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Satomi Saruwatari

Satomi Saruwatari

Articles (18)

東京、ベストレストラン100

東京、ベストレストラン100

タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、ベストレストラン100 監修:犬養裕美子 チープイートから高級飲食店まで広い価格帯で、世界各国の料理を含め莫大な種類の料理が不自由なく楽しめる。どの店に入ってもたいてい食べられないほどに不味いものには出会わない。最近ではミシュランのガイドブックの星の数は東京が世界最多、と話題にもなるように、東京は食の天国として胸を張れる都市のひとつだろう。タイムアウト東京は知る人ぞ知る、隠れ家的名店から、昔から地元の人々の空腹を満たしてきた大衆食堂まで、カテゴリーや価格も幅広くカバーし、今の東京を表すにおいて外せない100軒の店を選出した。食事の時間ほど、多くの人を幸せにできるものはない。ぜひこのリストを活用し、シチュエーションに応じた最適な1軒で、楽しい食事の時間を過ごしてほしい。 レビュー:Matthew Lee, Sarah Crago, Dana Macalanda, Carol Akiyama, Yasuhisa Shimbo, Mikako Mochizuki and Mayumi Koyama写真: Keisuke Tanigawa, Kisa Toyoshima, Yasuhisa Shimbo, Manabu Morooka, Yuki Nakamura and Kenichi Inagaki翻訳:Momoko Asai and Rumi Koyama

東京、アンティーク着物ショップ3選

東京、アンティーク着物ショップ3選

タイムアウト東京 > ショッピング&スタイル >東京、アンティーク着物ショップ3選 最後に着物を着たのはいつだろうか。成人式、卒業式、結婚式、男性なら七五三という人も多いのでは。ユニクロやゾゾタウンに依存する人にとって、着物は最も縁遠い衣服の一つかもしれない。たしかに着物にはTPOや季節などに沿ったルールがあり、自分のサイズにあったものを新品で買おうとしたらとんでもない値段になることも事実だ。 しかし、このリストで紹介する3軒が扱う着物は、値段は平均1万円前後と手軽な上、デザインなども驚くほどモダンで、着る場面を想像したくなるようなものばかり。なぜなら全て中古だからだ。 一口に中古と言っても、明治〜昭和前期ころまでのものはアンティーク、それ以降のものを中古に分類される。大正時代に大流行した銘仙の着物にポップな柄の帯や足袋をあわせたり、いつもの洋服の上に羽織りを着たり、書生風にシャツと袴であわせたり。各店のスタッフやマネキンが着ている自由度の高いコーディネートを見れば、今までのイメージは一掃されるだろう。卒業式では定番の、袴にブーツが生まれたのは約100年前の大正時代。今風と古風の絶妙なかけあわせで生まれる「かわいい」にはまだまだ可能性があるような気はしまいか。個性豊かな3軒の門戸を叩いて、ディープな着物の世界を覗いてみてはいかがだろう。 関連記事:『東京、和風旅館13選』

Tokyo's best Buddha bowls

Tokyo's best Buddha bowls

If you’re into healthy food trends, you're likely to come across the current craze for Buddha bowls. So what exactly is a Buddha bowl? These pretty one-dish meals are essentially colourful salad bowls filled with various vegetables and high-protein toppings such as grains, avocados and chickpeas; they are then finished off with a flavourful sauce like tahini dressing. One of the most photogenic ways to get your daily intake of veggies, Buddha bowls became a big hit on social media over the last few years where the hashtag #buddhabowl soared to the top of Instagram feeds. If you’re curious to try one for yourself, follow our guide to the healthiest spots in town...

東京、オーガニックショップ&マーケット

東京、オーガニックショップ&マーケット

タイムアウト東京 > ショッピング&スタイル > 東京、オーガニックショップ&マーケット 2015年4月に食品表示法が施行(しこう)されて以降、栄養成分やカロリー、生産地と有機農法を示す日本農林規格(JAS)マークなど、食品に表示される情報は年々増えている。商品を裏返すと文字だらけという印象も受けるが、消費者が得られる情報が増えていると言える。オーガニック食品は、子どもがいる家庭や食の安全に関心を持つ人なら、遺伝子組換え食品や化学合成肥料、農薬などが使用されたものは避け、オーガニック食品を積極的に取り入れているのではないだろうか。生産者のこだわりを直接聞けるマーケットやオーガニック専門店は、スーパーと比べると多少値は張るがチェックしておきたいはず。家族連れでにぎわう恵比寿や青山のマーケットから、老舗佃煮メーカーが手がける町の商店まで、オーガニック食品が手に入るスポットを紹介する。

東京、ブッダボウル

東京、ブッダボウル

タイムアウト東京 > レストラン&カフェ > 東京、ブッダボウル5選 ブッダボウルという食べ物を知っているだろうか。野菜や穀物、アボカド、ヒヨコマメといった植物性たんぱく質豊富な食材にタヒニソースをかけたカラフルなサラダのことだ。アメリカでは、2017年にブームとなると予想された食べ物のひとつだった。実際にInstagramでは「#buddhabowl」というハッシュタグがトレンドになった。東京では近年、クリスプサラダワークスやグリーンブラザーズなど、サラダ専門店が次々とオープンしている。これは前菜の立場だったサラダがメインディッシュとして受け入れられつつあることを表しているのではないだろうか。日本での認知度はまだまだのブッダボウルだが、インスタジェニックなサラダはブームとなるに違いない。

Where to experience a virtual reality world in Tokyo

Where to experience a virtual reality world in Tokyo

2016 was the year when virtual reality devices and games really hit the big time, with a slew of VR-related events, businesses, games and movies springing up in Tokyo and elsewhere. By putting on one of those futuristic-looking head-mounted displays (HMDs), you can now visit ancient Egypt, travel through space or do the para-para at a virtual idol's concert without leaving your couch. But as getting your own Oculus Rift, HTC Vive or PlayStation VR still means making a rather considerable investment, you might want to try before you buy. So we've put together a quick list of nine Tokyo spots where you can experience a virtual world without having to shell out the big bucks – just note that most of them require visitors to have at least some Japanese language ability.

