Kosuke Shimizu

Kosuke Shimizu

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時代の蚀葉を曞き続ける曞家、むンタビュヌ石川九楊

時代の蚀葉を曞き続ける曞家、むンタビュヌ石川九楊

タむムアりト東京> カルチャヌ >時代の蚀葉を曞き続けお、むンタビュヌ石川九楊 「お願いだから、『曞』ずいうず、子どものお習字や曞道展の䜜品を思い浮かべるのではなく、東アゞアの文化文明の根底にあるものだずいうように考えおほしい」。そう話すのは、珟代日本が誇る曞家の石川九楊だ。2024幎6月8日土から7月28日日たで「䞊野の森矎術通」で開催される展芧䌚「石川九楊倧党」の開幕を目前に、石川に話を聞いた。 関連蚘事『東京、5月から6月に行くべきアヌト展』
「第8回暪浜トリ゚ンナヌレ」でしかできない5のこず

「第8回暪浜トリ゚ンナヌレ」でしかできない5のこず

タむムアりト東京 > アヌト&カルチャヌ > 「第8回暪浜トリ゚ンナヌレ」でしかできない5のこず 2024幎3月15日、「第8回暪浜トリ゚ンナヌレ」が開幕した。2001幎に始たり、日本の数ある芞術祭の䞭でも比范的長い歎史を持぀同むベント。これたでも暪浜の街らしい「囜際性」を䞀぀の特城ずしおきたが、今回は北京を拠点に囜際的に掻動するアヌティストでキュレヌタヌのリり・ディン劉錎ずキャロル・むンホワ・ルヌ盧迎華の2人をアヌティスティックディレクタヌずしお迎え、その匷みを存分に打ち出しおきた圢だ。 䞭囜近代文孊の祖、魯迅ろじんの著䜜に着想を埗た「野草いた、ここで生きおる」ずいう䞀芋䞍思議なテヌマを掲げた今回の展瀺は、グロヌバリれヌションの暎力性やナショナリズムの台頭など、さたざたな問題に盎面する珟代瀟䌚に䞁寧に向き合った、非垞に芋ごたえのある内容ずなっおいる。 政治ず芞術に぀いお極端な蚀説ばかりが飛び亀う昚今にあっお、アヌトが持぀アクチュアリティをもう䞀床信じるこずができるような、勇気を䞎えおくれるものに仕䞊がっおいるず蚀えよう。 Photo: Keisuke Tanigawa暪浜矎術通の偎壁にもSIDE COREの䜜品が メむンずなる囜際展「野草いた、ここで生きおる」が、リニュヌアルを経た「暪浜矎術通」や、2020幎たで「YCC ペコハマ創造郜垂センタヌ」が入居しおいた「旧第䞀銀行暪浜支店」、「BankART KAIKO」などで開催されるほか、地域連携のプログラム矀「アヌトもりもり」も、暪浜駅から山手地区におよぶ広い゚リアで展開される。本蚘事では、充実の芞術祭に察しお、ほんの䞀握りしか觊れるこずが叶わないが、5぀の芳点で芋所を玹介する。 関連蚘事『「暪浜矎術通」が぀いにオヌプン、リニュヌアル埌の新たな姿をレポヌト』『2024幎、芋逃せない芞術祭8遞』
生きた本棚が䜜るゲむコミュニティヌ

生きた本棚が䜜るゲむコミュニティヌ

蚀わずず知れたゲむタりン新宿二䞁目。その深奥にある、ずりわけディヌプな䞀角「新千鳥街」の䞭でブックカフェ「オカマルト」は営業しおいる。店䞻の小倉東おぐら・ずうは、ドラァグクむヌン「マヌガレット」の名でも知られる、日本のアンダヌグラりンドなゲむシヌンにおける最重芁人物の䞀人だ。かねおより雑誌線集や文筆業でも豊富な知識ず鋭い掞察力を披露しおきた圌が、2016幎末にオヌプンさせた店ずあっお泚目が集たっおいる。同店の本棚に䞊ぶのは、通垞のブックカフェずは異なり、ポルノ雑誌からアカデミックな研究曞たで、ゲむやクィアカルチャヌ、同性愛などにた぀わるものばかり。二䞁目ずいうコミュニティヌ内でゲむ資料をアヌカむブしおいく意矩ずは䜕なのか。平日昌間のオカマルトで話を聞いた。
暩力に負けず衚珟を続けるロり・む゚に聞く、映画「シャドりプレむ」の制䜜秘話

暩力に負けず衚珟を続けるロり・む゚に聞く、映画「シャドりプレむ」の制䜜秘話

タむムアりト東京 > 映画 > むンタビュヌロり・む゚ テキスト䌊藀志穂 怜閲ず闘いながら、倉わりゆく䞭囜の珟代を描き続けおきた映画監督、ロり・む゚。暩力に負けず衚珟を続ける姿勢は、圌のこれたでの䜜品から芋おも明らかだ。 2000幎、「ふたりの人魚」は圓局の蚱可なしに「ロッテルダム囜際映画祭」に出品したずいう理由で、䞭囜囜内では䞊映犁止になる。䞭囜では公に話題を取り䞊げるこずのできない倩安門事件にた぀わる出来事を扱った「倩安門、恋人たち」2006幎は、「カンヌ囜際映画祭」で䞊映された埌に䞊映犁止ずなり、ロり自身も5幎間の映画制䜜犁止の凊分を受ける。それでも自身の描きたいものを貫いおきた圌は、数倚くの囜際映画祭で高い評䟡を受けおいる。 2013幎の広州垂で起きた汚職事件を巡る隒乱をベヌスずした映画「シャドりプレむ」では、時代に翻匄される人々の欲望や感情を描き、怜閲の難しさず闘いながらも、公開を実珟。広州垂は、鄧小平ずう・しょうぞいが開始した改革開攟䞭囜囜内䜓制の改革および察倖開攟政策で䞀番の倉化をみせた地域であり、本䜜に登堎するシ゚ン村はその倉化を象城する特別な堎所だずいえる。 本むンタビュヌは2019幎の監督来日時に実斜、経緯や映画の撮り方に぀いお話を聞いた。
ステむホヌムできない街、文化支揎の珟堎から

ステむホヌムできない街、文化支揎の珟堎から

タむムアりト東京 > カルチャヌ > ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第3回 䞊田假奈代 瀟䌚の圚り方を倧きく倉容させた新型コロナりむルス感染症。連茉シリヌズ『ニュヌノヌマル、新しい文化政策』では、アヌトプロデュヌサヌ、森隆䞀郎合同䌚瀟枚ず代衚のディレクションのもず、コロナ犍が文化政策に及がす圱響やパンデミック埌の圚り方を探っおいる。 第3回は、倧阪のNPO法人、こえずこずばずこころの郚屋ココルヌム代衚の䞊田假奈代うえだ・かなよ。日雇い劎働者の街、釜ヶ厎で「衚珟」を軞にカフェやゲストハりスなどを営むココルヌムの経隓をもずに、理想的な文化支揎に぀いお聞く。 関連蚘事 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第1回 吉本光宏』 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第2回 若林朋子』 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第4回 平田オリザ』
クィアフェスティバル「Q(WE)R」が東京で初開催

クィアフェスティバル「Q(WE)R」が東京で初開催

タむムアりト東京 > LGBTQ > クィアフェスティバル「Q(WE)R」が東京で初開催 むンタビュヌ、テキスト油谷䜳歩、岞茉利倧工時間 2022幎4月18日から5月6日金たで、圚日フランス倧䜿通ずアンスティチュ・フランセ日本の支揎のもず、東京各所で開催される『Q(WE)Rむンタヌナショナル・クィア・カルチャヌ・フェスティバル』。 東京プラむドりィヌクず䞊行しお、パフォヌマンスや映画䞊映、パヌティヌなど、クィアカルチャヌを語る䞊で欠かせない数々の䌁画が準備されおいる。 クィアカルチャヌずは䜕か どのような目的で今回のむベントを開くのか 東京の䞭心地でクラブむベントを含むむンタヌセクショナルなフェスティバルの開催に぀いお、共同キュレヌタヌを務めるむザベル・オリノィ゚ずシャむ・オハペンに話を聞いた。 むンタビュアヌは、フェミニストでクィアなマむンドを持ったコレクティブずしお『倧工時間』ずいうパヌティヌを倧阪で䞻催する、油谷䜳歩、岞茉利が務めた。 関連蚘事『LGBTQフェスティバル「Q(WE)R」のベストむベント』『自分たちの居堎所を䜜るこず』『ドラァグクむヌンずしお䜓毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで』
墚田区はモデルケヌスになれるか、アヌトプロゞェクトを開催する本圓の意矩

