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女子プロレスの魔力

女子プロレスの魔力

Photography: Tajima Kazunali (Mild Inc.)左から青野未来、後藤智香 Text by Ryogo Hashiba 最近、にわかにブーム化する気配を見せている女子プロレス。その中で、間もなく2周年を迎える団体が「SHINE FOREVER」を旗印に掲げる「マリーゴールド」だ。同団体で最高峰王座である「マリーゴールド・ワールド王者」の青野未来と、団体一の元気印・後藤智香に、マリーゴールドの魅力、地元への思い、そして女子プロレスの魅力について聞いた。 女優からプロレスラーに 青野も後藤も、もともとプロレス志向はなかった。しかし、女優だった青野は「女優がプロレスをする」というコンセプトの団体でデビュー、その後輩に当たるのが後藤だ。 青野:プロレスをすることで、俳優としての武器になるんじゃないかなと。でも、知れば知るほど、やってみようと思えたんです。 後藤:プロレスの『プ』の字も知らなかったですし、血だらけのイメージでした。華やかな芸能界を目指していたんですが、ご縁があって未来さんと一緒にいます。 「団体旗揚げ」という貴重過ぎる体験 青野と後藤は、2024年5月20日の旗揚げ戦からマリーゴールドに所属している。2人に印象に残っていることを聞いてみた。 青野:旗揚げ戦は印象に残っていますね。なかなか経験できることではないですし、あの日の満員の後楽園ホールは忘れられないです。 後藤:私は旗揚げ戦の次のビッグマッチ「両国国技館大会」(同年7月13日)ですね。あんな大きな会場で試合をする実感がなくて、リングが組み立てられていく過程を見てもぼんやりしていたのを覚えています。 Photography: Tajima Kazunali (Mild Inc.) 外国人選手との戦い、外国人のファンのストレートな表現 プロレスの王道のマッチメイクと言えば、昔から「日本人 vs 外国人」だが、ここ最近は、観客側にも多くの外国人が来るようになった。 青野:外国人との対戦はほとんどなかったので、マリーゴールドで自分よりも身長が20センチメートル、体重が30キログラム以上も大きい選手と戦ったのは未知の世界でしたね。 後藤:私は173センチメートルあるので、大きくて強くてかっこいい、見ただけでわかる圧倒的に強さを持つ外国人選手に近づきたいです。あと、外国人のお客さん入場から恥ずかしがらずに、大きなリアクションをくださるのでうれしいです。プロレスは、言語の壁を超えたエンターテインメントだと思っています。 あふれる地元愛が止まらない凱旋興行 青野は埼玉県川越市、後藤は東京都荒川区の出身。ともに自身のポスターを持って地元を走り回り、凱旋(がいせん)興行を成功させている。 青野:川越は生まれ育った町なので、川越の方に見てもらえるのも、多くの方が川越に来てくれるの、どちらもとてもうれしいです。プロレスで川越をもっと盛り上げていきたいですね。 後藤:荒川区には実家の居酒屋があって、ファンの方々もたくさん来てくださっています(笑)。私の凱旋興行が、荒川区で初めてのプロレスの興行だったんですよ。荒川区のお子さんたちが、プロレスを見るきっかけになればいいなと思っています。

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成人式を迎えた会場が非日常のプロレスエンタメ空間に、マリーゴールド・後藤智香が荒川で凱旋興行

成人式を迎えた会場が非日常のプロレスエンタメ空間に、マリーゴールド・後藤智香が荒川で凱旋興行

1994年10月26日、後藤智香(以下、ゴチカ)は東京都荒川区で誕生した。3800グラム、今の173センチメートル・85キログラムというプロレスラーとして恵まれた体格になることが約束されていたかのような、大きな赤ちゃんだった。 そのゴチカは、女子プロレス団体「マリーゴールド」が旗揚げした2024年5月から参加し、今や誰もが認める団体の「元気印」となった。最近は「下町の太陽」と呼ばれることもあり、名物コールの「あっちか、こっちか、ゴチカ~!」はどの会場でも観客を温めている。 Photo: morookamanabu『Time Out Tokyo vol.3』を持って歓声に応えるゴチカ そのゴチカの、2度目の荒川区凱旋(がいせん)興行となったのが2026年3月15日に行われた「MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026」。会場となった「サンパール荒川(荒川区民会館)」の大ホールはシアター形式の会場で、普段はコンサートや演劇が行われている場所だ。 付近には区役所、郵便局、警察署、消防署、そして地域密着の飲食店やクリーニング店など、いわゆる日常生活に必要な施設が並ぶ。そんなゴチカが成人式を迎えた場所に、というか荒川区自体に「プロレスという非日常のエンターテインメント」を運んできたのは、ゴチカが初めてだった。 Photo: morookamanabu「うまいっ処 後とう」を営んでいるゴチカの両親が来場者一人一人にノベルティを ゴチカの実家は、荒川区西尾久にある「うまいっ処 後とう」。こぢんまりとしたたたずまいながら、そのボリュームと味で愛されている唐揚げが名物の居酒屋だ。興行当日は、入り口に「後とう」の暖簾もかけられ、ゴチカの両親が出迎えた。家族・親戚総出でバックアップするというのも、凱旋興行ならではの醍醐味(だいごみ)といえる。 客席には、直筆サインのプレゼントがある「ゴチカシート」も用意。そして、興行の2日前に刊行した、ゴチカと青野未来が表紙を飾った『Time Out Tokyo vol.3』もロビーで配布され、多くの観客が手に取った。 Photo: morookamanabu 「学生時代に何度も来たこの会場が一番好き」 この日は全6試合がラインアップされ、ゴチカはメインイベントに登場した。カードは「後藤智香&林下詩美 vs 岩谷麻優&ビクトリア弓月」。「逸材」と呼ばれる林下は旗揚げから2年弱一緒にいる頼れる先輩で、女子プロレス界のアイコン・岩谷と新世代のエース・弓月はゴチカがなかなか勝てない選手である。ゴチカは、どうしても勝ちたい2人を対戦相手に選んだ。 メインまでの試合でも、各選手が得意技を繰り出し、その度に観客からは「すごい!」「痛そう!」という声が上がる。場外乱闘では逃げ惑うシーンもあったが、試合が決まると惜しみない拍手が送られる。 そして迎えたメインイベント。まずは荒川区長の滝口岳が、アントニオ猪木の入場曲「イノキ・ボンバイエ」に乗って入場した。 「皆さん、元気ですか~? 元気があれば何でもできる。ゴチカ選手の凱旋試合第2弾、ご参加いただきありがとうございます。私は毎週金曜日、『後とう』さんのお弁当を市長室で食べております。今日はゴチカ選手が勝ってくれると思いますので、応援しましょう!」とあいさつ。さらには、9月13日(日)に再び同会場で第3弾凱旋興行を行うことを約束した。 主役のゴチカが登場すると、さらに大きな声援が上がる。パートナーの林下も、ガウンの下にゴチカTシャツを着こんでくる用意周到ぶりだ。毎