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Shintaro Kumihashi

Shintaro Kumihashi

Articles (1)

東京、ビリヤニ6選

東京、ビリヤニ6選

タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、ビリヤニ6選 インド亜大陸地域で親しまれている、スパイス香る炊き込みご飯のビリヤニ。調理工程が複雑ながらも一皿で完結する完成度の高さからスパイス料理の総合芸術と呼ばれることもある。 実際に食べてみると、ふわっとぱらっとした食感や口に広がるスパイスの香りと具材のうま味、一口ごとに変化する風味のグラデーションは、ほかの料理では得られない幸福感をもたらしてくれる。スパイス料理の奥深さを教えてくれるのがビリヤニだ。 近年提供する料理店も増え親しみやすくなってきた。食べ歩き、食べ比べて魅惑のビリヤニの世界に足を踏み入れよう。 関連記事『東京、スパイスカレーの名店5選』『西葛西、プチインド旅行ガイド』

News (4)

一期一会の味極める「流しのビリヤニ スタンド」が日本橋にオープン

一期一会の味極める「流しのビリヤニ スタンド」が日本橋にオープン

都内を中心に、飲食店とのコラボレーションや音楽フェスティバルなどのイベントで炊き立てのビリヤニを提供する「流しのビリヤニ」。一期一会のビリヤニを作り続けてきた専門店として、2022年11月14日に実店舗「流しのビリヤニ スタンド」を日本橋・小伝馬町エリアにオープンした。 Photo: Keisuke Tanigawa 「流しのビリヤニ」とは? 「流しのビリヤニ」は、奈良岳(なら・がく)によるビリヤニ炊き出し活動の屋号。自身の店舗を持たず、間借り営業でもない「流し」という方法で2017年から活動を続けている。 ビリヤニとの出合いは小学1年生の頃。パキスタン人のパートナーを持つ叔母がふるまってくれた料理の中にビリヤニがあり、自然な形で、何気ない日常の食事として口にしていたという。 Photo: Keisuke Tanigawa そこから時はたち、ビリヤニを作り始めたのは6年ほど前のこと。中学生の頃に叔母が海外へ引っ越したことでビリヤニを食べる機会がなくなったが、会社員として仕事に打ち込む生活の合間にふとその味を思い出し、都内でビリヤニが食べられる店を探して食べ歩きを始める。が、叔母の味を超えるビリヤニに出合えない。 それならばと自身で作るようになり、運営していたシェアハウスの住人や友人に試作をふるまうようになった。それを食べた飲食店を営む友人から「うちでぜひ」と声がかかりポップアップ店として営業し、そこで食べた人からまた声がかかり……。と、縁がつながり「流しのビリヤニ」としての活動がスタートした。 Photo: Keisuke Tanigawaビルの2階が「流しのビリヤニ スタンド」。1階にあるおむすびスタンド「アンドン(ANDON)」の脇にある階段を上る 香りを食べて、余韻を楽しむ 会社員のかたわら、およそ月2回のペースで、これまで50カ所以上で活動してきた流しのビリヤニ。毎回違う環境で炊き上げ、確実に腕を磨いてきたものの、風味をより高いレベルで安定させたいという思いはあったという。今春から本業がフリーランスになったという状況も後押しして、今回の実店舗オープンが実現した。 流しの活動もこれまで通り行いながら、店舗では平日のランチと金・土曜日のディナーで、チキンまたはマトンを軸に、週替わりのビリヤニ(ライタ付き1,200円から、税込み)を提供する。 Photo: Keisuke Tanigawa 取材日はチキンビリヤニ。スタンダードではあるが、辛さよりもカルダモンやシナモンの爽やかな香りと優しいうま味が口に広がり、しみじみとうまい。 奈良いわく「ビリヤニは香りを食べる料理」。パンチの強さに頼らず、スパイスと素材の風味を引き出したメニューは、ビリヤニという料理の魅力を改めて教えてくれるはず。食べ終わった後の余韻も最高だ。 当面はスタンダードなチキンかマトンだが、フレンチの技法を取り入れたエビのビリヤニや、うま味と独創性があふれるイカスミのビリヤニなど、これまでの流しのビリヤニで提供してきたメニューも展開していくことを想定している。 Photo: Keisuke Tanigawa Photo: Keisuke Tanigawa アルコールとのペアリングも重視 平日のランチはビリヤニ一本勝負だが、土・日曜日のディナーではアルコールも楽しめる。流しの活動を通して出合ったジンや焼酎を取りそろえ、ペアリングをより楽しめるようスパイスはグレードが高いものを使用して、リッチなビリヤニを炊き上げる。 Photo: Keisuke Tan