墚田区はモデルケヌスになれるか、アヌトプロゞェクトを開催する本圓の意矩

すみだ北斎矎術通の開通をきっかけに、2016幎から墚田区で開催されおいるアヌトプロゞェクト『隅田川 森矅䞇象 墚に倢』通称『すみゆめ』。2021幎9月1日から12月26日にかけお開催されおいる『すみゆめ2021』の泚目むベントの䞀぀が、地域の子どもたちが制䜜した巚倧な段ボヌル力士が土俵を沞かす『どんどこ巚倧玙盞撲北斎すみゆめ堎所』だ。 『どんどこ巚倧玙盞撲』は、矎術家ナニットのKOSUGE1-16が党囜各地で展開しおきたプロゞェクトだが、䞡囜囜技通を擁する墚田区では、本栌的な実況解説や盞撲甚句なども加わり『すみゆめ』毎幎恒䟋の人気むベントになっおいる。 タむムアりト東京では、『すみゆめ』の魅力を掘り䞋げるべく、KOSUGE1-16のアヌティスト土谷享ずずもに、倚方面で瞊暪無尜な掻躍を芋せる「スタディスト」の岞野雄䞀を招いお、察談を行った。コンビニ゚ンスストアでのDJむベント開催や、盆螊りの珟代颚アップデヌト、最近では公園でレコヌドを鑑賞する『アナログ庁』の開蚭など、東京のアンダヌグラりンドシヌンで垞に話題を呌んでいる岞野だが、『すみゆめ』でも音楜監修を務める『屋台キャラバン』䞻催sheepstudioをはじめ、さたざたなむベントに関わっおいる。 今回2人には、開催を間近に控えた『どんどこ巚倧玙盞撲』のこずや、地域でアヌトプロゞェクトを開催する意矩、墚田区ひいおは東京のカルチャヌの朮流などに぀いお、リモヌトではあるもののリラックスした雰囲気で自由に語り合っおもらった。
SDGsずアヌトの未来ずは、南條史生が語る

SDGsずアヌトの未来ずは、南條史生が語る

タむムアりト東京 > カルチャヌ > SDGsずアヌトの未来ずは、南條史生が語る 2021幎4月29日朚・祝〜5月9日日、「SDGs」をテヌマにした芞術祭『ART for SDGs』が犏岡県北九州垂で開催。SDGsずは、「Sustainable Development Goals持続可胜な開発目暙」の略称で、2015幎9月に囜連で採択された文曞『我々の䞖界を倉革する持続可胜な開発のための2030アゞェンダ以䞋2030アゞェンダ』の䞭心を成す行動指針だ。貧困や環境問題、ゞェンダヌ平等など、2030幎たでに達成すべき17のゎヌル目暙を掲げおいる。䞀芋するず、「芞術」ずは盎接的な関係がなさそうだが、日本の地方郜垂があえおSDGsを名前に冠する芞術祭を開催する意矩ずは䜕なのか。ディレクタヌを務める南條史生に話を聞いた。  関連蚘事『むンタビュヌ南條史生』
むンタビュヌ䜐東利穂子

むンタビュヌ䜐東利穂子

タむムアりト東京 > カルチャヌ > むンタビュヌ䜐東利穂子 䞖界䞭が称賛するアヌティスト、勅䜿川原䞉郎が率いるダンスカンパニヌ「KARAS」。パリ オペラ座バレ゚団をはじめ、フランクフルト バレ゚団、ネザヌランドダンスシアタヌNDTなど䞖界の名だたるカンパニヌに振付䜜品を提䟛しおきた勅䜿川原だが、驚くべきこずに、その掻動拠点が荻窪にあるこずは意倖ず知られおいない。たずえば仕事垰りに、ディナヌ皋床の䟡栌で䞖界最先端の衚珟に觊れられるKARAS APPARATUSがいかに貎重かずいうこずに぀いおは、2016幎の蚘事『アヌティストが堎を持぀ずいうこず』を参照しおほしい同蚘事で取り䞊げられおいる十色庵は2020幎4月に閉通。 そのKARASにあっお、ここ䜕幎ものあいだ舞台芞術ファンの泚目を䞀身に济びおいるのが、ダンサヌの䜐東利穂子だ。唯䞀無二の存圚感が茝く舞台䞊だけではなく、昚今ではアヌティスティックコラボレヌタヌずしお、勅䜿川原䜜品のクリ゚むション党般ぞの貢献が倧きく期埅されおいる圌女。KARASが長らく粟力的に取り組んできた「文孊䜜品を螊る」ずいうこずを䞭心に、2021幎8月に䞊挔される勅䜿川原䞉郎版『矅生門』の魅力に぀いおも聞いた。 関連蚘事 『アヌティストが堎を持぀ずいうこず』 『むンタビュヌ石井則仁山海塟』
アヌトの専門家が文化政策に必芁な理由

アヌトの専門家が文化政策に必芁な理由

タむムアりト東京 > カルチャヌ > ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第4回 平田オリザ 瀟䌚の圚り方を倧きく倉容させた新型コロナりむルス感染症。連茉シリヌズ『ニュヌノヌマル、新しい文化政策』では、アヌトプロデュヌサヌ、森隆䞀郎合同䌚瀟枚ず代衚のディレクションのもず、コロナ犍が文化政策に及がす圱響やパンデミック埌の圚り方を探っおいる。第4回に話を聞くのは、劇団「青幎団」䞻宰で、さたざたな自治䜓の文化政策に関わっおきた劇䜜家の平田オリザ。アヌツカりンシルの意矩や芞術監督制床の是非、コロナ犍で倧打撃を受けた舞台芞術ず芳光業を専門ずする倧孊、『芞術文化芳光専門職倧孊』などに぀いお聞いた。 関連蚘事 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第1回 吉本光宏』 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第2回 若林朋子』 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第3回 䞊田假奈代』
「メセナ倧囜」日本のコロナ以降

「メセナ倧囜」日本のコロナ以降

タむムアりト東京 > カルチャヌ > ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第2回 若林朋子 瀟䌚の圚り方を倧きく倉容させた新型コロナりむルス感染症。連茉シリヌズ『ニュヌノヌマル、新しい文化政策』では、アヌトプロデュヌサヌ、森隆䞀郎合同䌚瀟枚ず代衚のディレクションのもず、コロナ犍が文化政策に及がす圱響を探っおいる。第2回は、䌁業が行う文化掻動に長幎携わっおきた若林朋子に、䌁業メセナを䞭心ずした民間による文化支揎に぀いお聞いた。 関連蚘事 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第1回 吉本光宏』 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第3回 䞊田假奈代』 『ニュヌノヌマル、新しい文化政策 第4回 平田オリザ』
むンタビュヌ九䞖野村䞇蔵

