほしい。 Photo: Kisa Toyoshima自家製のジンジャーシロップを使用したモスコミュール(左)と「アールグレイハイフィディリティー」 オープン記念として3月30日から4月3日までの期間で、REDBARとAOYAMA TUNNEL、そして同店を行き来できるイベント「SAKURA MATSURI SPECIAL WEEK」が開催された。今後も回遊イベントは実施する予定だ。踊りに行く前に一杯引っ掛けるのもよし、踊り疲れた朝方に訪れるのもよし。青山エリアに新たに誕生したミュージックヴェニューにぜひ足を運んでみてほしい。 関連記事 『渋谷・
タワレコ渋谷店・アナログレコードフロアに「TOWER RECORDS BEER」がオープン

タワレコ渋谷店・アナログレコードフロアに「TOWER RECORDS BEER」がオープン

2025年11月から順次改装を進めていた「タワーレコード渋谷店」が、2026年2月28日にフルオープン。そして、同店の6階に位置するアナログレコードフロアに、新業態となるスタンディング式のビアバー「TOWER RECORDS BEER(タワーレコードビア)」が誕生した。 Photo: morookamanabuTOWER RECORDS BEERは、タワーレコード渋谷店6階のアナログレコードフロアにある 同店が掲げるのは、音楽を「選ぶ・聴く・味わう」という体験を、ビールへと拡張すること。音楽ジャンルを選ぶ感覚で、ビールを楽しむことをコンセプトとしているという。 Photo: morookamanabu タップは全部で12種類。セレクトはクラフトビールの定番ともいえるIPAやペールエール、フルーツビールや黒ビールまで幅広い。 Photo: morookamanabuPhoto: morookamanabu | 12種類のビールをタップで提供 オープン記念として、横浜の「REVO BREWING」、川崎の「カギヤブルワリー」、神戸の「open air BREWING」、埼玉の「Teenage Brewing」とコラボレーションしたオリジナルビールを限定で提供。それぞれ「CITY HOP」「BRIT HOP」「LISTEN TO THE MUSIC」「KILLER TUNE」という、音楽にちなんだ名前が付けられている。 Photo: morookamanabu ビールは店内で注ぎたての一杯が味わえるほか、瓶や缶でも提供。生ビールはSとLの2サイズを展開しており、価格はSサイズが750円(以下全て税込み)から、Lサイズが1,300円から。店名のロゴが入ったグラスも、パイントサイズ(1,500円)とハーフパイントサイズ(1,200円)の2種類を販売する。 Photo: morookamanabu取材時は、「CITY HOP」(左)と「BRIT HOP」のLサイズを注文した Photo: morookamanabuビールは瓶や缶でも提供 また、店舗横にはDJブースを設置。プレオープン時には、ブルーノ・マーズ(Bruno Mars)のアルバム『The Romantic』の発売を記念して、新作のリスニングパーティーと、DJ HOLIDAY(SFP/LPS)、TRASMUNDO DJs、宮田信(BARRIO GOLD RECORDS)による、同作のルーツをたどるDJプレイも実施された。 今後も定期的にDJイベントや、アーティストのリリース記念イベントを行う予定だ。 Photo: morookamanabu 取材時には、国内外の来店者がアナログレコードを買い終えた後に、ショッパーを抱えて立ち寄る姿が目立った。目当てのレコードを掘り終えた後はもちろん、仕事帰りに店内のBGMを聴きながら、もしくはイベントでかかる音楽に体を揺らしながら飲むビールは格別だろう。まずは気軽に足を運んでみてほしい。 関連記事 『渋谷・並木橋に「VENT」チームが手がけるミュージックバー「PASS」がオープン』 『MIYASHITA PARKに新たなカルチャースペース「Park in Park」が誕生』 『東京で花見×音楽、桜と楽しむイベント4選』 『平日も楽しめる、渋谷のDJバー』 『東京、ベストクラフトビールバー23選』 東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら
「原宿クエスト」の地下にカルチャースポット「THE HALL」「THE TUNNEL」が誕生