東京、VRの楽しめるスポット

東京、VRの楽しめるスポット

「VR(仮想現実)元年」と呼ばれた2016年を経て、東京では次々とVRを楽しむスポットやイベントが誕生している。ゲームや映画、疑似体験など、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着すれば、どんなところでも連れていってくれるVR。アイドルのライブ会場やSFアニメの世界へ行ったり、カーレースに参加することだって可能だ。360度映像の世界を演出するVRは、人々の生活を大きく変化させていくだろう。映像に加え、最近はコントローラーも発売され、シューティングゲームやカーレースといった実際に手を動かすゲームのリリースが相次いでいる。スマートフォンを使用したHMDが販売されるなど、一般家庭への普及も進んでいるが値段は手軽とは言えないのが現状だ。ここでは、東京でVRを手軽に楽しむことのできるスポットを紹介する。

今日しかできないこと:12月10日(土)

今日しかできないこと:12月10日(土)

上野でピクニックする。ー12月10日はコッペパンの日 毎月10日はコッペパンの日。日本で初めてパン酵母による製パン技術を開発した田辺玄平が創業してから100周年になることを記念して、2013年に全日本丸十パン商工業協同組合が制定した。今日は上野にあるコッペパン専門店、イアコッペへ行こう。土日限定の『たまご』や、12月限定の『ラムレーズン』や『フルーツカスター』といったこの時期にぴったりなメニューもある。今日はコッペパンを持って上野公園でピクニックしてはいかがだろう。 イアコッペの詳しい情報はこちら

今日しかできないこと:11月29日(火)

今日しかできないこと:11月29日(火)

ランチはとんかつにする。ー11月29日はいい肉の日 「いい(11)」と「にく(29)」の語呂合わせから、11月29日はいい肉の日。今日は小川町にあるとんかつ専門店、ポンチ軒に行こう。2015年の「ビブグルマン」のリストに名を連ねた同店は、とんかつ好きには言わずと知れた名店だ。旬の牡蠣フライもいいが、今日は人気の『沖縄産特製ロースカツ』を注文したい。サクサクの衣の食感と、ほんのりピンク色の肉から溢れる肉汁が口内に広がり、食欲を増幅させる。今日のランチは行列に並んででも食べたいとんかつにしてはいかがだろう。 ポンチ軒の詳しい情報はこちら

今日しかできないこと:11月23日(水)

今日しかできないこと:11月23日(水)

冬の味覚を食べまくる。ー11月23日は牡蠣の日  11月23日は牡蠣の日。牡蠣の旬である12月に入る前、勤労感謝の日に栄養ある牡蠣を食して日頃の仕事の疲れを癒そうと、全国漁業協同組合連合会が制定した。今日は大塚にある麦酒庵へ行こう。同店では、日本各地から取り寄せた新鮮な牡蠣、クラフトビール、そして200種以上の日本酒を堪能できる。肝臓機能の強化や免疫力アップなど、栄養たっぷりの牡蠣を食べて、師走に備えたい。 麦酒庵の詳しい情報はこちら

今日しかできないこと:11月24日(木)

今日しかできないこと:11月24日(木)

鰹節は削りたてに限る。ー11月24日は鰹節の日 「いい(11)」と「節(24)」の語呂合わせから、11月24日は鰹節の日。川越の中市本店へ行こう。同店は、鰹節を中心に、椎茸や昆布などの乾物などを扱う。店先では毎日正午から『ねこまんま焼きおにぎり』が販売されている。昆布と鰹節で出汁をとった醤油でこんがりと表面を焦がし、最後に削りたての鰹節を振りかけた贅沢なおにぎりにかぶりつきたい。 中市本店の詳しい情報はこちら

今日しかできないこと:11月18日(金)

今日しかできないこと:11月18日(金)

東京駅から旅に出る。ー11月18日は『Suica』のサービス、販売がスタートした日 2001年11月18日、JR東日本によるプリペイド型電子マネー『Suica』のサービスがスタートした。毎日利用しているサービスがもう15歳という事実に、驚いた人も多いのではないだろうか。現在日本では多くの交通系ICカードが流通しており、全国での相互利用が可能なものは『Suica』を入れて10券種ある。今日は、ICカードを使って東京駅から旅に出よう。ワンタッチで日本全国へアクセスできる魔法のカードが、定期入れの中にあるのだ。出発の際は、全国各地の駅弁を扱う駅弁屋 祭で弁当を買うのを忘れずに。支払いはもちろん『Suica』で。 東京駅 丸の内駅舎の詳しい情報はこちら

News (24)