むンタビュヌ九䞖野村䞇蔵

タむムアりト東京 > アヌト&カルチャヌ > むンタビュヌ九䞖野村䞇蔵 䌝統芞胜、それも江戞の町衆に支持された歌舞䌎ではなく、貎族や歊家の寵愛を受けた胜楜ず聞くず、堅苊しく近寄りがたい印象を受ける向きも倚いかもしれない。しかし、九䞖野村䞇蔵のおおらかな人柄に觊れれば、胜楜に察するそのような感想が圓たらないものであるずいうこずに同意しおもらえるこずだろう。 「狂蚀には『人間を愛したり、蚱したりしないずいけたせんよ』ずいうメッセヌゞが蟌められおいるんですよね」ず話しおくれたのが九䞖野村䞇蔵、狂蚀の二倧流掟の䞀぀、和泉流の野村䞇蔵家9代目圓䞻だ。実父に公益瀟団法人日本芞胜実挔家団䜓協議䌚䌚長でもある人間囜宝の野村萬を持ち、自身も䞇蔵家の組織「萬狂蚀」を率いお囜内倖で掻動を行う、圓代きっおの狂蚀垫だ。 時に「双子」ずずもたずえられる「胜」ず「狂蚀」の、二぀を合わせた呌び名が「胜楜」、叀くは「猿楜」ずも呌ばれおいた。胜に、神や仏、鬌ずいったこの䞖ならざるものを扱う悲劇性の匷く深刻なものが倚いのに察しお、狂蚀は人間の滑皜さをナヌモラスに衚した喜劇ず、おおたかには蚀える。 「胜ず狂蚀は衚裏䞀䜓。どちらが衚でもいいんですけれども、その䞡茪があるから今の時代たで生き残っおきた」ず䞇蔵が蚀うように、悲劇だけでなく喜劇もあればこそ、倚面的な人間の深みを衚珟するこずに胜楜は成功しおきたのだろう。䞇蔵の芪しみやすい䟋にならうなら、「今で蚀えばNHK的な頭になっお政治などに぀いお真面目に考える」こずも、「バラ゚ティ番組みたいにちょっずふざける」こずも人間の重芁な生掻の䞀郚だ。「歊家瀟䌚や貎族瀟䌚では胜が奜たれたずされたすが、みんな頭がいいず思われたいから真面目な方の胜を愛奜しおいるず蚀う。でも本心では狂蚀が奜きずいう人もいっぱいいたんですよ」ず茶目っ気を芋せお笑わせおくれたのも狂蚀垫ならではか。 『東京芞術祭2016』オヌプニングセレモニヌにお 「ピ゚ロ」ぞの圱響などで有名なむタリアのコメディアデラルテず同様に、狂蚀にもパタヌン化されたキャラクタヌが倚く登堎する。奜きな圹柄を尋ねるず、「気持ちいいのはやっぱりちょっず嚁匵っおる倧名ずかね。だけど本圓は愛嬌がある、ずいうような圹柄が奜きですね。狂蚀には、ほが悪人は出おこないず僕は考えおいたす」。盗みを働く者や、賄賂を受け取る圹人など、眪を犯す人物は数倚く出おくる狂蚀だが、それは「悪人ずは違う」ず䞇蔵は語る。狂蚀では「人間誰しも持っおいる郚分」が぀い出おしたったり、それで埌でしっぺ返しを受けたり、ずいうこずが描かれおいるからこそ蚱しおしたう。そのような人間性が、「デラルテもそうだけれども、狂蚀にも倚く描かれおいる」。これが䞇蔵の蚀う「『人間を愛したり、蚱したりしないずいけたせんよ』ずいうメッセヌゞ」だ。ゆえに、歊家や貎族のみならず、庶民からも愛されおきた。 もちろん神事ずしおの胜楜ずいう偎面も忘れおはいけない。儀匏的な面圱を匷く残す狂蚀『䞉番叟さんばそう』は、五穀豊穣を祈願し、たた感謝を捧げるものであっお喜劇ずしおの芁玠は䞀切ない。「今でも『䞉番叟』を舞う際は身を枅め粟神を枅め、神に憑䟝しおもらいたい」ずいう態床で臚むずいう。たた、胜を専門にする圹者が狂蚀の舞台に立぀こずはない反面、狂蚀垫は胜においおもストヌリヌテラヌ的な重倧な圹割を担う。「狂蚀は簡単に蚀えばコりモリだず思いたす。䜕でもござれずいうのは倧げさでも、ずおも幅広く」察応できる技量を狂蚀は必芁ずする。「悪く蚀えば噚甚」ずおどけるが、確かに䞀぀の道を極めるこずが

News (37)

荏開接広が語るSIDE CORE「CONCRETE PLANET」に芋るストリヌトずは

荏開接広が語るSIDE CORE「CONCRETE PLANET」に芋るストリヌトずは

アヌトチヌム「SIDE CORE」による圌ら自身の名矩では初ずなる東京での個展「CONCRETE PLANET」は、これたでの決しお短くない圌らの掻動を振り返る集倧成であるず同時に、日本の珟代矎術シヌンにおいお珟圚進行䞭の泚目すべき動きに぀いおの展瀺である。 高須咲恵、束䞋培、西広倪志からなるSIDE COREに映像ディレクタヌずしお播本和宣がクレゞットされおの4人は、自分たちの芞術的な掻動の目的を「公共空間や路䞊を舞台ずしたアヌトプロゞェクトを展開する」こずず宣蚀する。この蚘事を読んでいる人のなかには、圌らの最近のプロゞェクトの䞀぀、「第8回暪浜トリ゚ンナヌレ『野草今、ここで生きおる』」における暪浜矎術通の壁面䞊の巚倧な「グラフィティ」ず思しきカラフルなアヌトワヌクを芳た人も倚いかもしれない。実際、圌らはグラフィティ以来のストリヌトアヌトカルチャヌに十分に銎染みのある日本の䞖代に属しおいるだけでなく、メンバヌにグラフィティアヌティストもいるものの、その掻動はポップアヌト以来ストリヌトアヌトの名の䞋でも続けられおいる旺盛な商品ずセレブリティのむメヌゞの䜿い回しを退ける。同展のプレスリリヌスによれば、SIDE COREのストリヌトアヌトずは「郜垂システムに察しお個人ずしお小さなノィゞョンを介入させ」、ある皮の文化闘争ずしお「囜境や時代を超え」「予想できない誰かず繋がりを䜜り出す」詊みだずいう。 Photo: Kisa Toyoshima展瀺颚景より『東京の通り』2024幎 䌚堎の「ワタリりム矎術通」の展瀺空間最䞊階の倩井たでどころか、建築的な構造さえ利甚するこずを含み、展瀺スペヌス内郚に収たらない「CONCRETE PLANET」は、窓の倖の「キラヌ通り」を挟んで向かいの建物ぞ、䌚期䞭の䞀時期には囜道246号沿いの別䌚堎ぞず展開されるが、䟋えば、そびえ立぀ 『コンピュヌタヌずブルドヌザヌの為の時間』2024幎に顕著な具䜓性concretenessを䌎っお、それらすべおは䜜り出される。その意味で、SIDE COREの䜜品展瀺介入は、電子メディアにはびこる衚局的なむメヌゞの芖線の政治ぞ断固ずしお距離を取る。 Photo: Kisa Toyoshima展瀺颚景より『コンピュヌタヌずブルドヌザヌの為の時間』2024幎 実際の道路工事に䜿甚されおいるピクトグラム看板を集めたコラヌゞュ『東京の通り』2024幎は、支持䜓ず䞀䜓化し、「工事䞭」の珟堎に眮かれる䜜業員の人圢のように、たた郜内のいたるずころで続けられる工事そのもののようにその動きを止めるこずはない。向かっお䞀方の壁偎に耇数の県のごずく集められた自動車甚ヘッドラむトからの光は、前述のパむプ菅による倧型の音響圫刻モニュメント『コンピュヌタヌずブルドヌザヌの為の時』を貫き匷く反射し、䌚堎を移動する私たちの実際の鑑賞の仕草に圱響を䞎えるだろう。これらの䜜品の間には、アマルガム的ずもいうべき奇劙な焌き物『柔らかい建物、硬い土』2024幎が蚭眮されおおり、そこには「焌き物は人類が最初に䜜った産業廃棄物」であるずの説明が付けられおいる。 Photo: Kisa Toyoshima展瀺颚景より『柔らかい建物、硬い土』2024幎 『柔らかい建物、硬い土』の寡黙な――぀たり焌き物ずいう存圚が持぀時間に察する頑匷さは、その呚囲の、ずりわけストリヌトの玠材に぀いおたわるある皮饒舌な䜜品ずの違いを明らかにするこずでストリヌトVSコンテンポラリヌずいった二項察立を解陀し぀぀、䜜品
胜楜にむンスピレヌションを埗た展芧䌚「ケからZ ヌ胜楜、颚景、芳光ヌ」が東䞭野で開催䞭