根津の「チャングラ」でネパール料理の魅力を堪能

根津の「チャングラ」でネパール料理の魅力を堪能

街にあるインド料理店の多くが「インド人ではなくネパール人の経営」という事実が徐々に認知され始めたと同時に、ネパール料理の認知度もじわじわと高まっているように感じる。とはいえ専門店はまだ多くはない印象だが、2022年6月1日にネパール本場の食事が楽しめるレストラン「チャングラ」が根津にオープンした。 Photo: Keisuke Tanigawa 食材を生かすスパイス使い 場所は、根津駅から徒歩2分の下町情緒あふれるエリア。モダンな店構えのチャングラは、一見今っぽいおしゃれなカフェのようだが、その実は「ダルバート」を中心に、奥深いネパール料理の魅力を感じさせてくれる本格的なネパールレストランだ。 Photo: Keisuke Tanigawa ダルバートとはネパール式の定食のこと。ダル(豆のスープ)と、バート(ライス)でダルバート。そこにカレーやタルカリ(野菜のスパイス炒め)、サーグ(青菜の炒め物)などが付き、さまざまなスパイスの妙を味わうことができる。 北インドのターリーや南インドのミールスなど、各エリアに定食スタイルのプレートがあるが、食材が映えるような優しいスパイス使いで、どこか日本的な味覚に訴えかけるような滋味深さがダルバートの特徴である。 「チャングラセット」(Photo: Keisuke Tanigawa) ネパール風ピザも付く豪華なセット まず注文すべきは「チャングラセット」(2,200円、以下全て税込み)。ダルバートにチャタマリ(ネパール風の米粉ピザ)がプラスされ、ドリンクとデザートが付いた贅沢な一皿。 最初に運ばれてくるのはダルバートではなく、チャタマリだ。 「ネパール料理なのにピザ?」と思うかもしれないが、現地ではストリートフードとして親しまれており、程よいボリュームで前菜からネパールの食文化を感じさせてくれる。 チャタマリ(Photo: Keisuke Tanigawa) 日本人好みの滋味深い味わい 肝心のダルバートだが、バートは日本米、バスマティライス、マルシ(ネパールの赤米)の珍しいブレンドで香りが豊か。ダルもウラド、マスル、ムングの3種をミックスし、バターとジンブーを使った優しく奥行きのある味わいに仕上がっている。 Photo: Keisuke Tanigawa カレーはチキンかマトンから選べるが、おすすめはマトンだろう。辛さは控えめで、仕上げに散らしているのはパクチーではなくネギ。間口は広いものの、シンプルなスパイス使いでマトンのうま味を引き立て、食感も柔らかく上品な味わいで完成度が高い。「チャングラセット」ではライスの上に乗ったセクワ(チキン串)が味わえることを考えると、カレーはぜひともマトンを選んでみてほしい。 ジャガイモのヨーグルトスープであるチュカウニをはじめそのほかの副菜も、派手さこそないがあくまで素材がメインになるような香りと味わい。それぞれを単品で、または混ぜながら食べ進めると、満足感がじんわりと全身に染み渡っていく。 Photo: Keisuke Tanigawa 食事の後は「ネパリ チヤ」(ネパールのチャイ)か「モヒ」(ネパールのラッシー)と、シクルニというヨーグルトのシャーベットで締めよう。料理もヘルシーだがデザートも甘さ控えめですっきりとした食後感が味わえる。端から端まで上品で深く、ランチセットながらコース料理並みの満足感が得られるはずだ。 Photo: Keisuke Tanigawa より奥深いネパール料理の腕をふるうのはもちろんネパール人シェフ。自国の料