3年に1度のアートの祭典「ヨコトリ」で押さえておきたい4つのこと

3年に1度のアートの祭典「ヨコトリ」で押さえておきたい4つのこと

2017年8月4日(金)から2017年11月5日(日)まで、3年に1度のアートの祭典『ヨコハマトリエンナーレ2017(ヨコトリ)』が開催中だ。艾未未(アイウェイウェイ)はじめ、畠山直哉、マウリツィオ・カテラン(Maurizio Cattelan)、クリスチャン・ヤンコフスキー(Christian Jankowski)、マップオフィス(Map Office)、Don’t Follow the Windなど、国内外から38組のアーティストと1プロジェクトが参加。『島と星座とガラパゴス』をテーマに、新作を発表している。アーティストの数は例年より少ないとはいえ、十分見応えのある展示になっている。満足のいく鑑賞体験ができるよう、『ヨコトリ』に行く前に押さえておきたいポイントを紹介する。   ブルームバーグ&チャナリン   参加アーティストは38組 前述の通り、今回の参加アーティストは38組と1プロジェクト。世界各国、年齢もバックグラウンドも異なるアーティストたちが、大小様々な作品を展示している。参加数が少ない分、それぞれのアーティストに与えられたスペースは広く、さながら個展の集合体のようだ。実際足を運ぶと、展示されている作品量に驚かされること間違いない。アーティストたちは、今回の『ヨコトリ』のテーマ「島と星座とガラパゴス」のもと、それぞれ新作を発表している。作品に込められたメッセージは歴史、孤独、民族紛争、国家、3.11など、様々だ。   ザオ・ザオ『プロジェクト・タクラマカン』   ワエル・シャウスキー『十字軍芝居』   横浜美術館のロビー左手の階段を上がったスペースには、新疆ウイグル自治区出身のザオ・ザオ(赵赵)の作品『プロジェクト・タクラマカン』がある。世界で2番目に広い砂漠のタクラマカン砂漠に冷蔵庫を運び、ビールを飲むという企画を、巨大な冷蔵庫と、砂漠に電気を運んだ電線(つなげると100キロメートルになるという)を束ねて再現している。ザオの作品の奥には、イスラム教徒とキリスト教徒の衝突を、ガラス製の操り人形を用いた劇で再現した、エジプト出身のワエル・シャウキー(Wael Shawky)の映像作品が展示されている。外観のウェイウェイに始まり、彼と共作を発表してきたザオ、そしてシャウキーの作品を見て「シルクロード」を連想するのは考えすぎかもしれないが、一見バラバラに見える作品も、『ヨコトリ』のテーマや作品のメッセージを探りながら鑑賞すると、新しい発見があるかもしれない。 Don't follow the wind 3.11をテーマにした作品を発表したアーティストも多かった。東京電力福島第一原子力発電所周辺の帰還困難区域内で開催されている展覧会『Don't Follow the Wind』のサテライト展示として、赤レンガ倉庫1号館に登場した作品は、福島県で暮らす3家族の協力を得て完成した映像作品だ。鑑賞者は液晶画面が組み込まれた装置を装着し、ナレーションを聞きながら3.11後の福島を見ることができる。 故郷の陸前高田市を写した畠山直哉の作品 3.11後に引っ越した仙台の風景を描いた瀬尾夏美の作品 開催場所は3箇所 今回の『ヨコトリ』は横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、そして横浜市開港記念会館の3ヶ所にて開催される。横浜美術館と赤レンガ倉庫間は無料のバスが30分〜1時間ごとに運行しているので、運行表をチェックして行動したい。赤レンガ倉庫1号館から10分ほど歩いたところにある横浜市開港記念会館では、ゴジラをモチーフにした柳幸典による

今夏開催の『ヨコトリ』、参加アーティスト第1弾が発表

今夏開催の『ヨコトリ』、参加アーティスト第1弾が発表

3年に1度、横浜で開催される国際芸術祭『ヨコハマトリエンナーレ2017(以下ヨコトリ)』。2001年に始まり、今回で6回目を迎える同イベントは、昨今の芸術祭ブームの黎明期にスタートした、大御所のような存在だ。国内外から注目が集まる『ヨコトリ』の2回目の記者会見が先日都内で行われた。宇治野宗輝のパフォーマンス(舞台上に設置された、ミキサーとギター、アンプを組み合わせた装置を使ってバナナジュースを作り、パネラーに振舞った)はすでに多くのメディアが紹介していると思うので、ここでは参加アーティストやチケットの詳細など、注目ポイントを紹介する。 まずアーティストについてだが、例年と比べてだいぶ少ない40組が参加(2014年は65組79人)、うち26組と1プログラムが発表された。共産党政権批判にはじまり、近年は難民問題をテーマにした作品を発表する中国人アーティストの艾未未(アイウェイウェイ)、先日ファッションブランド『MAISON KITSUNÉ』とのコラボレーションで話題になった写真雑誌『TOILETPAPER』を主宰するマウリツィオ・カテランなど、ビッグネームが並ぶ。構想会議メンバーでもあるリクリット・ティラヴァーニャもグループ作品を出展する。やや年齢層が高いという印象を受けるが、コディレクターの逢坂恵理子はそれが狙いだと明言した。「あまり国際展に出たがらない年齢層のアーティストを呼び、小さな個展の集合体のような展示を目指す。鑑賞者に作品の世界観をより深く楽しんでもらえれば」と述べた。 全国各地で開催されるようになった芸術祭だが、逢坂はそれらを2つのタイプに分けることができると考える。昨年開催された『瀬戸内国際芸術祭』や『茨城県北芸術祭』など、自然を全面に押し出す里山型と、美術館など建物内での展示がメインの都市型だ。そして『ヨコトリ』は都市型にあたり、土地の歴史に拠ったコンセプト、テーマを掘り下げるのが特徴だ。実際に参加するアーティストたちも、イベントと似たような段取りで作品を制作、発表するという。参加アーティストの一人として登壇した小沢剛も、横浜に縁が深い歴史上の人物についての展示を行う予定だと発表した。なお、同作は小沢が歴史上の人物を題材に、事実とフィクションを重ねあわせて物語を構築する『帰って来た』シリーズの最新作となる。   (左から)逢坂恵理子、柏木智雄、三木あき子、小沢剛、宇治野宗輝       逢坂と同じコディレクターの柏木智雄と三木あき子からは、イベントそのものとコンセプトについての説明があった。150年前の大政奉還以来、横浜は国内外を繋ぐ窓口として発展してきた歴史がある。土地のコンテクストを読み解きながら、グローバル化やデジタル社会、移民など現代社会が抱える様々な問題と向き合った結果、今回のイベントタイトル「島と星座とガラパゴス」が生まれたそうだ。様々な事柄を想起させるタイトルは、悪く言えばカバーする範囲が広すぎると感じた人も多いだろうが、パネラーの口から頻出した「接続性」と「孤立」というワードを、裏テーマとして頭の片隅に置いておくと、作品を見る際に役に立つかもしれない。総じて理屈っぽい印象を受けたが、自然ありきの里山型と都市型芸術祭の違いのひとつだろう。   宇治野宗輝       チケットは、一般1,800円、学生は1,200円、高校生は800円、中学生以下は無料(前売券は300円引き)。チケット1枚で、横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念館の3施設が会期中1回ずつ入場可能となる(入場当日に限り再入場可)