胜楜にむンスピレヌションを埗た展芧䌚「ケからZ ヌ胜楜、颚景、芳光ヌ」が東䞭野で開催䞭

䞭野ずいえば「サブカルの聖地」、たたはディヌプな飲み屋街ずしお有名だが、隣の東䞭野から南ぞ足を延ばすせば、閑静な䜏宅街が広がっおいる。その䜏宅街に胜楜堂があるこずを知っおいるだろうか。東䞭野ず䞭野坂䞊の䞭間に、「梅若胜楜孊院䌚通」はある。 隣接するカフェバヌ「なかなかの」では、胜の鑑賞䜓隓にむンスピレヌションを受けお䌁画された展芧䌚「ケからZ ヌ胜楜、颚景、芳光ヌ」が2024幎9月14日土たで開催䞭だ。「胜楜」ず聞いお身構える必芁は党くない。䌚堎で手枡されるハンドアりトのテキストには、こうある。 Photo: cnmn 「胜は、珟実䞖界ず同じように、目の前で起こっおいるこずを様々な芳点から愉しみ、眺めるこずができたす。胜は䞊挔開始の合図などが明確にあるわけではなく、お調べから埐々に挔者が出揃い、おだやかに始たりたす。これは䞊挔される䞖界ず、わたしたちが生きる日垞䞖界が、実は地続きであるずいうこずを瀺しおいたす。コップの䞭の炭酞の気泡を眺めるこず、回っおいる掗濯機の䞭をずっず芋るこず、散歩しおいる時に移ろっおいく景色を芋るこず、森の䞭で朚がざわざわしおいるのを眺めるこずず同じように、胜を芳た時に感じるもの、思い浮かべるこずは自由でいいのです」原文ママ 胜は「この䞖ならざるものず出䌚う芞胜である」ずいわれおいる。この䞖ならざるものが珟れる䞖界は私たちの日垞ず぀ながっおいお、自由に芳お感じおよい。では、これを東䞭野ずいう街に適甚しおみよう、ずいう詊みだ。 Photo: cnmn 展芧䌚は、4人のディレクタヌず3人のコラボレヌタヌによるツアヌ、および蚘録展瀺によっお構成されおいる。ここではコラボレヌタヌの䞀人、速氎䞀暹はやみず・かずきによる䜜品『Chill bomb』ず、そのツアヌ「山手通りの倜景をちょっずだけ高みから眺めおみる」を玹介したい。 速氎は1996幎生たれ。ルヌルや偶然性を衚珟に取り入れ、「遊び」の芁玠をもっおしお様々な空間に展開する䜜品を制䜜しおいる。日垞の䞭で芋぀けた物や空間が持぀秩序に、衚珟手段ずしおの人為が介入するこずで立ち珟れる「かたち」ずしおの面癜さを远求しおいるアヌティストだ。 Photo: cnmn 展瀺䜜品『Chill bomb』は、文字通り「チル」するための装眮だ。プヌルの監芖台やテニスの審刀台のような高さに蚭けられた怅子に、祭りの山車からヒントを埗たキャスタヌや担ぎ棒が付いおいる。これを芳たい景色のある地点たで運び、腰掛けお景色を眺める。期間䞭の展瀺はそのチルの蚘録を読み解いお行く圢匏だが、ツアヌでは実際に『Chill bomb』を動かし、座っお街を眺めるこずができた。 2メヌトル近く高さのある造䜜のため、動かすために最䜎でも5人は必芁だ。たさに山車のように、参加者で協力しおチルポむントたで運んで行く。ただキャスタヌ付きの高い怅子を抌しお運ぶだけなのだが、それなりにボリュヌムがあり、動かすのにもコツがいる。そしお、協力しながらでないず運べないずなるず、次第に生たれおくるのが連垯感だ。䜕だか高揚感も湧いおくる。 Photo: cnmn 最初は自分の座る順番が来おも遠慮がちに早々ず降りおいたのが、埌半になるに぀れツアヌ参加者ずも䜕ずなく信頌関係もでき、怅子の䞊で飲み物を飲んでしっかり䌑憩できるようになっおくる。 怅子の䞊からは、坂道だったこずもあっお東京の街䞊みが遠くたでよく芋枡せる。だがそれよりも、怅子を降りおから気付かされる芖線の違いに驚く。生い茂る怍栜や、䞭倮分離垯が目に飛び蟌んでくる。「こ
10幎ぶりの囜内個展、島袋道浩「音楜が聞こえおきた」が9月23日たで開催䞭

10幎ぶりの囜内個展、島袋道浩「音楜が聞こえおきた」が9月23日たで開催䞭

䜜品の舞台ずなる堎所や事柄に、ナヌモアを持っお関わっおいくアヌティスト・島袋道浩したぶく・みちひろ。䜕の倉哲もなさそうな颚景から、生き生きずしたストヌリヌが芋えおくる。そんな島袋の䜜品を玹介する展芧䌚「音楜が聞こえおきた」が暪浜・新高島駅盎結の「BankART Station」で開催されおいる。ひずたび䜜品を䜓隓しおしたったなら、垰り道たでもがきっず楜しくなるはずだ。 島袋はベルリンで長く掻動しおいたため、囜内での個展は10幎ぶりずなる。島袋䜜品ず筆者の出䌚いもちょうどそのころだ。段ボヌル箱が自分の「人生」ならぬ「箱生」を関西匁で語る『箱に生たれお』2001幎を芋お、珟代アヌトにこんな楜しい䜜品があるのかず、矎倧生ながら衝撃を受けた蚘憶がある。 Photo: cnmn『音楜家の小杉歊久さんず胜登ぞ行く芋附島』2013幎 本展に出品されおいるのは、展芧䌚タむトルの通り、音楜にあふれた䜜品たちだ。これたで島袋は、野村誠や小杉歊久、アヌト・リンれむArto Lindsayなど、倚くの音楜家ずコラボレヌションを行っおきた。本展では、通路やカフェなども䜿い、音ず映像を䞭心ずした䜜品13点を展瀺しおいる。ここでは特に、『ヘペンチスタのペネむラ・゚・゜ンニャドヌルにタコの䜜品のリミックスをお願いした』2006幎を玹介したい。 「ヘペンチスタ」ずいうのは、即興で詩を歌うブラゞルの吟遊詩人のこずだそうだ。吟遊詩人ずいうず、しっずりずロマンチックに歌い䞊げるむメヌゞがあるが、このヘペンチスタは違う。䜓が思わず動いおしたうようなリズムで、ノリノリで歌っおくれるのである。本䜜は、タむトルの通り、そのヘペンチスタに島袋自身による「タコの䜜品」に぀いおリミックスを䟝頌したものだ。 「タコの䜜品」ずは、『そしおタコに東京芳光を莈るこずにした』2000幎ず『自分で䜜ったタコ壷でタコを捕る』2003幎の2䜜品のこずで、こちらもタむトルそのたたの行動が映像に収められおいる。そう聞くず「それが䜕になるんだよ」ず思うかもしれない。その通り、䜕にもならずに、最初のタコはすぐに死んでしたうし、捕たえたタコもそこにいた人々に玹介したら海に返すだけだ。 それでも、映像の䞭の島袋は、タコずの出䌚いを喜び、別れを惜しんでいるようにさえ芋える。぀たり、ずおも楜しそうなのだ。「ああ、タコか」ず䜕の感慚も持たず流すのか、「おおタコだ」ず玠盎な感動を受け入れるのか。「おおタコだ」ず思うこずの楜しさを教えおくれる䜜品たちだ。 Photo: cnmn『ヘペンチスタのペネむラ・゚・゜ンニャドヌルにタコの䜜品のリミックスをお願いした』2006幎 ヘペンチスタの䜜品に戻るず、肝心のリミックスではディスコミュニケヌションがあちこちで発生しおいる。「SHIMABUKUはすごい持垫だ」ずか。タコを捕っおいるずなれば持垫に芋えるのも仕方ないが。でも、それでもいいのだきっず。䞀般的に、コミュニケヌションに必芁ずされるような盞互理解ずいうこずは、ここでは求められおいない。䜕かポゞティブな感情を亀換するずか、差し出すずか、勝手に受け取るずか、そういうこずが倧事なのだろう。 島袋が本展の䜜品で取り組んでいる「音楜」ずいうものも、そういうものなのかもしれない。たずえば、雚音ずのセッション。たたたたそこにあるリズムず挔奏を合わせおみる。たたたた出䌚った遠い異囜のリズムに螊り出したくなる――。 Photo: cnmn『キュヌバのサンバ』2015幎 目の前にあるのに芋えおい
取り壊される旧束本垂立博物通で最埌のむベント、「マツモト建築芞術祭」が今幎も開催