日本が誇るインド宮廷料理店「マシャール」が大森にオープン

日本が誇るインド宮廷料理店「マシャール」が大森にオープン

2022年7月1日、大森に北インドの宮廷料理を提供する「インド宮廷料理Mashal(マシャール)」がオープンした。インド料理と聞いて、丸い皿からはみ出んばかりのナンとこってりしたバターチキンカレー、つまりは「北インドのカレー」を思い浮かべていたのは昔の話。今は南インドや西インド、インド亜大陸まで視野を広げ、ネパールやスリランカなど各地域のスパイス料理が楽しめる時代になった。 北インド料理への注目は細分化により分散されたが、さまざまな地域の料理を食べ比べることができる今だからこそ、改めてじっくりと味わういい機会かもしれない。「マシャール」は最高峰の宮廷料理でその期待に応えてくれる。 Photo: Keisuke Tanigawa 超一流シェフによるムグライ料理 シェフは16歳から料理の道を歩み、デリーのカリームホテルやムンバイのタージマハルホテルでチーフシェフを務めたモハメド・フセイン。来日して38年、赤坂タージインドレストランやアジャンタ、シターラなどで腕を振るい、彼を師と仰ぐシェフも多い、インド料理の達人だ。 モハメド・フセイン(Photo: Keisuke Tanigawa) 「マシャール」ではフセインが長年腕を磨いてきた「ムグライ」料理がメインとなる。ムガル帝国時代(16~19世紀)に北インドの貴族のための食事が発展した料理で、カレーもビリヤニもタンドール料理も、ナッツや生クリーム、ギー(バターオイルの一種)によるリッチな味わいと、ふんだんに用いられるスパイスの贅沢な香りが特徴的だ。 席によってはフセインの手さばきが垣間見えることも(Photo: Keisuke Tanigawa) その中でもフセインが作る料理は、全てが華やかで上品。熟練のテクニックにより流れるように調理が進むが、その一つ一つが丁寧で、香りと風味、色味までが細やかに整えられて理想の料理が作られていく。美しい盛り付けも相まって、その贅沢さを体感することができるはずだ。 Photo: Keisuke Tanigawa 絵画はインド料理ユニット、マサラワーラーのメンバー、アーティストの武田尋善(たけだ・ひろよし)によるもの(Photo: Keisuke Tanigawa) 店の立ち上げ計画は2021年3月。コロナ禍の影響もありフリーになったフセインと、アジャンタで同僚だったアリ・三貴子の2人で、中にはプロ向けのものもある料理教室を中心に、カジュアルなスタイルで新たなファンも増やしてきた。オープン前から実施しているクラウドファンディング(8月23日(火)まで継続中)は開始45分で目標達成になったという。 Photo: Keisuke Tanigawa タンドール(インド式の円筒型の窯)料理が充実したランチタイムは、好みのカレー1種にナンかライス、タンドーリーチキンとフィッシュティッカとシークカバブそれぞれ1ピースが堪能できる「タンドーリーランチ(2,398円、税込み)」がおすすめだ。インド料理だけでなく西洋料理にも精通するフセインだが、特にタンドール窯の扱いは秀逸で、ナンやタンドーリーチキン、シークカバブなどを最適な火加減で焼き上げる。 Photo: Keisuke Tanigawa   Photo: Keisuke Tanigawa カレーは濃厚でコクのある北インドのものが多く、例えばマトンコールマーはコンフィされてほろほろの骨付きマトンにうま味と香りが詰まったこってりとしたグレイビーソースがかかり、ミックスベジタブルはジャガイモやインゲン、カリ

旧ヤム邸が挑むカレーの魅力を引き出した新店とは

旧ヤム邸が挑むカレーの魅力を引き出した新店とは

旧ヤム邸は、独創性に富んだ大阪のカレー界の中心的存在だ。2015年に東京進出(下北沢店)しているが、2020年にオープンした六本木店に続き、2021年7月21日にカレーとくつろぎ 旧ヤム邸 かまくら荘が開店。また8月30日には、日比谷にスパイスたこ焼き店タコムマサラダイナーとのコラボレーション店、旧ヤム邸×タコムマサラが出店を果たした。 Photo: Keisuke Tanigawa なぜこのタイミングで一方は鎌倉に、一方はたこ焼き店とコラボという形で立て続けに出店をしたのか。旧ヤム邸のルーツにも触れながら旧ヤム邸オーナーの植竹大介、かまくら荘店長の黒澤克浩、タコムマサラダイナーオーナーの藤田一也の3人に話を伺った。 鎌倉ならではのカレー作り  旧ヤム邸のカレーの最大の特徴は独創性。日替わりや月替わりに象徴されるようにバリエーション豊かで、それを支えるのはシェフの腕と発想の柔軟さだ。さらにかまくら荘には、鎌倉野菜やシラスをはじめとした魚介類といった、豊富で鮮度の高い食材のメニューがある。かまくら荘では、店長である黒澤が毎朝地元の市場に足を運んで食材を買い付け、食材の良さが最大限に生きるように腕を振るう。 Photo: Keisuke Tanigawa メニューはそばちょこに入った月替わりのカレーと、近海で採れるアカモクのピクルスがベースになり、2種の日替わりカレーを好みで組み合わせて注文。トッピングとして釜揚げシラスの追加もできる。この日の月替わりは『季節野菜とココナッツのチキンカレー』で、そのほか『プルーンとナッツのエビだしマンゴー鶏キーマ』と『山椒香るハニーサグのスパイシー牛豚キーマ』の2種の日替わりカレーだった。 旧ヤム邸 かまくら荘店長の黒澤(Photo: Keisuke Tanigawa) それぞれのカレーの風味もさることながら、強く印象に残るのは野菜の滋味。「鎌倉の食材とカレーはこんなにも合うんだということを伝えたい」という黒澤の言葉通り、スパイスの豊潤(ほうじゅん)な香りに負けることなく食材のうま味をより引き出し、1口目から贅沢な気持ちで満たしてくれる。 その土地の良さが詰まったメニュー 旧ヤム邸の店づくりのコンセプトはその土地らしさを大事にすること。食材を生かして独創的なカレーを作る、旧ヤム邸のポテンシャルが最大限に発揮できる鎌倉は、関西育ちの植竹から見ると「神戸と京都のいいとこどり」のような印象があるという。 旧ヤム邸オーナーの植竹(Photo: Keisuke Tanigawa) 自然と食材に恵まれ、ローカルでありながら都会的でもあるかまくら荘は、古民家を生かしたくつろぎの空間が特徴だ。頭の中にあるイメージを形にして、植竹や黒澤を中心に自分たちの手で可能な限りのリノベーションを行っている。 Photo: Keisuke Tanigawa Photo: Keisuke Tanigawa 店内のアンティーク家具は「古いものに囲まれていると落ち着く」と植竹が自宅に置いていたものを持ち込んだそう。憧れの町で、とことん旧ヤム邸らしさを詰め込んでいる。現実から少し離れたような心地よい空間で、物理的にもスペースを広く使っているので、存分に心と体を和ませることができるだろう。 たこ焼き店とコラボした日比谷出店 鎌倉進出の一方で日比谷への出店にも注目したい。それも、たこ焼き店とのコラボレーションだ。ここだけを切り抜くととっぴな印象を受けるが、やりたいことを実現するための動きだという。 タコムマサラダイナーのオ