初開催の北アルプス国際芸術祭。見どころを紹介

初開催の北アルプス国際芸術祭。見どころを紹介

長野県北部の信濃大町にて、2017年6月4日(日)より開幕する『北アルプス国際芸術祭』。マーリア・ヴィルッカラ、布施知子、大岩オスカール、ジミー・リャオら、国内外から36組のアーティストが参加する、今年注目の国際芸術祭のひとつだ。総合ディレクターは、『瀬戸内国際芸術祭』や『大地の芸術祭』など、数多くの芸術祭を手がけてきた北川フラムが務める。開催の3週間前のプレスツアーでは、アーティスト本人によるプレゼンテーションや、北川から作品や見どころの紹介などが行われた。豊かな水をたたえた北アルプスのふもとで開催される「里山型」の芸術祭は、地元の自然と文化を尊重した見応えあるものとなりそうだ。   原倫太郎+原游『はじまりの庭』   東京から車で約4時間。信濃大町駅に到着したら、まず駅前のインフォメーションセンターを訪ねたい。展示作品をすべて鑑賞できる(パフォーマンスは別)「作品鑑賞パスポート」を購入し、スタッフと一緒に鑑賞コースを決めよう。人工芝が敷き詰められた館内の家具や装飾は、すべて原倫太郎と原游のユニットによるインスタレーション『はじまりの庭』の一部だ。頭上をピンポン球が転がる様子は、誰もが童心に帰って目で追ってしまうだろう。原游は、芸術祭の公式ガイドブックのイラストも手がけている。    作品説明をする目の南川憲二と荒神明香(左から)   パスポートを手に入れたら、まず東側にある鷹狩山に登ってほしい。正面には北アルプスの山々、眼下には信濃大町が広がる。山の稜線に残る雪を見れば、町にどれだけの雪解け水が流れ込むか、容易に想像がつくだろう。ぜい沢な景観を作品に取り入れたのは、アーティストグループ「目」。『信濃大町実景舎』は、山頂に立つ空き家となった建物の中身を作り変えた作品だ。中と外の関係を重視した作品で年々ファンを増やす彼らの最新作に期待したい。 八坂地区と呼ばれる、山中に小さな集落が点在するエリアには、景観をいかした作品が多く展示される。ロシア人アーティストのニコライ・ポリスキー(Nikolay Polissky)による『バンブーウェーブ』は、現地に生える竹を束ね、先端をくるりとしならせた柱が林立する作品だ。葛飾北斎の『富嶽三十六景』からインスピレーションを得たそうだ。山奥に現れた竹の海が開け、遠くの景色を見せてくれる、という作品の裏にある隠されたストーリーを想像しながら眺めたい。   ニコライ・ポリスキー『バンブーウェーブ』     八坂地区   自然ではなく、そのなかにひっそりとたたずむ集落そのものを作品にしたアーティストもいる。フェリーチェ・ヴァリーニ(Felice Varini)は、1994年に完成したパブリックアートプロジェクト『ファーレ立川』にも参加したアーティストだ。これまで幾何学模様を風景に落とし込んだ作品を発表してきた彼だが、今回も八坂地区にある3世帯が暮らす小さな集落に幾何学模様を登場させた。斜面に張り付くように建つ家屋に、どんな模様が現れるのか。ぜひ自分の目で確認してほしい。    フェリーチェ・ヴァリーニ   ここで移動手段について紹介しよう。『北アルプス国際芸術祭』は、駅のある市街地エリアを中心に、木崎湖周辺の仁科三湖エリア、高瀬川が縦断する源流エリア、北アルプスを臨む東山エリア、そしてダムエリアの5つからなる。各エリアは離れていたり、高低差があったりするので、徒歩での移動はまず無理だ。シャトルバスやタクシー、レンタサイクルなど、エリアを周遊できる交通手段がいくつか用意されているので、目的や予算にあわせ

The Yokohama Paratriennale is coming to town again

The Yokohama Paratriennale is coming to town again

Having kicked off with a bang last Saturday, the 2017 edition of the Yokohama Paratriennale offers a new look at the arts. Held for the first time in 2014, the festival is set to run every three years until the Olympics – or rather, the Paralympics. Tokyo seems to have finally woken up to the fact that the upcoming Games will consist of both parts; the Paratriennale, where art created by those with physical disabilities is displayed, is in a way an offshoot of this recognition, and of a hunger to make 2020 truly great.  This year's festival theme is 'Sense of oneness: a place to blend together' – a phrase that hints at an aim of presenting artwork that goes beyond physical ability, sex, race, age or any other category that might present a social barrier.    The building blocks for this sophomore edition were laid in 2014, when the inaugural Paratriennale saw various workshops and performances around Yokohama promote exchanges between those with and without disabilities. Over the course of four months, a good 24 associations and organisations participated, for a total of about 10,000 attendees overall. Plans are in place to top that number this year, with at least 50 actors currently set to partake in the shenanigans, while they're looking to have a 50-50 split between able-bodied and disabled participants. The Zou-no-Hana Terrace will again function as the main stage, while there will be performances and artworks – all made by mixed groups of artists – exhibited around the