「原宿クエスト」の地下にカルチャースポット「THE HALL」「THE TUNNEL」が誕生

1988年に開業し、2025年に建て替えられた複合商業施設「原宿クエスト」。その地下1階に、ポップアップスペース「THE HALL(ザ ホール)」とレストラン「THE TUNNEL(トンネル)」が誕生した。 この空間を手がけるのは、クリエーティブエージェンシーのen one tokyo。原宿を拠点に「The Mass」をはじめとするアートギャラリーや、うどん専門店の「麺散」、ミュージックバー「不眠遊戯ライオン」などを運営している。 エントランスを抜けると、まずはポップアップスペースのTHE HALLが現れる。同所は、たまり場のような「新たなカルチャー発信所」を目指しているという。展示会やブランド発表会、アートショーなど、利用者の用途に合わせて使用できる。 Photo: Keisuke TanigawaTHE HALL エントランス そして、隣接するようにレストランのTHE TUNNELがある。換気用ファンを模したスピーカーをはじめ、地下鉄のトンネルを想起させるようなインダストリアルな空間だ。カウンターに加えて、テーブル席や畳の席を設置。ポップアップ期間中以外も営業する同店は防音システムを備えており、音楽イベントにも対応する。 Photo: Keisuke TanigawaTHE TUNNEL Photo: Keisuke Tanigawaロゴはロサンゼルスを拠点とするタトゥーアーティスト・Dr. Wooが手がけた 料理は、ホットドッグやアメリカ・ロサンゼルスのコリアンタウンから始まった「LAカルビ」などを提供。ドリンクは、茶葉ブランド「EN TEA」がかつて運営していた「GEN GEN AN幻」の「緑茶ソーダ」「緑茶ラテ」「焙じ茶ラテ」をはじめ、ビールやハイボールなどのアルコールも提供する。 Photo: Keisuke TanigawaTHE TUNNEL また、オープンに際してTHE HALLでは、アーティスト・YOSHIROTTENによる展示「Quiet Underground: Energy, Sound and Time」が2026年3月29日(日)まで開催中。本展では、原宿で生まれた想像の物語、そしてYOSHIROTTENがTHE HALLの地下空間から受けたインスピレーションを、一つの空間として再構成したものだ。 「Quiet Underground: Energy, Sound and Time」 入り口付近に展示されていたのは、『Tranthrow』というシリーズ。原宿クエスト周辺と故郷・鹿児島でセンサーを使って採集した光、可視光線や赤外線、紫外線のスペクトルデータをイメージに変換しているという。作品は、人工衛星にも使われている「アルミハニカム」という素材にプリントされている。 Photo: Keisuke Tanigawa『Tranthrow』 会場内でひときわ目立つのが、柱を取り囲むように設置されたモニターのような作品『Menhir(Q.U.E.S.T.edition)』。光の波長を測定する分光器を原宿クエストの屋上に設置し、計測された光に合わせて、モニターに映し出された「色の波」が変化していくというものだ。 Photo: Keisuke Tanigawa『Menhir(Q.U.E.S.T.edition)』 刻々と変化する画面を眺めていると、会場で流れているアンビエントがふと耳に入ってくる。その音は、特殊なRGBライトで育てる「LED菜園」の野菜の電気信号をモジュラーシンセサイザーに送ることで生
渋谷・並木橋に「VENT」チームが手がけるミュージックバー「PASS」がオープン

渋谷・並木橋に「VENT」チームが手がけるミュージックバー「PASS」がオープン

渋谷の喧騒(けんそう)から少し離れた並木橋エリアに、2026年3月6日、ミュージックバー「PASS(パス)」がオープンした。手がけるのは、表参道のテクノ・ハウス専門店「VENT(ベント)」のチームである。 店名の由来は、みんなで音楽をシェアするという「People's Audio Sharing Space」。そして「次の世代に伝えたい音」という意味も込められている。 Photo: Kisa Toyoshimaカウンター席に加えてテーブル席もある 同店の構想はコロナ禍にさかのぼる。「イベントができない時期にサウンドシステムの研究をしていて、古い文献と最新の理論を組み合わせた今の構想が浮かびました。このシステムを生かすならミュージックバーかなと」と、プロデューサーの大城啓一郎は語る。約5年をかけて温めてきたアイデアが、ようやく形になったのだ。 カウンターの奥に設置されたスピーカーは、往年のJBLのキャビネットをベースに内部をフルカスタムしたもの。完成には半年を要したという。音の方向性は懐かしい感じでもなく、最先端のハイファイなものでもなく、「聴いていて楽しい音」を目指した。そして、VENTがテクノ・ハウスに特化しているのに対し、PASSではジャズやダブ、ヒップホップに歌モノまで、ジャンルを横断した曲がかかるのを特徴としている。 カウンターの中心には、「Sweet Spot Sharing Seat」と呼ばれる席がある。1曲ずつ交代で利用する仕組みで、その名の通り、置く場所をミリ単位で調整したスピーカーのサウンドが最も美しく聴こえる特等席だ。 Photo: Kisa Toyoshimaスピーカーを置く場所はミリ単位で調整。店内で音が最も美しく聴こえる特等席の「Sweet Spot Sharing Seat」 特に、ボーカルの入った曲が分かりやすいとアドバイスを受け、実際に座ってみると、自分だけに向けてその曲が演奏されているような感覚になった。 Photo: Kisa Toyoshima「Sweet Spot Sharing Seat」の目印として中央に置かれたレコード また、食事のメニューはないが、ドリンクに力を入れている。スタンダードなものはもちろん、メスカルをベースに自家製の燻製(くんせい)塩を使った「スモーキー・レモンサワー」や、水出しコーヒーを使った「珈琲・マティーニ」など、個性的なカクテルがラインアップする。 さらに、ソムリエ資格を持つスタッフが厳選したワインもおすすめだ。京都の「ethelvine(エーテルヴァイン)」から仕入れたナチュラルワインをはじめ、東京ではなかなか飲めない希少なものも揃える。「食事と合わせなくとも、ワイン単体で十分に楽しめるものを置きたいと思っています」と、セレクトについて教えてくれた。 Photo: Kisa Toyoshima「珈琲・マティーニ」(左)と「スモーキー・レモンサワー」 今後は、レコードのみのDJイベントやリスニングイベントを行う予定で、レギュラーイベントも順次立ち上げていくという。また、VENTと連携し、PASSの来店者にVENTの割引パスの発行も考えている。それぞれ異なる音楽体験を楽しむ夜もいいかもしれない。 予約なしでふらっと立ち寄れるのも同店の魅力の一つ。カウンターでじっくりと音楽と向き合ったり、テーブル席で気の置けない友人と話しながらゆったりとした時間を過ごしたりするのもいいだろう。気張らずに訪れられる同店に、ぜひ足を運んでみてほしい。 関連記事 『MIYASHITA PA