取り壊される旧束本垂立博物通で最埌のむベント、「マツモト建築芞術祭」が今幎も開催

2022幎に始たった「マツモト建築芞術祭」の3床目ずなる開催が決定した。長野県束本垂にある耇数のノスタルゞックな建築物などを䌚堎に、アヌトを楜しむこずのできる同むベント。今回は「マツモト建築芞術祭2024 ANNEX」ず題しお、囜宝「束本城」の敷地内、二の䞞に䜍眮する「旧束本垂立博物通」をメむン䌚堎ずしお開催される。 Photo: Kisa Toyoshima池䞊癟竹亭 茶宀×ステファニヌ・ク゚ヌル2023幎床の展瀺  「名建築にアヌトが䜏み着くマツモトの冬。」をコンセプトに掲げる同むベントでは、叀い建築を掻甚するこずに力を入れおおり、これたでにも「旧開智孊校」「割烹 束本通」ずいった囜登録有圢文化財や、廃業した映画通「䞊土シネマ」などナニヌクな建物を䌚堎ずしおきた。今回のメむン䌚堎ずなる旧束本垂立博物通も2021幎に䌑通しおおり、取り壊し前の最埌のむベント開催ずなるそうだ。 Photo: Kisa Toyoshima割烹 束本通×犏井江倪郎2023幎床の展瀺 過去には鎻池朋子や石川盎暹、土屋信子、河合政之、五月女哲平、鬌頭健吟などの䜜品が出展されおきた。今回の参加アヌティストに぀いおは珟時点で未発衚だが、図曞通や博物通、ホテルなどを被写䜓ずした䜜品で知られるドむツの写真家、カンディダ・ヘヌファヌCandida Höferがメむンビゞュアルを手がけおいる。 䞀般入堎料2,000円の旧束本垂立博物通のほか、2023幎10月に新たに移転オヌプンした「束本垂立博物通」や信毎メディアガヌデンなども入堎無料の䌚堎ずなる。䌚期は2024幎2月23日金〜3月24日日の31日間。出展䜜家などの詳现な情報に぀いおは続報を埅ちたい。 関連蚘事 『マツモト建築芞術祭』 『7䞇パックの苺で䜜った倧人のためのメルヘンワヌルドがヒルトン東京に出珟」 『マツモト建築芞術祭でしかできない6のこず』 『束本は「屋根のない博物通」、新たな文化拠点ずなる博物通がオヌプン』 『麻垃台ヒルズの新たな「チヌムラボボヌダレス」4぀の新䜜ずは』 『垝囜ホテル二代目本通を蚭蚈したフランク・ロむド・ラむトの回顧展が汐留で開幕』 東京の最新情報をタむムアりト東京のメヌルマガゞンでチェックしよう。登録はこちら
須藀玲子「NUNO」の倧芏暡展が開催、ディレクションには霋藀粟䞀

須藀玲子「NUNO」の倧芏暡展が開催、ディレクションには霋藀粟䞀

「ニュヌペヌク近代矎術通MoMA」「メトロポリタン矎術通」「ノィクトリアアルバヌト博物通」など、䞖界の名だたるミュヌゞアムに䜜品が収蔵されおいるテキスタむルデザむナヌ・須藀玲子の倧芏暡個展「須藀玲子NUNOの垃づくり」が茚城県氎戞垂で開催される。 須藀率いるテキスタむル・デザむンスタゞオのNUNOが、40幎にわたっお生み出しおきたナニヌクな䜜品を玹介する同展。2019幎に銙枯のアヌトセンタヌ「Centre for Heritage, Arts and Textile​CHAT​」で䌁画・開催され、「ゞャパン・ハりス ロンドン」やスむスぞ巡回したものだ。 展瀺颚景「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles」CHATCentre for Heritage, Arts and TextileHong Kong、2019-2020 ©CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong テキスタむルプランナヌの先駆者だった新井淳䞀らずずもに、1980幎代に須藀が立ち䞊げたテキスタむルブランド「NUNO」は、日本各地の䌝統的な染織技術や職人らずの協業にこだわりながら、最先端技術を駆䜿した玠材開発など、垞に革新的なテキスタむルづくりに取り組み、囜際的な泚目を集めおきた。環境問題や、垃の再生・再利甚にもいち早く目を向けお掻動しおきたこずでも知られおいる。 「垃づくり」の舞台裏をむンスタレヌションで玹介  本展は、須藀が手がけた代衚䜜のテキスタむルだけではなく、デザむンの源泉や制䜜過皋からテキスタむルデザむンに泚目。デザむンの着想源からドロヌむング、原材料や補䜜サンプル、職人ずの詊行錯誀、生産の過皋たで、普段芋るこずのできない垃づくりの舞台裏を公開する。 たた、音や映像で「垃づくり」のプロセスを玹介するむンスタレヌションも登堎。工堎での生産の様子を、臚堎感をもっお知るこずができるだろう。䌚堎構成は建築家のたしろたさふみが担圓。アヌティスティックディレクションには、ラむゟマティクスでの掻動で知られる霋藀粟䞀珟パノラマティクス䞻宰が加わる。 《糞乱れ筋》に甚いられるニヌドルパンチ機郚分展瀺颚景「Sudo Reiko: Making NUNO Textiles」CHATCentre for Heritage, Arts and TextileHong Kong、2019-2020 ©CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile) Hong Kong 磯厎建築に珟れる「氎戞黒」の新䜜 さらなる芋どころは、磯厎新が蚭蚈した倧空間に珟れる、遊び心あふれるむンスタレヌション「こいのがり」だ。本展では、色ずりどりのNUNOオリゞナルテキスタむルに加え、䞋地に䜿われる藍染めの青みがかった独特な色が特城の「氎戞黒」の特別なこいのがりを新たに制䜜・展瀺する。氎戞黒は江戞初期から氎戞藩に䌝わる染色技法で、倧正時代に化孊染織の普及によっお途絶えた。しかし氎戞垂内の職人や地元の人々が、1970幎代から再珟ず継承に取り組んでいる。 海倖を巡回しおきた本展だが、囜内では銙川県の「䞞亀垂猪熊匊䞀郎珟代矎術通」での展瀺を経お、須藀の出身地である茚城県内で満を持しおの開催が実珟した。䌚堎ずなる「氎戞芞術通珟代矎術センタヌ」は、本展を䌁画したCHAT通長兌チヌフキュレヌタヌの高橋瑞朚が、200316幎に䞻任孊芞員ずしお勀務しおいたずころでも
「パラ」の枠を越えお、スロヌレヌベルず蓮沌執倪の新プロゞェクト

「パラ」の枠を越えお、スロヌレヌベルず蓮沌執倪の新プロゞェクト

音楜家の蓮沌執倪ずNPO法人スロヌレヌベルによる新しいプロゞェクト「アヌスピヌスィヌズEarth∞Pieces」の始動に䌎い、スロヌレヌベルの芞術監督・栗栖良䟝ず蓮沌によるオンラむントヌクサロンが2023幎12月20日に開催された。「倚様性ず調和」をうたい、さたざたなパフォヌマンスを展開しおきたスロヌレヌベルにずっおも初ずなる音楜プロゞェクトに぀いお、誕生の背景や2030幎たでの長期継続を芋据えた展望などが語られた。 画像提䟛認定NPO法人スロヌレヌベルEarth∞Pieces 栗栖ずいえば、「2020パラリンピック」の開閉䌚匏でステヌゞアドバむザヌを務めたこずで知られおいる。倚くの人が関わる倧舞台で、倚皮倚様な身䜓的特城や思考の特性を備えたパフォヌマヌたちが存分に才胜を発揮できるよう尜力した。「障害者だから」「障害者なのに」ずいったこずではない、玔粋にパフォヌマンスずしおの高い評䟡を埗た背景に、「スロヌムヌブメント」などの䜜品を通しお培っおきたスロヌレヌベルの蓄積があったろうこずは想像に難くない。 画像提䟛認定NPO法人スロヌレヌベル栗栖良䟝 蓮沌の倚岐にわたる掻動に぀いおは蚀わでものこずだが、栗栖ずの接点ずしおは、2020パラリンピック開䌚匏のために楜曲「いきる」を提䟛しおいる点が挙げられる。「蓮沌執倪フィル」ずしおも数倚くの人々ずの挔奏を続けおいるが、「倧地の芞術祭」で有名な新期県十日町垂で行われたプロゞェクトに栗栖はずりわけ着目した。「そこは、小孊校ず支揎孊校、発達支揎センタヌが䞀぀になった珍しい斜蚭です。䞀人䞀人が、楜噚挔奏だけじゃない自由な衚珟をできる」堎になっおいたず栗栖は話す。 画像提䟛認定NPO法人スロヌレヌベル蓮沌執倪 自身も行政による助成金や「パラリンピック」ずいう倧きな埌ろ盟がある䞭で掻動を続けおきたこずを振り返り、「アクセシビリティずサステナビリティの䞡立」が難しいず感じたずいう。「パラリンピックがあっお、『パラ』ずいう文脈でアクセシビリティに配慮したむベントは増えたした。しかし、倚くは助成金に䟝存しおいおサステナビリティがない。䞀方で、収益を䞊げおいお持続性のあるものは、障害に察する合理的配慮が行き届いおいないこずがほずんどです」。既存の構造䞋での䞡立は困難だから、ず䌁画したのが今回のプロゞェクトだ。 Photo: Keisuke TanigawaSLOW MOVEMENT ヌThe Eternal Symphony 1st mov.ヌ SDGsSustainable Development Goalsを匕き合いに出しながら、栗栖は「真の倚様性」のためにはアクセシビリティずサステナビリティの䞡立こそが重芁ずも語った。たしかにSDGsずいう蚀葉は、さたざたな瀟䌚課題が盞互に関連しおいるずいうこずを含意しおいる。SDGsの䞭のどれか1項目に取り組めばそれでいいずいうこずではなく、党おを包括的に改善するのでなければ解決はないずいうこずだ。 その意味で、「パラ」ずいう文脈に瞛られながらの助成金に䟝存した掻動に行き詰たりを感じたのかもしれない。スロヌレヌベルが2014幎から2020幎たでの3回にわたっお取り組んできた「ペコハマ・パラトリ゚ンナヌレ」に぀いおも、開催圓初から「3回で終える」ず発蚀しおきた裏には、「パラ」ずいう枠組みを取っ払い、党おの人々が同じ土俵で衚珟するこずを目指しおきたからだろう。 画像提䟛認定NPO法人スロヌレヌベル そのような意気蟌みで始たる本プロゞェクトの骚子は、公
テヌマは「SOURCE」、KYOTOGRAPHIE 2024のラむンナップ発衚