今週末開幕。ヨコハマ・パラトリエンナーレのテーマが発表

今週末開幕。ヨコハマ・パラトリエンナーレのテーマが発表

いよいよ2017年5月27日(土)に開幕する国際芸術祭『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』の今年のテーマが発表された。2014年より、3年おきに横浜市で開催されている同イベント。2回目となる今回は、「sense of oneness とけあうところ」と題し、障害の有無、性別、人種、年齢など、社会に溢れる「壁」や「境界線」をなくすことを目指す。5月中旬に、横浜の象の鼻テラスで開催された会見で、実行委員長の島田京子と、総合ディレクターを務める栗栖良依が、テーマ決定に至った経緯と詳細について語った。   テーマに込めた思いを説明する栗栖       そもそも『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』とは、障害者と、様々な表現活動を行うプロフェッショナルが協働で新しい芸術表現を生み出すことを目標に、2014年にスタートしたアートイベントだ。2014年から2020年まで、3年おきに3回の開催を予定している。第1回は「first contact はじめてに出会う場所」と題し、障害のある人と関わりのなかったアーティストや市民をつなげることを目指した。開催前の準備期間には、横浜市内にある障害者施設や学校を巡り、パフォーマンスやもの作りのワークショップを数多く開催。実行委員会によると、約4ヶ月にわたって開催された前回、参加した施設と団体数は24、参加者は約10万人だった。今回目標とする参加施設と団体数は、前回の倍の50。同時に、参加者の半数が障害者となることを目指すという。 前回の開催では、障害者が会場に足を運んだり、プログラムに参加する際の「アクセシビリティ」の課題が浮き彫りとなった。その改善のために実行委員会が力を入れたのは、「アカンパニスト」と「アクセスコーディネーター」と呼ばれる人材の育成だ。マラソンで伴走者を意味するアカンパニストは、障害者とともに創作活動に取り組み、アクセスコーディネーターはパフォーマンスへの参加に際して発生する、物理的、精神的な障壁を取り除く。期間中はパフォーマンスだけでなく、横浜市のいたるところで彼らの活躍を目撃することになるだろう。   前回の様子   前回と大きく異なるのは、期間が創作、発表、展示の3部構成となっている点だ。2017年5月末〜12月下旬まで開催され、約4ヶ月間開催された前回の1.8倍長い。しかし、作品を観ることができるのは10月上旬のコア期間と、その後予定されている展示(詳細未発表)のみで、大部分にあたる創作期間は、公共空間や施設、学校でのワークショップや、パフォーマンスの練習にあてられるそうだ。 会見では、テーマと期間だけでなく、参加アーティストも発表された。2016年のリオデジャネイロパラリンピックの閉会式に参加した金井ケイスケ、数々の芸術祭に出展し注目を集める現代芸術活動チーム「目」、象の鼻テラス内の天井を覆う白い網『whitescaper』を手がけた井上唯らの参加が予定されている。金井は、10月頭に予定されているパフォーマンス内の重要な役を、障害の有無に関わらず誰でも参加できるオーディションで決めることを発表している。また、井上は『whitescaper』を象の鼻パーク全体を覆うようなサイズに拡張するべく、各地でワークショップを開催する予定。トータルで1万人の制作協力者を目標にしている。障害者も市民も一緒になり、「とけあう」ところに現れる表現に期待したい。『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』は2017年5月27日(土)スタート。   井上唯『white scaper』(一部)       記者会見には、アクセ

世田谷文学館のリニューアル担当者に聞く、地域に寄り添うということ

世田谷文学館のリニューアル担当者に聞く、地域に寄り添うということ

1995年の開館以来、向田邦子や浦沢直樹、星新一、寺山修司といった文筆家や漫画家の企画展を開催してきたことで知られる世田谷文学館。区立の文学館らしく、世田谷にゆかりのある文化人を取り上げることが多いのも特徴の一つだ。2017年4月、同館は半年の休館を経て、リニューアルオープンを果たした。 リニューアルの目玉であるライブラリー「ほんとわ」は、『暮しの手帖』や『POPEYE』のバックナンバー、古今東西の絵本作家の作品、過去の企画展にまつわる蔵書などがディスプレイされている。子ども連れからサブカルのオタクまで、幅広い世代をターゲットにした「ほんとわ」の担当者に、その狙いはどこにあるのかインタビューをした。 話を聞いたのは、学芸員の大竹嘉彦。トレーナーにジーンズ、ベッコウの眼鏡に髭(ひげ)と、さながらセレクトショップのオーナーのようなファッションで現れた大竹を見て、「この人が文学館の学芸員?」と思ったのが正直な感想だ。しかし、彼が「ほんとわ」に込めた思いと、世田谷という地域に向ける文学館としての眼差しについて聞くうちに、ファッショナブルな外見からは想像もつかないほど情熱を持った人物であることが伝わってきた。   本棚類の新調は群馬県川場村の森林組合に依頼したそう     絵本コーナー(一部)       ーさっそく「ほんとわ」を見てきました。そもそもリニューアル前の「ほんとわ」はどんなスペースだったのでしょうか。 もともとは館が所蔵する資料の閲覧サービスをメインに行う場所でした。世田谷にゆかりのある作家の本の陳列もしていましたね。今回のリニューアルでは、スペースを2つに分け、子どもと家族をターゲットにしたエリアと、ライブラリーからなる「ほんとわ」にしたわけです。 ーなぜ親子や子どもをターゲットにしたのでしょうか。 少子高齢社会と言われるこの時代でも、世田谷区は子どもの数が増えているんですよ。※1 この機会に授乳室といった設備を整える必要がありましたし、子どもが楽しみながら本と親しめるようなスペースを作りたいと思っていました。実際放課後に近所の小学生が宿題をしていたりしますし、週末の午前中は親子連れで結構賑わっています。   「ほんとわ」の大人向けゾーン     野崎雅彦の「とっておきの本棚」   ー子ども向けと一般向け、どちらのエリアからも「こだわりのあるオーナーが個人経営する古本屋」という印象を受けました。 たしかに僕が好きな本屋さんを参考にしたところもありますが、意識したのは図書館との性質の違いですね。網羅的に、すべてのニーズに応える図書館は、目的を持った利用者に向けた、読むため調べるための場所です。対して「ほんとわ」は「本との出会い場」、というコンセプトを掲げています。たとえば図書館の本棚って背表紙がずらりと並んでいますよね。関心のある作家や分野の本であれば手に取りますけど、知らない本を選ぶことってまずないと思います。一方「ほんとわ」では、昭和初期から最近の本まで、ジャンルも混ぜて陳列しています。表紙を見せたり、ポップを充実させたりして、見知らぬ作家や作品でも興味を持って手にとってもらえるようなディスプレイを心がけています。 ーたしかに、目を引くデザインの本は、作者を知らなくても手に取ってしまいます。中央のテーブルに置かれていた巨大な『花椿』には驚きました。 代々木上原にある古本屋、ロスパペロテスの店主である野崎雅彦さんにセレクトしてもらった企画「古書店種の〇〇な本棚」のなかの1冊です。資生堂が発行する企業文化誌『花椿』の通巻60