経堂の南インド料理店「スリマンガラム」2号店が祖師谷大蔵にオープン

経堂の南インド料理店「スリマンガラム」2号店が祖師谷大蔵にオープン

「インド料理」と一口に言ってもインドは広く、気候や地形や宗教などが影響し合い、各地域ごとで異なる食文化が発展している。すっかり市民権を得た南インド料理も多様にあるが、経堂にはスリマンガラムという、南インドのタミル・ナードゥ州南部チェティナード地方の料理を専門に扱う人気店がある。 その2号店、スリマンガラム A/C(Sri Mangalam chettinad restaurant(veg/non veg)A/C)が、2022年5月3日、祖師ヶ谷大蔵にオープンした。 Photo: Keisuke Tanigawa 南インドへトリップする現地スタイル 店名にもある「A/C」とはエアコンのこと。暑い時期に気温が40度にも達するインドでは、「A/C」(エアコン付き)、「non A/C」(エアコンなし)をレストランやホテル、タクシーなどが表記している。エアコン付きは涼しく快適、つまり良いサービスを提供するということでもあり、現地スタイルで店名に冠したそう。  Photo: Keisuke Tanigawa 店構えも現地感があふれ、入り口に日本語の表示はない。地下へ降りていくと、目が覚めるほど明るく広い店内にテーブルがずらりと並ぶ。スパイスの香りが押し寄せてきて、まるで「インドに来た」かのようなトリップ感に心が踊らされる。 インド料理ユニット、マサラワーラーのメンバーで、アーティストでもある武田尋善(たけだ・ひろよし)による壁画が出迎え(Photo: Keisuke Tanigawa) バナナリーフに盛られるごちそうを堪能 料理のメインは経堂店と同じくオーナーシェフのマハリンガムの故郷であるチェティナード地方の料理で、特徴の一つはスパイス使いだ。 貿易や銀行を仕事にしていた商人たちによって栄え、スリランカやミャンマーなど近隣の国へ働きに出た彼らが持ち帰った食文化が融合してできたのが、この地域の料理。ふんだんにスパイスを使うので、豊潤な、かといってきつくないカルパシやスターアニス、ポピーシードなど、ほかの地域のインド料理にはあまりない香りと出合えたりもする。 Photo: Keisuke Tanigawa 基本的なラインアップも経堂店と同じ(ビリヤニやティファンは現在は経堂店のみ)だが、大きく違うのは提供スタイル。メインのミールスだけでなく、全ての料理がバナナリーフに盛り付けられる。マハリンガムいわく「オールバナナリーフは日本で初めて」とのことで、郷土の暮らしや文化への愛を感じる。 ランチはミールスのみ。ベジタブルオンリーかノンベジタブルを選び、その上で基本の盛り付けのみの『リミテッド』か、おかわりが自由にできる『アンリミテッド』かを決める。  軽い口当たりのポンニライス(タミルでよく食べられる米)を中心に、サンバル(豆と野菜の煮込み)やラッサム(酸味のあるスープ)、ポリヤル(野菜の炒め物)、クートゥ(ポタージュ)、ノンベジならカレーも付き、大ぶりなバナナリーフいっぱいに豊かな香りの料理がたっぷりと盛り付けられる。 明るくユーモアのあるシェフのマハリンガム。遊び心が店内の随所にちりばめられている(Photo: Keisuke Tanigawa) 食べ方に決まりはない。それぞれを単体で味わう、いくつかを混ぜるなどさまざまな組み合わせを試しながら、うま味と酸味、辛味、香りを自分好みのバランスを探っていく。この自由さはとても心地よく、なんといってもうまい。 見た目はなんとも贅沢だが、野菜が多いこともあり胃には優しく、食欲をそそる刺激的な香りとう