テヌマは「SOURCE」、KYOTOGRAPHIE 2024のラむンナップ発衚

2024幎で12回目の開催ずなる「KYOTOGRAPHIE 京郜囜際写真祭 2024」の参加アヌティストが発衚された。建仁寺などの寺院や新聞瀟ビルの地䞋宀など、京郜垂内各地のナニヌクなノェニュヌを䌚堎に、囜内倖のアヌティストを幅広く玹介しおきたKYOTOGRAPHIE。 報道写真やファッション写真から、写真ずいうメディアの圚り方に迫るメタ的な䜜品たで、写真むメヌゞを巡るさたざたな䜜品を展瀺する、囜内でも唯䞀無二の芞術祭だ。2023幎は音楜むベント「KYOTOPHONIE」ずしおマリ共和囜のレゞェンド、サリフ・ケむタSalif Keïtaのラむブなども開催し、倧きな話題を呌んだ。 Viviane Sassen, Eudocimus Ruber, from the series Of Mud and Lotus, 2017 © Viviane Sassen and Stevenson (Johannesburg / Cape Town / Amsterdam)   2024幎は「SOURCE」をテヌマに、生呜や䞖界の源を探求するような展芧䌚を開催する。13あるメむンプログラムの䜜家ずしおは、ファッションフォトグラファヌずしおも目芚たしい掻躍を芋せるノィノィアン・サッセンViviane Sassenや、ピカ゜のヌヌド写真を撮圱したこずでも知られるルシアン・クレルグLucien Clergueなど、有名アヌティストが発衚されおいる。   Nirto, Dadaab Refugee Camp, Kenya, from the series Where Children Sleep © James Mollison 南米アマゟンのダノマミ族の暮らしを蚘録するずずもにその文化ず暩利の保護に取り組んできたクラりディア・アンドハルClaudia Andujarや、孊校の校庭や子ども郚屋を通しお䞖界䞭の子どもたちが眮かれた耇雑な状況を想起させるゞェヌムズ・モリ゜ンJames Molison、「パリ囜立自然史博物通」にコレクションされた怍物の皮子を魅惑的なむメヌゞで提瀺するティ゚リヌ・アルドゥアンThierry Ardouinなどの䜜品も展瀺される。  Untitled, from the series "as it is", 2020 © Rinko Kawauchi 日本からは、写真集「地図」で日本写真史に名を刻む川田喜久治のほか、朮田登久子、川内倫子などが参加する。むラストレヌタヌのしたおたほの母である朮田による「My My Husband」シリヌズは、倫である䜜家の島尟䌞䞉や嚘ずの生掻を冷静に芋぀めた朮田自身の原点ずもいえる䜜品だ。 Tokuko Ushioda (1940) From the series My Husband ©Tokuko Ushioda, Courtesy PGI そのほか、KYOTOGRAPHIEの関連プログラムである「KG+」の昚幎の開催時に話題ずなった、むンドのトランスゞェンダヌシヌンに取材したゞャむシング・ナゲシュワラン Jaisingh Nageswaranや、モロッコでブレむクダンサヌずしおも掻動するペリダスダシン・アラりむ・むズマむヌリなども参加する。 © Yoriyas (Yassine Alaoui Ismaili) 䌚期は2024幎4月13日土〜5月12日日。2014幎もKYOTOGRAPHIEらしい、未知の䞖界を䌝えおくれる展芧䌚が期埅できそうだ。
建築や映像奜きは芋逃せない䜜品ばかり「京郜建築映像祭 2023」

建築や映像奜きは芋逃せない䜜品ばかり「京郜建築映像祭 2023」

䟋幎より少し遅い玅葉の芋頃を迎えようずしおいる京郜で、建築奜きにも映像奜きにも魅力的なむベント「京郜建築映像祭 2023」が開催されおいる。 今幎で3回目ずなる「京郜建築映像祭KAFF」は、「Kyotographie」や「Kyoto Experiment」をはじめ、玠晎らしい文化むベントがめじろ抌しの京郜にあっおは知名床や芏暡の点でこそただただ発展段階ではあるものの、初回の2021幎にはフランスを拠点に掻動する映像䜜家ベカルモワンヌが、日本を代衚する建築家の西沢立衛に取材したドキュメンタリヌ「TOKYO RIDE」を日本初䞊映するなど、どちらかずいうず玄人向けの刺激的なプログラムを毎床提䟛しおいる。 画像提䟛京郜建築映像祭過去の開催颚景 プログラムディレクタヌを務める写真家の田村尚子は、「医者」ず「患者」の関係を捉え盎すこずで粟神病院の圚り方に䞀石を投じたフランスのラ・ボルド病院を撮圱した写真集「゜ロヌニュの森」などで囜際的にも高い評䟡を埗おいる。 ラ・ボルド病院は、哲孊者ゞル・ドゥルヌズGilles Deleuzeずの䞀連の著䜜で珟代思想の流れを倧きく倉えた粟神科医フェリックス・ガタリFélix Guattariが終生関わり続けたこずでも知られる䌝説的な病院だ。「゜ロヌニュの森」においおもすでに芋られた写真ず建築の関係に察する田村自身の関心が、実践の堎ずしお展開されおいるのが「京郜建築映像祭」ずいえよう。 本展は、京郜垂京セラ矎術通開通1呚幎蚘念「モダン建築の京郜」展の関連プログラムずしお開催された、第1回ル・コルビュゞ゚の未来志向な集合䜏宅「ナニテ・ダビタシオン」やメタボリズム建築に光を圓おた第2回に続いお、今回は「未完の空間建築ずアヌカむブ」ず銘打ち、建築や郜垂、空間のアヌカむブに぀いお、囜内倖の䜜家や研究者を招いお思考を巡らせる。 2023幎11月24日には、アヌカむブの䞀぀の圢ずしお、建築にた぀わる曞籍をオリゞナルのコヌヒヌずずもに楜しめるラむブラリヌ空間「KAFFラむブラリヌ本の空間」が、四条烏䞞のビル䞀宀にオヌプンした。 画像提䟛京郜建築映像祭KAFFラむブラリヌ本の空間 優れた耐久性や環境ぞの負荷の軜さなどから、朚造の高局建築の材料ずしおも泚目を济びおいるCLT盎亀集成板材を甚いた什噚に䞊ぶのは、ルむス・カヌン建築の研究でも知られた故・前田忠盎京郜倧孊名誉教授の貎重な蔵曞をはじめ、矎術曞や建築曞籍を䞭心にセレクトされた皀芯本および関連曞籍など。 12月10日日たでずなる䌚期䞭には、CLT材の可胜性に぀いおのトヌクむベントや、12月2日土に新倧宮広堎で野倖䞊映を行うシンガポヌルの映像䜜家によるレクチャヌなどのむベントも、同所で開催予定だ。 メむンコンテンツの䞀぀ずしお泚目したいのが、リトアニアの珟代矎術䜜家ダむニュス・リシュケヌノィチュスによる䜜品「The Moden Flat」だろう。リトアニア代衚ずしお「ノェネツィア・ビ゚ンナヌレ」ぞの参加経隓もあるリシュケヌノィチュスによっお2023幎に䜜られた同䜜は、䜜家自身や家族の日垞的な生掻ず創䜜の颚景が入り混じり、それらが展開する舞台である家そのものが䞻圹ずなるような実隓的なドキュメンタリヌ䜜品だ。 リトアニア出身の映像䜜家ずいうずゞョナス・メカスJonas Mekasが真っ先に思い起こされるが、ほが半䞖玀の隔たりのある1970幎生たれのリシュケヌノィチュスによる日本初公開の新䜜にも期埅が高たる。12月9日土、京郜囜立近代矎術通の
䞖界的デザむナヌ、倉俣史朗の党貌に迫る展芧䌚が「䞖田谷矎術通」で開催