Get to Nikko and beyond the fancy way with Tobu's new Revaty train

Get to Nikko and beyond the fancy way with Tobu's new Revaty train

Sponsored by Tobu Railways Train geeks in particular will be ecstatic to hear that Tobu Railways has launched an all-new train series. The Revaty 500 is a flashy designer version of the company's previous models, and will be running between Asakusa and Nikko, as well as on the Asakusa-Kinugawa-Aizu track. But even the average passenger might take interest in the many little details and posh extras that this new train boasts.   One of the first things you notice on the train is how massive its windows are. These give the entire interior – designed by Ken Okuyama, famed for his work with Ferrari Japan – a light and airy feel. Do also take note of the ceiling, which is shaped like the waves of the rivers it crosses, while the seats are embossed with the Edo komon, a traditional motif from the Edo period.  The train's main technological perk is that it can connect two separate batches of cars with an accordion-like mechanism. Unlike the shinkansen, in which two connected bits of train means you have to exit and then enter again on the other side of the joint, the Revaty lets you walk straight through. We're never fans of passing through that noisy bit, but hey, it is quite handy.   More importantly, for those needing to work, Facebook or Instagram on the go, there's free NTT wi-fi inside all carriages, accessible by registering your email address. Each seat also has an electric outlet, which means no more dying batteries (unless you were the one who forgot your charger). If

日光、鬼怒川、会津へ。東武の新型特急車両「リバティ」が運転開始

日光、鬼怒川、会津へ。東武の新型特急車両「リバティ」が運転開始

2017年4月21日(金)にいよいよ営業運転が始まる、東武鉄道の新型特急車両「リバティ(Revaty)」500系の試乗会に参加してきた。インター ネットで検索すれば、最高時速や収容 客数などのスペックは簡単に分かると思うので、ここでは鉄道オタクでも乗り物マニアでもない筆者が、一乗客として感じたことをレポートする。 川の流れをイメージした天井 車内に入ると、大きな窓から太陽光が差し込み、荷物棚は少し低めに設けられているにも関わらず、全体的にゆったりとした印象を受けた。デザインは、フェラーリのデザインをした日本人として知られる奥山清行が代表を務める工業デザイン事務所、KEN OKUYAMA DESIGNが監修した。シャンパンベージュの車両に、浅草〜鬼怒川を走る車両らしく、隅田川と鬼怒川の流れをイメージした天井の波線、江戸小紋をモチーフにしたテキスタイルの椅子などが、どことなく優雅な雰囲気を醸し出している。 車椅子でも入れる多機能トイレ デザインのほか、バリアフリーの設備など注目すべき点はいくつもあったが、なかでも固定車両を繋ぐ貫通扉はぜひ内側と外側の両方から見てほしい。(基本的に)3両固定の6両編成で運行する「リバティ」。3両ずつの車両を連結させるのだが、貫通扉が先頭車両に搭載されているため、すべての車両間が移動可能となる。これが新幹線の場合、長い鼻のような部分を繋げるため、固定車両間の移動はできない。 貫通扉 つまり、1両目と3両目はどちらも先頭車になりうるし、連結して通路にもなりうるのだ。正面の蟹の腹のような部分がパカッと開き、中から通路となる黒いボックスが出てくる。そして、手作業でホロ(車両の連結部分を覆うアコーディオンのようなもの)を被せる。ここで気になるのは、ボックスがどこに隠れているかだろう。なんと、車掌のいる操縦席の間に収められている。特別に見せてもらった操縦エリアは広いとは言えないが、あのボックスが収められているなら納得できる。春日部や下今市で、連結または切り離しの作業を見られるだろう。 貫通路 運転席の椅子も江戸小紋 と、ここまで熱を込めて書いてきたが、車両の先頭に貫通扉があるデザインは決して珍しいわけではない。インターネットで検索すれば、クリーム色に赤い帯の国鉄時代の車両が多くヒットする。「リバティ」と比較すると、上部の運転席や、正面のネームプレートがごてごてとした印象を与え、国鉄カラーも手伝って懐しさと同時に古臭さを感じる。「きっとデザイナーは、いかに扉のように見せないかという課題と向き合ってきたに違いない。その結果生み出されたのがこの蟹の裏側のようなデザインなのだ」。そんなことを考えながら眺めると、より楽しめる(かもしれない)。 車内ではNTT Docomoの回線のWi-Fiがあり、メールアドレスを登録すれば誰でも利用可能だ。各座席にコンセントが完備されているのも嬉しい。なかなか導入が進まない新幹線と異なり、バッテリーの心配をする必要はない。 東武鉄道の新型特急車両「リバティ」は2017年4月21日(金)運転開始だ。浅草から鬼怒川、会津へ、優雅な電車旅に出かけたい。 壁にも江戸小紋の縁起物トンボが   広々とした通路 トイレには子ども用の椅子とおむつ替えのベッドを完備

Get your vegan junk food fix in the backstreets of Harajuku

Get your vegan junk food fix in the backstreets of Harajuku

Tokyo is slowly but surely waking up to the idea of dietary requirements and healthy lifestyles, with a relative explosion of gluten-free, vegetarian and vegan options in the past year or so. That's all well and good, but one thing that was conspicuously missing was any type of guilty pleasure – something to go for when you have an irresistible craving for a bit of fat, sugar or extra carbs but don't want to give up on your diet entirely. Enter an entire menu dedicated to 'vegan junk food', kindly created to soothe our deep-fry-starved souls by the team at Organic Table by Lapaz in early February.  At this comfy eatery in the backstreets of Harajuku, two veggie burgers take centre stage in spring, with both the Avocado and Soy Fillet Katsu and the Tofu Cheese and Tempeh versions holding their own. The soy 'meat' in the former beauty is dense yet succulent enough to replicate the feeling of sinking your teeth into a piece of turkey, while there are plenty of avocado and sprout fillings to help power you up too. The Avocado and Soy Fillet Katsu comes with a side of soybean nuggets or veggie fries, which don't actually contain any potato (they aren't legumes, no matter what the French may tell you). The homemade ketchup and mustard are pretty kick-ass too, and have just the right depth of flavour to elevate the humble nuggets.  The Tofu Cheese and Tempeh burger, on the other hand, might sound like an overdose of soy beans but truly makes the most of its layered textures. The t