中目黒アディから香り高いネパール茶葉のチャイ専門店が誕生

中目黒アディから香り高いネパール茶葉のチャイ専門店が誕生

2022年3月5日、中目黒にティーハウスのチャバ(CHIYA-BA)がオープンした。オンラインでネパール産の茶葉を販売していたブランドの初となる実店舗で、茶葉とスパイスの香り豊かなチャイとグラノーラやドーナツなどの軽食をじっくりと堪能できる。 Photo: Shintaro Kumihashi ネパール産の茶葉の魅力を発信 運営は、チャバから目と鼻の先にあるモダンネパール料理店のアディ。ブランド立ち上げのきっかけは、オーナーシェフであるアディカリ・カンチャンが、ヒマラヤの標高2300メートルにあるバンチャー地方の茶葉農園を訪問したことから始まる。気温、雨量、土壌ともに栽培に適した条件と、丁寧な手仕事による茶葉の品質は素晴らしく、現地の茶畑の中で飲んだ味わいに感動したそうだ。 Photo: Shintaro Kumihashi   その後2017年に前身となる茶葉ブランド『TEAAMOR』がスタートし、クラウドファンディングやイベントで茶葉を販売。2019年のリブランディング後はオンラインやアディ店頭での販売だけでなく、アディに併設されたチャイスタンドでもその魅力を発信してきた。 茶葉を楽しむ、心地よい場づくり 店名の「CHIYA-BA」について。「CHIYA」はネパール語で茶、「BA」は葉と場を指し、「茶葉を通した場づくり」というコンセプトが込められている。 Photo: Shintaro Kumihashi アディ併設のチャイスタンドが専門店として再オープンしたわけだが、格式ばった雰囲気ではなく、センスの良い店構えとスタンドのような気軽さがありとにかく居心地がいい。店先、カウンター、その裏にあるラウンジ的なくつろげるスペース。いつ誰が訪れてもチャイを飲みながら一息つくことができる懐の広さがある。 Photo: Shintaro Kumihashi 出来立てのチャイの香りは別格 まず試してほしいのは、なんといってもチャイだ。茶葉はチャイに適したCTC製法のネパール産アッサム。シナモン、カルダモン、ブラックペッパー、ショウガをベースに、その日の気候に合わせてブレンドするスパイスの香りが紅茶の風味とミルクの甘さを引き立ててくれる。 Photo: Shintaro Kumihashi Photo: Shintaro Kumihashi ちなみにカンチャンが初めに感動したのは、白茶と呼ばれる紅茶の中でも加工工程が少なく茶葉のポテンシャルが最も感じられるもの。メニューではヒマラヤンホワイトがそれにあたり、店頭でも味わえる。茶葉の購入もできるので、ぜひ一度堪能してみてほしい。 新感覚のチャイ×グラノーラ せっかくなら軽食もあわせて楽しみたい。最もCHIYA-BAらしいのは、グラノーラにマサラチャイをかけて食べるグラノーラチャイボウル。温かいチャイがグラノーラに程よく絡み、香ばしさ、スパイスの香り、サクサクした食感を一度に味わうという食体験は新しい。 Photo: Shintaro Kumihashi ほかにも、レモンとポピーシード、オレンジマーマレード、リンゴとカルダモンスコーンや、季節ごとの風味を楽しめるビーガンドーナツなど、白茶含めストレートティーとも合わせて食べたいメニューが並ぶ。 Photo: Shintaro Kumihashi 週末限定で登場するマトンとひよこ豆のキーマカレーのカレーパンや、夜営業で提供されるワインも機を見て賞味したい。 チャイから広がる食の楽しみ コンセプトにもある通り、チャバはただのティーハウス