䞖界的デザむナヌ、倉俣史朗の党貌に迫る展芧䌚が「䞖田谷矎術通」で開催

透明なアクリルの怅子にいく぀ものバラの造花が閉じ蟌められた「ミス・ブランチ」、建築珟堎での足堎などに甚いられる゚キスパンドメタルのみを玠材ずしお軜やかさを衚珟した「ハり・ハむ・ザ・ムヌン」などで、20䞖玀のデザむン史に倧きな足跡を残した䌝説的なむンテリアデザむナヌ、倉俣史朗の倧芏暡個展が「䞖田谷矎術通」で開催されおいる。 PhotoKisa Toyoshima巊から「トワむラむトタむム」1985、「ハり・ハむ・ザ・ムヌン」1986 キャリアの絶頂期ずもいうべき56歳の若さで倉俣がこの䞖を去った1991幎から30幎以䞊の幎月が流れた珟圚、倩才の仕事の数々をたずたった量で芳られる本展はずおも貎重なものずいえよう。 PhotoKisa Toyoshima巊から「ランプオバQ[倧]、[小]」1972、「光の怅子」1969、「光のテヌブル」1969 2013幎に埌玉県立近代矎術通で開催された展芧䌚「浮遊するデザむン倉俣史朗ずずもに」では、高束次郎などの倉俣ず亀流があった矎術䜜家や、クラマタデザむン事務所出身のデザむナヌによる䜜品などもあわせお展瀺。そちらも興味深い内容であったが、今回は玔粋に倉俣のみにフォヌカスを絞っおいる点で満足床の高い展芧䌚ずなっおいる。 PhotoKisa Toyoshima展芧䌚颚景 展芧䌚堎に足を螏み入れるず、たず先述の「ハり・ハむ・ザ・ムヌン」などずずもに、「スタヌピヌス」の愛称で知られ、倉俣を代衚するむメヌゞの䞀぀ずしお芪したれおいる、人造倧理石に色ずりどりのガラスをちりばめた玠材で䜜られたテヌブル「トりキョり」などが広々ず配眮されおいお、開始早々に莅沢な空間を楜しむこずができる。 PhotoKisa Toyoshima 倧きな窓から砧公園の豊かな緑を望むこずのできる同宀は、日の移ろいずずもに差し蟌む光の質感も倉化しおいくので、倕暮れ時など異なる時間を狙っお䜕床も蚪れおみるのもいいだろう。 PhotoKisa Toyoshima展芧䌚颚景 バヌやブティックなど、数倚くの商業空間でのデザむンを手がけた倉俣。なかでも、犏岡垂のホテル「むル・パラッツォ」はアルド・ロッシAldo Rossiによる蚭蚈でも名高いが、4぀あったホテルバヌのデザむンを、倉俣や、倉俣も参加した囜際的なデザむナヌ集団「メンフィス」の䞭心的メンバヌの゚ットレ・゜ットサスEttore Sottsassらが担圓したこずでも話題を集めた。 PhotoKisa Toyoshima 倉俣が手がけたバヌ「オブロヌモフ」をはじめ、今はほずんどが倱われおしたった内装デザむンの数々も、スラむド写真で楜しむこずができるが、䜕ず蚀っおも本展のクラむマックスは「ミス・ブランチ」など、アクリル玠材を巧みに䜿甚した䜜品を倚数発衚した、最晩幎の仕事を玹介する最埌の展瀺宀だ。 PhotoKisa Toyoshima「ミス・ブランチ」1988 カラヌアルマむト凊理されたアルミパむプずアクリルでできた脚に乗る4点のビヌ玉がオパヌルガラスの倩板を危うげに支えるテヌブル「ブルヌシャンパン」や、わずかに着色されたアクリル暹脂のみで構成された姿がたるで光そのものがそのたた圢を取ったかのような印象さえ䞎える「カビネ・ド・キュリオゞテ」など、倉俣を代衚する䜜品が䞀堂に䌚する様子はたさに圧巻だ。 PhotoKisa Toyoshima展芧䌚颚景 56脚しか制䜜されなかったずいう「ミス・ブランチ」にいたっおは、富山県矎術通やアヌ
「日本䞭の矎術通がたねするだろう」、村䞊隆の8幎ぶり倧芏暡個展が京郜で開催

「日本䞭の矎術通がたねするだろう」、村䞊隆の8幎ぶり倧芏暡個展が京郜で開催

䞖界的なアヌティスト、村䞊隆による個展「村䞊隆 もののけ 京郜」の開幕たで3カ月を切った2023幎11月14日、京郜が誇る花街「祇園甲郚」の歌舞緎堎においお、同展の蚘者発衚䌚が倧々的に行われた。東京の「森矎術通」で開かれた「村䞊隆の五癟矅挢図展」以来、日本囜内では実に8幎ぶりずなる倧芏暡個展が京郜で開催されるこずを祝すように、同䌚は京郜固有の日本舞螊「京舞」の披露によっお幕を開けた。 Photo: Sakura Fushiki 珟代矎術展の蚘者発衚䌚ずしおは異䟋のオヌプニングだが、村䞊は自身の芞術ず京舞ずの間に通底する共通点を指摘する。「ファッションデザむナヌのNIGOさんに連れられお、芞姑祇園甲郚のげいこや舞劓たいこが京舞を披露する『郜をどり』芳た時に、いたく感銘を受けたした。奥行きのない舞台にもかかわらず深い奥行きを感じさせる舞台は、私の提唱する『スヌパヌフラット』ずいう抂念に通ずるものがありたす」 Photo: Sakura Fushiki 村䞊自身が䌁画し、2000〜2001幎に日本やアメリカを巡回した展芧䌚「スヌパヌフラット」では、日本矎術史䞊のさたざたな時代に珟れる平面性の匷い衚珟を、アニメやキャラクタヌ文化などに代衚されるポップカルチャヌや消費䞻矩ず結び぀けたこずが倧きな話題に。毀誉耒貶きよほうぞんを䌎いながらも結果ずしお䞖界の珟代矎術シヌンに無芖できない圱響を䞎えた。本展でも、曟我蕭癜や俵屋宗達など、䞻に江戞時代の京郜に瞁の深い絵垫たちによる䜜品を、独自に解釈・再構築した新䜜が倚数公開される。 Photo: Sakura Fushiki 蚘者䌚芋で村䞊ずずもに登壇した「京郜垂京セラ矎術通」事業䌁画掚進宀の高橋信也に぀いお、村䞊は「私が監督だずするず、脚本家を務めたのが高橋さん」ず話す。1970幎代埌半から1980幎代を通しお、日本の先鋭的な文化をけん匕したセゟングルヌプの矎術系曞店「アヌル・ノィノァン」を経お「NADiff」を立ち䞊げた高橋は、京郜生たれずいうこずもあり、矎術にも京郜の歎史にも深い知識を持぀。 Photo: Sakura Fushiki そんな高橋から村䞊に察しお、「掛䞭掛倖図」などの京郜の矎術史における重芁なテヌマを、いわば「お題」を出されるようにしお準備が進められおきた本展においお、出品される玄170点のうち倧郚分を占める160点ほどが新䜜ずいうから、䞡者の展芧䌚ぞの意気蟌みがうかがい知れよう。 Photo: Sakura Fushiki 日本矎術史に察しお、村䞊自身は「狩野掟がなくなっお以降、芳るべきものはほずんどない。ずいうのは、その1枚の絵を芳るためのツアヌ展が海倖からオファヌされるこずがない、ずいうこずです。私は孊生時代からそのこずを重く考えおきたした」ず語る。 「芞術起業論」などの著曞でも、䞖界に察しお䜜品をいかにブランディングしおいくかの詊行錯誀を説いおいる村䞊は、本展でも「ふるさず玍皎」を利甚したチケット販売や、倧芏暡な特蚭ショップの展開など、䜜品倖の仕掛けにも泚力しおいるずいう。「この展芧䌚が成功したら、日本䞭の矎術通がたねするようになる」ず、自信を芋せた。 そのように集客や売䞊に目を配る䞀方で、「私の䜜品を本圓に理解できる人は䞖界に50人ほどしかいない。そういう、芞術を芳る目の肥えた人に恥じないような䜜品を私は䜜っおいる」ずも語る。 蚘者発衚䌚で配られたものの䞭には、村䞊版「颚神雷神図」の颚神ず雷神をかたどったアむシングクッキヌなども含たれおいた。「か぀お俵屋宗
束本は「屋根のない博物通」、新たな文化拠点ずなる博物通がオヌプン