マクロスも忍たまもみんなで歌う。アニソンカラオケバーに行ってきた

マクロスも忍たまもみんなで歌う。アニソンカラオケバーに行ってきた

池袋がアニメヲタク、腐女子の街として注目されて久しい。タイムアウト東京でも、これまで池袋のおでかけマップ(英語版)にて、アニメイト本店や執事喫茶を紹介してきた。しかし、ここ池袋にはまだまだディープなスポットがあった。乙女ロードが伸びる東口エリアとは反対の、IWGP(池袋ウエストゲートパーク)がある西口エリアには、東京藝術劇場、立教大学といったランドマークとは別に、雑居ビルの立ち並ぶ繁華街が存在する。その一室に、毎晩アニメソングが鳴り止まないバーがあるのを知っているだろうか。 天井 『とある魔術の禁書目録』や『赤ずきんチャチャ』、『魔法少女まどか マギカ』のポスター、『けいおん!』のクッション、『鬼灯の冷徹』の手ぬぐいなど、壁から天井、ドアまでアニメのグッズで埋め尽くされた室内。ここは池袋駅西口にあるアニメソング(通称アニソン)専門のカラオケバー、colorfulだ。取材に行った時は、ちょうどワルキューレの『絶対零度θ』を女性客が熱唱中だった。歌に合わせてカウンターの中でシャンシャンとタンバリンを鳴らしているのは、『マクロスF』のランカ・リーに扮したスタッフまなと、同じく『天元突破グレンラガン』のヨーコに扮したユーリの2人だ。 店のシステムを簡単に紹介すると、まず男性は1時間2,000円、女性は1時間1,400円で飲み放題付き。30分の延長ごとに男性は1,000円、女性は700円が追加される。軽食メニューもあるが、次々と歌われるアニソンとボカロの曲を聞いて歌っていれば、それだけで満腹を味わえる。スタッフに歌をリクエストすることもできるので、その日扮しているキャラクターの曲を歌ってもらうのもいいだろう。恥ずかしさがぬぐえないという人には嬉しいデュエットにも快く応えてくれる。 『グレンラガン』のOP曲「空色デイズ」を歌ってもらった 本来ならボトルが陳列されているはずのカウンター越しの棚には、ボトルと同じ数だけのフィギュアが所狭しと並んでいる。室内を埋め尽くすポスターもそうだが、フィギュアも大半は筆者が見たことのない作品のもの。そもそも一口にアニメと言っても、そのくくりには『ルパン三世』から『ポケモン』、『君の名は。』まで含まれ、作品は星の数ほどあるのだ。しかし、それでも我こそは歩くアニメ辞典だと名乗りをあげるなら、入店後はまずスタッフの扮しているキャラクターと、棚にかかったリクエストボードをチェックして、今日のセットリストを決めたい。ボードにはスタッフである2人からのリクエスト曲が書かれており、この日のユーリのリクエストは、『キルラキル』や現在放送中の『リトルウィッチアカデミア』を制作するアニメーションスタジオ、Triggerの曲。そしてまなのはワルキューレの曲だった。 筆者も取材に備え、歌えるアニソンを探すべく中学時代に愛用していた『ウォークマン』のプレイリストをディグることにした。『D.Gray-man』や『とある』シリーズのサウンドトラックが流れてきたときには、自らの黒歴史を思い出し、経験したことのない胸の痛みに襲われたが、どんな趣味嗜好でも肯定してくれるのが、このcolofulという店だ。アニソンが分からないというカメラマンがセレクトした『忍たま乱太郎』の『勇気100%』も、筆者が選んだ『D.Gray-man』の1期のオープニング曲『INNOCENT SORROW』も、スタッフをはじめ同席した客も一緒になって絶賛してくれた。『名探偵コナン』の名盤、小松未歩の『謎』を大学の後輩と行ったカラオケで歌った際、「知らない」と一蹴された筆者からす