束本は「屋根のない博物通」、新たな文化拠点ずなる博物通がオヌプン

2023幎10月7日、長野県束本垂に「束本垂立博物通」がオヌプンした。同通は、日露戊争ぞず出埁した「開智孊校」の卒業生たちが持ち垰った資料を保存・展瀺する斜蚭ずしお1906幎に開通した「明治䞉十䞃、八幎戊圹玀念通」にルヌツを持぀。 これたでにも幟床の移転を経おきたが、束本城の二の䞞にあった斜蚭を2021幎に䌑通。か぀お䞉の䞞があった゚リアぞず堎所を移し、垂民や芳光客にずっおより芪しみやすい博物通ずしお装いを新たにした。 本蚘事では、博物通に収蔵されおいる資料だけに泚目するのではなく、束本垂党䜓が「屋根のない博物通」ずコンセプトに掲げる同通の魅力を玹介する。 Photo: Yuki Yokosawa JR束本駅に降り立った芳光客の倚くが、囜宝にも指定されおいる「束本城」ぞず向かう際に通る倧通り沿いに新築された同通は、近隣の建築ず比べおも䜎い3階建おだ。開攟感のあるガラス窓に芆われたファサヌドで、歎史を感じさせる町䞊みに嚁圧感を䞎えるこずなくマッチしおいる。 Photo: Yuki Yokosawa 21時たで䜿甚できる1階郚分には、束本垂で人気のコヌヒヌスタンド「ハむファむブコヌヒヌスタンドHigh-Five COFFEE STAND」が運営するカフェが入居しおおり、怅子にも束本民芞家具が䜿われおいるなど、新旧織り亀ぜた同垂の魅力が感じられるようになっおいる。 Photo: Yuki Yokosawa 暙高の高い地域特有の柄んだ光が、倩井たで届く倧窓から差し蟌むロビヌには、同地に䌝わる手工芞品「束本おたり」をモチヌフずしおあしらったモビヌルが備え付けられおいる。 江戞時代には、䞻に童女の遊具ずしお党囜的に芪したれおいた「手たり」だが、ここ束本では色や柄に特城のあった「束本おたり」の再珟に泚力しおきた歎史がある。ずもするず歊家の町ずいう印象の匷い束本城䞋町に、愛らしい印象を添えるシンボルずしお垂民からも芪したれおきた。 Photo: Yuki Yokosawa 束本城䞋町の巚倧ゞオラマを垞蚭展 肝心の展瀺では、この床、新たに制䜜された束本城䞋町の巚倧ゞオラマが垞蚭展瀺されおいる。 Photo: Yuki Yokosawa 珟圚の束本垂街地は明治期の倧火や近珟代の開発によっお倧きく倉わっおおり、江戞時代から続く束本城䞋町の姿を正確に䌝えるものではない。そこで今回の博物通リニュヌアルに圓たり、江戞時代埌期の城䞋絵図をもずに叀い写真や建築図面などの情報を垂民に広く募り、ゞオラマ制䜜に乗り出したずいう。そうしお完成したゞオラマは、瞮尺が玄300分の1、瞊玄8.6メヌトル、暪玄5.2メヌトルずいう、城䞋町のゞオラマでは最倧玚の芏暡に仕䞊がった。 Photo: Yuki Yokosawa そのほか、枩泉に぀いおの資料が豊富な「開かれた盆地」や、今なお続く新春の名物行事「束本あめ垂」を玹介する「にぎわう商郜」など、8぀のテヌマで構成される垞蚭展瀺には、最奥郚に「ずもにある山」コヌナヌが蚭けられ、「岳郜」ずしおの束本の魅力を倚角的に取り䞊げおいる。 Photo: Yuki Yokosawa Photo: Yuki Yokosawa 先述の束本おたりや「みすず现工」など、工芞の町でもある束本の手工芞品に぀いおも、同通3階にある垞蚭展瀺で぀ぶさに孊ぶこずができる。 Photo: Yuki Yokosawa 2階は特別展瀺宀ずなっおおり、その時々の䌁画による展瀺を行う。12月10日日たで開催䞭の特別展では、生産量が日本䞀であ
真鍋倧床4幎ぶりの個展「EXPERIMENT」に぀いお知っおおきたい5のこず

真鍋倧床4幎ぶりの個展「EXPERIMENT」に぀いお知っおおきたい5のこず

アヌト䜜品ずしお結実させるこずで、最先端テクノロゞヌの可胜性を䞖に提瀺し続けおいるクリ゚ヌティブチヌム「ラむゟマティクス」の代衚を務める真鍋倧床。囜内倖でさたざたな賞を受賞し、䞖界的な評䟡を高めおいる真鍋による4幎ぶりの個展が、山梚県の北杜垂で2023幎5月10日氎たで開催されおいる。 「枅春芞術村」にある「光の矎術通」をメむン䌚堎ずしお開催される同展は、決しお倧芏暡な空間むンスタレヌションを楜しめるような展芧䌚ではないが、皀代のクリ゚ヌタヌ真鍋の珟圚進行系の思考をたどるこずができる。 PhotoKisa Toyoshima光の矎術通 1. 粘菌の動きに取り蟌たれる。 メむン䌚堎である光の矎術通に入るず正面に芋えおくるディスプレヌ䞊で展開されおいるのは、「粘菌」のナニヌクな振る舞いからむンスピレヌションを受けた䜜品『Telephysarumence』だ。民俗孊や生物孊など、さたざたな分野で䞊倖れた才胜を発揮した博物孊者、南方熊楠による研究で知られ、研究者のみならずファンの倚い粘菌だが、特定の生物皮を指す蚀葉ではない。 PhotoKisa Toyoshima『Telephysarumence』 ここでは、脳を持たないにもかかわらず、呚囲の環境にも圱響されながら集団を自己組織化しおいくずいう、粘菌の独特な動きにフォヌカスを圓おおいる。来堎者の動きを解析し、粘菌のシミュレヌタに入力するこずで、むンタラクティブな映像ず音声を生成する。 PhotoKisa Toyoshima 2. 真鍋倧床の実隓に加わる。 前項で玹介した『Telephysarumence』でも、コンピュヌタヌ䞊で粘菌の動きを暡倣するシミュレヌタではなく、ゆくゆくは遠隔地に生きる本物の埮生物ずのむンタラクションを目指しおいるずのこずだが、本展では、そのような思考の過皋ずも呌ぶべき䜜品が4぀展瀺されおいる。 PhotoKisa Toyoshima䜜品を解説する真鍋倧床 『dissonant imaginary』ずいう䜜品では、人間の脳掻動を機械孊習によるパタヌン認識で解析するこずで、心の状態を解読するこずを目指す「ブレむン・デコヌディング」ず呌ばれる技術を甚いお、真鍋が制䜜した音楜を聎いた被隓者の脳情報から生成した映像をディスプレヌに衚瀺しおいる。 PhotoKisa Toyoshima『dissonant imaginary』ず『Cells:A Generation』 ラットの神経现胞が環境を孊習しおいく仕組みを甚いお絵を描かせるずいう䜜品『Cells: A Generation』では、本物そっくりの圢状になるように现胞を培逊させる「オルガノむド」ずいう技術を甚いお、いずれ真鍋自身の脳オルガノむドによっお画像や音楜を生成させるこずが目指されおいる。 このように、蚘者䌚芋で真鍋自身が「蚀い蚳めいた」ず話す個展タむトル『EXPERIMENT』の通り、完成床の高い倧䜜ずいうよりは、今たさにリアルタむムで進行しおいる「実隓」ずいった方が適切な展芧䌚ではあるが、今埌の真鍋の掻動を考える䞊で興味深いものになっおいる。 3. 光の矎術通は䜎レむテンシで眺める。 PhotoKisa Toyoshimaサテラむト䌚堎の様子 サテラむト䌚堎の「長坂コミュニティ ステヌション」にも展瀺されおいる『Teleffectence』は、同地ずメむン䌚堎を、゜フトバンクの最先端の通信技術で結ぶ䜜品だ。「レむテンシ」ず呌ばれるデヌタを転送する際にどうしおも生じおしたう遅延時間は、