週1のヴィーガン料理は神宮前で。ジャンクフードもヘルシーに楽しむ

週1のヴィーガン料理は神宮前で。ジャンクフードもヘルシーに楽しむ

原宿や表参道の喧騒からは距離を置き、DIALOG IN THE DARKやワタリウム美術館といった施設が点在する外苑西通り沿いには、いつも落ち着いた空気が流れている。ORGANIC TABLE BY LAPAZもその一角にある。レンガ造りの建物の中2階に入居し、道路に面した大きな窓からはほどよく太陽光が差し込む。年季の入ったカウチや洒落たインテリアなど、ついつい長居したくなる雰囲気の店だが、そのこだわりは内装だけではない。同店はこれまで、ニューヨークで行列必至の人気店MatchaBarのポップアップショップや、マクロビオティック料理の提供など、食に関する様々な試みを行ってきた。そして2017年2月1日、人々の食への意識を高めるべく、ヴィーガンカフェとして再スタートを切った。ここでは大きく舵を切ったORGANIC TABLE BY LAPAZの新メニューをレポートしよう。 まずは看板メニューである『アボガド&ソイフィレカツ』と『TOHUチーズ&テンペ』のバーガー。『アボガド&ソイフィレカツ』は、玄米や玄米もち米でできたバンズに、大豆でできた肉である「ソイミート」のカツを挟んだものだ。初めて食べるソイミートは、舌触り、味、噛み応え、何から何まで「肉」だった。たとえるなら、ターキーのような裂けるタイプの肉を想像してほしい。そして、アボカドとたっぷりのスプラウトがバーガーをよりリッチに仕上げる。付けあわせには『大豆ナゲット』と、ポテトフライならぬ『ベジフライ』があり、どちらも冷めてもサクっとした食感を味わえる。ナゲットにつけるのは、丸一日煮込んだ自家製ケチャップと、マスタード。ねっとりとしながら、酸っぱさとピリっとした辛さが合わさったマスタードはぜひ試してほしい。 『TOHUチーズ&テンペ』は、豆腐チーズとテンペを雑穀のバンズで挟んだもの。食材をひとつずつ説明すると、まず豆腐チーズは、豆腐を味噌に漬け、味を染み込ませたもの。豆腐の水分はすっかり抜け、リコッタチーズとクリームチーズの間、といったところだろうか。名前にチーズと入っているが、玄米もち米や黒米、はと麦でできたバンズと一緒に食べれば、漬物と白米のような相性の良さだった。一方テンペは粘りのない大粒の納豆のような食感で、そもそもテンペとは大豆をテンペ菌で発酵させたインドネシア発祥の食べ物だから当たり前なのだが、まったく臭みもなく豆腐チーズとぴったりだった。バンズは周りを少し焼いてあるのでおこげのような食感だ。バーガーひとつでこれほどいろんな食感を楽しめるのも、このバーガーを勧めたいポイントのひとつだ。   どちらのバーガーにもトマトやキュウリなどの野菜が入っており、トマトについては夏野菜にも関わらず甘みがあり驚いた。同店の野菜はすべて有機、無農薬のものを使用しており、契約業者が厳選した野菜を使用しているのだそうだ。入り口正面のショーケースには、立派な生姜やパプリカなど、その日届いた新鮮な野菜が入っているので、気になる人はチェックしてみては。ランチタイムなどの忙しい時間帯でなければ、スタッフが食材や調理法のこだわりなどを熱心に説明してくれるだろう。 寒天に近い弾力のゼリーにフォークを刺した瞬間がたまらない(1カット700円) デザートに出てきた『ヴィーガンレアチーズケーキ』は衝撃の美味しさだった。まさに理想のチーズケーキとはこのこと。筆者の語彙力をつっこむより、以下の説明でその味を想像してほしい。寒天と葛のゼリー(動物のコラーゲンからできたゼラチンは使用できないため)と、薄力粉でできた土台に、チ

愛之助と屋号を叫ぶ。浮世絵の世界を体感できる展覧会が茅場町で開催

愛之助と屋号を叫ぶ。浮世絵の世界を体感できる展覧会が茅場町で開催

長方形の枠内に収まる、小舟を飲み込まんばかりに荒れ狂う波や、画面いっぱいに描かれた歌舞伎役者、武士たちの前に暗闇から姿を現した巨大な骸骨。その臨場感溢れる大胆な構図で、浮世絵は人々を魅了してきた。B4ほどのサイズにもかかわらず、古くはゴッホやモネが、そして現在も多くのアーティストを惹きつけてやまない。もしあの波が、骸骨が動き出したらと、想像したことはないだろうか。1月28日(土)より、ビジネスの町、日本橋茅場町で浮世絵の世界をデジタルアートで楽しむイベント「スーパー浮世絵 『江戸の秘密』展」がスタート。ここではその内容の一部を紹介しよう。 歌舞伎役者の片岡愛之助の「べらぼうにエモい」というセリフで迎えられる入り口を抜ければ、せわしない掛け声の飛び交う江戸の町に到着だ。アメリカ、ボストン美術館が所蔵する『スポルディングコレクション』は、世界で最も美しい、つまり保存状態がいいとされている浮世絵のコレクションだ。その超高精細デジタルデータを活用し、スクリーンに再現された街並みや江戸っ子たちの着物は、柄や髪の毛1本まではっきりと見ることができる。 歌舞伎座エリアでは『本朝廿四孝(ほんちょう にじゅうしこう)』のなかの、「筍堀」という演目を演じている場面が再現されている。座席から思い思いの表情で舞台を見つめる観客を見て、一緒に屋号を叫びたくなった人は次のエリアへ急ごう。写楽が描いた人気歌舞伎役者の顔が次々と表示されるパネルが並び、ナレーションを務める片岡愛之助があわせて屋号を叫んでいる。見栄を切る、いわゆるキメ顔の歌舞伎役者の浮世絵が次々と映し出されれば、写楽の作品を江戸っ子たちがこぞって買い求めたというのもうなずけるだろう。    実際の大きさは会場で確認しよう 階段で次のフロアへと下ると、不気味な音とともに現れたのは1mはあるかと思われる骸骨だ。囚われた姫を助けに来た武士たちを今にも食べようと口を動かしている。近年人気急上昇中の歌川国芳の作品だ。液晶画面でできた二曲一隻の屏風に表された作品は、作品には、ガラス越しに紙の作品とはまったく異なる印象を受けるだろう。そのほか、四谷怪談のお岩や、目をギョロギョロと動かす提灯のお化けなどが、おなじみの「ヒュードロドロ」の音とともに登場する、ホラーゾーンは必見だ。   左:ゆうたろう、右:柴田紗希 街行くサラリーマンたちは、まさかこの茅場町の廃ビルでこんな展覧会が開催されていようとは夢にも思わないだろう。日本橋茅場町は江戸時代、江戸城のお膝元、江戸湾へ続く水路の拠点として人や物が行き交う賑やかな場所だった。明治期からは証券、金融の街として今日知られるような顔を持つようになるわけだが、江戸時代のような文化と人が行き交う街という性格を甦らそうと立ち上がったのが「日本橋 兜町・茅場町アートプロジェクト」だ。『スーパー浮世絵 江戸の秘密展』は、その一環として開催された。江戸時代をそのまま再現するのではなく、新たなテクノロジーを使って古いものの魅力を再発見する。江戸っ子が遊女に謡や三味線の腕を求めたように、様々な顔を持つ町に生まれ変わろうとしている茅場町に注目したい。 「スーパー浮世絵 『江戸の秘密』展」の詳しい情報はこちら     スーパー浮世絵フレンズ   左からアソビシステム株式会社代表取締役 中川悠介、萬美術屋 安村敏信、日本ユネスコ評議員・NHKプロモーション 牧野健太郎、スーパー浮世絵フレンズ ゆうたろう